結論
建替え後は、建物の固定資産税が今より高くなるケースが一般的です。
築年数の古い家は評価額が低くなっていますが、建替え後は新築建物として評価し直されるからです。ただし、新築住宅には固定資産税を一定期間2分の1にする軽減措置があります。
土地については、同じ敷地で住宅を建て替える場合、原則として「住宅用地の特例」が続くため、大幅には変わらないことが一般的です。ただし、1月1日時点で建替え工事の条件を満たしていないと、土地の軽減が一時的に外れる可能性があります。
建替え後の固定資産税の変化
| 対象 | 建替え前 | 建替え後 |
|---|---|---|
| 古い建物 | 築年数により評価額が低い | 新築評価となり高くなりやすい |
| 土地 | 住宅用地の軽減あり | 条件を満たせば軽減を継続 |
| 新築建物 | ― | 当初3年間は一定部分を2分の1減額 |
| 長期優良住宅 | ― | 当初5年間は一定部分を2分の1減額 |
| 都市計画税 | 課税区域では発生 | 新築建物の2分の1減額は原則対象外 |
したがって、建替え直後は新築軽減によって負担が抑えられますが、軽減期間が終了すると税額が上がります。
なぜ古い家より高くなるのですか?
建物の固定資産税は、実際に支払った建築費ではなく、市町村が固定資産評価基準に基づいて決める「固定資産税評価額」で計算します。
宮崎市では、家屋評価額を概ね次の考え方で算定します。
家屋評価額=再建築価格×経年減点補正率
古い住宅は、築年数による経年減点補正が進んでいます。建替えると経年減点がリセットされ、新築として評価されるため、建物税額は高くなりやすいのです。宮崎市「家屋に関すること(固定資産税)」
建築費3,000万円なら3,000万円で評価されますか?
必ずしも建築費と同じ金額にはなりません。
固定資産税評価額は、次のような要素から市町村が評価します。
- 建物の構造
- 延べ床面積
- 屋根・外壁・内装の仕様
- キッチン・浴室・洗面などの設備
- 空調・給湯設備
- 床暖房などの設備
- 使用材料や施工量
値引きの有無、住宅会社の利益、設計料などが、そのまま評価額になるわけではありません。そのため、建築費だけから固定資産税を正確に計算することはできません。
新築住宅の固定資産税は2分の1になりますか?
一定の条件を満たす一般的な新築住宅は、新たに固定資産税が課税される年度から3年度分、床面積120㎡までの建物部分について固定資産税が2分の1になります。
| 住宅の種類 | 2分の1減額の期間 |
|---|---|
| 一般的な新築一戸建て | 3年度分 |
| 認定長期優良住宅 | 5年度分 |
| 3階建て以上の耐火・準耐火住宅 | 原則5年度分 |
床面積が120㎡を超える場合は、120㎡までの部分が減額対象となり、超えた部分は通常どおり課税されます。
新築住宅軽減の主な条件
一般的には、次の床面積要件などを満たす必要があります。
- 住宅部分の床面積が原則50㎡以上280㎡以下
- 併用住宅は床面積の2分の1以上が居住用
- 新築住宅として所定の要件を満たす
- 長期優良住宅の場合は着工前に認定を受ける
- 長期優良住宅の減額は期限内に申告する
※不動産取得税の軽減は上限240㎡ですが、固定資産税の新築住宅軽減は一般に上限280㎡です。制度によって床面積要件が違うため注意してください。
軽減が終わると税金はいくら上がりますか?
軽減期間が終了すると、建物の固定資産税は本来の税額に戻ります。
例えば、建物部分の本来の固定資産税が年間12万円で、全体が軽減対象になるケースでは、概ね次のようになります。
| 期間 | 建物の固定資産税 |
|---|---|
| 新築後の軽減期間 | 約6万円 |
| 軽減終了後 | 約12万円 |
これは制度を説明するための仮定例です。実際には評価替えや経年減点補正があるため、必ず正確に2倍になるわけではありません。
一般住宅では4年度目、認定長期優良住宅では6年度目に負担が増えやすいため、資金計画には軽減終了後の税額を入れておきましょう。
土地の固定資産税はどうなりますか?
住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」があります。
| 土地の区分 | 固定資産税の課税標準 |
|---|---|
| 1戸当たり200㎡までの小規模住宅用地 | 評価額の6分の1 |
| 200㎡を超える一般住宅用地部分 | 評価額の3分の1 |
例えば300㎡の一戸建て敷地なら、原則として次のように区分します。
- 200㎡まで:小規模住宅用地として6分の1
- 残り100㎡:一般住宅用地として3分の1
この特例が「固定資産税が6倍になる」といわれる理由ですが、軽減が外れた場合に実際の納税額が必ず6倍になるわけではありません。負担調整措置や都市計画税などもあるためです。宮崎市「土地に関すること(固定資産税)」
建替え中に土地の固定資産税が上がることはありますか?
固定資産税は、毎年1月1日時点の状況で判定されます。
例えば12月に古家を解体し、翌年1月1日時点で新居が未完成の場合、形式上は住宅のない土地になります。そのままでは住宅用地の特例が外れる可能性があります。
ただし宮崎市では、次の要件をすべて満たして申告すれば、建替え中も住宅用地の特例を継続できる制度があります。
- 前年1月1日時点で住宅用地だった
- 建替え年の1月1日時点で新築工事に着手している
- 翌年1月1日までに新居が完成する
- 建替え前と同じ敷地で建て替える
- 前年と建替え年の1月1日時点で土地所有者が同じ
- 建替え前後の家屋所有者が原則として同じ
宮崎市では「建替え住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例申告書」の提出が必要です。
親名義から子名義へ変える場合は要注意
例えば、次のような建替えでは継続特例の要件から外れる可能性があります。
- 親名義の古家を解体する
- 親名義の土地に子ども名義の新居を建てる
- 建替え途中で土地を親から子へ贈与する
建替え前後で土地・家屋の所有者が変わる場合は、解体前に市町村の資産税担当部署へ確認しましょう。
年の途中で解体した古家の税金は戻りますか?
原則として戻りません。
1月1日時点で古家が存在していれば、その年の途中に解体しても、その年度分の古家の固定資産税は1年分課税されます。月割りで還付される制度ではありません。
一方、新居が年の途中に完成した場合、その建物の固定資産税は翌年1月1日時点の状況に基づき、翌年度から課税されます。
例
- 2026年1月1日:古家が存在
- 2026年4月:古家を解体
- 2026年11月:新居完成
この場合、一般的には次のようになります。
- 2026年度:古家に対する固定資産税
- 2027年度:新居に対する固定資産税
同じ年度に古家と新居の建物固定資産税が二重に課税されるわけではありません。
都市計画税も変わりますか?
市街化区域内など、都市計画税の課税対象地域では、固定資産税とは別に都市計画税がかかります。
土地には住宅用地としての軽減がありますが、新築住宅の「建物固定資産税2分の1減額」は、原則として都市計画税には適用されません。
納税通知書を見るときは、次の項目を分けて確認しましょう。
- 土地の固定資産税
- 土地の都市計画税
- 建物の固定資産税
- 建物の都市計画税
- 新築住宅の減額
建替え後の税額を事前に確認する方法
正確な固定資産税評価額は完成後の家屋調査を経て決まるため、建築前に確定額を出すことはできません。
ただし、資金計画では次の方法で概算できます。
- 現在の納税通知書で土地税額を確認する
- 建替え中も住宅用地特例を継続できるか確認する
- 施工会社へ同規模・同仕様住宅の固定資産税目安を聞く
- 新築軽減期間中と終了後の2段階で試算する
- 長期優良住宅にする場合の認定費用と5年間軽減を比較する
シニアの建替えでは、年金生活へ入った後に新築軽減が終了することがあります。軽減中の税額だけでなく、4年目または6年目以降の税額を老後の支出に入れておくことが重要です。
宮崎市での相談先
宮崎市内で建て替える場合、建替え中の住宅用地特例については宮崎市資産税課へ確認できます。
- 宮崎市 財政部資産税課
- 電話:0985-21-1743
相談時には、次の資料があると確認しやすくなります。
- 現在の固定資産税納税通知書
- 土地・建物の登記事項証明書
- 解体予定日
- 新居の着工・完成予定日
- 建替え後の名義
- 配置図・平面図
まとめ
建替え後は、古い建物から新築建物へ評価が変わるため、建物の固定資産税は今より高くなる可能性が高いでしょう。
ただし、負担を抑える制度があります。
- 一般住宅は当初3年度分、120㎡までの建物固定資産税が2分の1
- 認定長期優良住宅は当初5年度分、同様に2分の1
- 土地は200㎡まで評価額の6分の1
- 建替え中でも一定条件と申告により土地の特例を継続可能
最も注意したいのは、古家の解体時期、新居の着工時期、1月1日時点の状態、建替え前後の名義です。解体前に市町村へ確認することで、土地の軽減が外れるリスクを抑えられます。








