A.宮崎県でも建替えに利用できる補助制度があります。ただし、「65歳以上だから受けられる建替え補助金」は少なく、実際には省エネ性能・耐震性・古家の解体・太陽光発電・浄化槽などを条件とする制度が中心です。
2026年8月16日現在、宮崎県で検討しやすいのは次の制度です。
| 制度 | 主な内容 | シニア世帯の利用 |
|---|---|---|
| みらいエコ住宅2026事業 | 高性能な新築住宅 | GX志向型住宅なら年齢を問わず対象 |
| 宮崎市木造住宅建替え補助 | 古い耐震性不足住宅の建替え | 年齢制限なし。ただし2026年度受付終了 |
| ひなたゼロカーボン加速化事業 | 太陽光・蓄電池など | 宮崎県民なら年齢を問わず対象 |
| 宮崎市公設合併処理浄化槽 | 市が浄化槽を設置・維持管理 | 対象区域なら利用可能 |
| 介護保険住宅改修 | 手すり・段差解消など | 原則として既存住宅の小規模改修向け |
1.最も注目したい「みらいエコ住宅2026事業」
国の「みらいエコ住宅2026事業」では、一定の省エネ性能を満たす新築住宅に補助金が交付されます。
宮崎県の多くが該当する地域区分5~8の場合、補助額は次のとおりです。
| 住宅性能 | 宮崎県での補助額の目安 | 古家を除却する場合 |
|---|---|---|
| GX志向型住宅 | 110万円 | 除却加算なし |
| 長期優良住宅 | 75万円 | 20万円加算 |
| ZEH水準住宅 | 35万円 | 20万円加算 |
床面積は原則50㎡以上240㎡以下などの要件があります。みらいエコ住宅2026事業「事業概要」
シニア世帯が利用できるのはどの住宅?
ここが重要です。
**GX志向型住宅は、建築主の年齢や子どもの有無を問わず対象になります。**そのため、50代・60代・70代の夫婦や一人暮らしのシニアでも利用できます。
一方、長期優良住宅とZEH水準住宅の新築補助は、原則として次のいずれかに限られます。
- 対象年齢の子どもがいる子育て世帯
- 夫婦のいずれかが39歳以下の若者夫婦世帯
したがって、子どもが独立した一般的なシニア世帯では、長期優良住宅・ZEH水準住宅の新築補助は対象外となる可能性が高く、GX志向型住宅の110万円が有力候補です。
2026年度の受付状況
2026年8月16日時点では、GX志向型住宅の予算に対する申請割合は49%、長期優良住宅・ZEH水準住宅は23%と公表されています。ただし、予算上限に達すると期限前でも終了します。みらいエコ住宅2026事業公式サイト
注文住宅のZEH水準住宅は、予約期限が2026年8月17日、交付申請期限が同年9月30日と、ほかの区分より早く設定されています。GX志向型住宅なども最終期限前に予算終了する可能性があります。
2.宮崎市の古い木造住宅に対する建替え補助
宮崎市では、耐震性が不足する古い木造住宅の建替えを支援しています。
2026年度の主な対象条件は次のとおりでした。
- 宮崎市内の木造住宅
- 1981年5月31日以前に着工
- 地上2階以下
- 耐震診断の評点が1.0未満
- 現在その住宅に住んでいる
- 建替え後の住宅にも居住する
- 市税の滞納がない
- 建築基準法などの明らかな違反がない
補助額
建替え工事費または「延床面積×3万4,100円」のいずれか低い額の23%で、上限38万円です。
解体だけの場合は、同様の計算方法で上限34万4,000円です。
ただし、**2026年度の申込受付は2026年6月30日で終了しています。**来年度も実施されるとは限りませんが、建替え時期を調整できる場合は、2027年度の募集予定を早めに確認する価値があります。宮崎市「木造住宅の耐震化を支援します」
耐震診断を先に受ける必要がある
単に「築年数が古い」「解体して建て替える」というだけでは対象になりません。原則として、耐震診断により評点1.0未満と判定される必要があります。
補助金を利用したい場合は、解体契約を結ぶ前に宮崎市へ相談してください。
3.宮崎県「ひなたゼロカーボン加速化事業補助金」
宮崎県では、県内の住宅に太陽光発電や蓄電池などを導入する個人を対象に、2026年度の補助制度を実施しています。
| 対象設備 | 個人向け補助額 |
|---|---|
| 太陽光発電 | 1kW当たり3万5,000円・上限21万円 |
| 蓄電池 | 対象費用の3分の1以内、または1kWh当たり5万円・上限50万円 |
| 高効率給湯器 | 対象費用の2分の1以内 |
| 窓の断熱改修 | 対象費用の3分の1以内・上限120万円 |
太陽光発電は自家消費を目的とする設備が対象で、FIT・FIPによる売電を行うものは対象外です。蓄電池は、原則として太陽光発電と同時導入する場合などの条件があります。
受付期間は、2026年6月18日から12月4日までですが、予算がなくなり次第終了します。宮崎県「ひなたゼロカーボン加速化事業補助金」
契約前の申請が必要
この制度は、補助金の交付決定前に発注や契約をすると対象外になります。
建替え工事では太陽光や蓄電池も建築契約に含めることが多いため、契約前に補助対象設備と申請時期を切り分けておく必要があります。
また、「みらいエコ住宅2026事業」などとの併用については、同じ設備・同じ工事費への重複補助が認められない場合があります。事務局へ個別に確認してください。
4.宮崎市の公設合併処理浄化槽
公共下水道の対象外地域で建て替える場合、浄化槽工事が高額になることがあります。
宮崎市には、市が住宅敷地内へ浄化槽を設置し、市が維持管理する公設合併処理浄化槽制度があります。
2026年度の主な負担額
| 人槽 | 設置時の分担金 | 毎月の使用料 |
|---|---|---|
| 5人槽 | 8万9,000円 | 3,880円 |
| 6~7人槽 | 10万3,000円 | 4,080円 |
| 8~10人槽 | 13万円 | 5,030円 |
浄化槽本体の設置費用は市側が負担し、利用者は設置費の約1割相当を分担します。ただし、宅内配管、水洗トイレ、電源工事などは自己負担です。
対象は、公共下水道事業計画区域や農業集落排水区域を除く宮崎市内です。現在のPFI事業の契約期間は2027年3月31日までと案内されているため、早めの確認が必要です。宮崎市「公設合併処理浄化槽」
これは現金が直接交付される補助金ではありませんが、建替え時の初期費用を抑えるうえで有効です。
5.介護保険の住宅改修費は建替えにも使える?
原則として、新築・建替えそのものには使えません。
介護保険の住宅改修費は、要支援・要介護認定を受けた人が現在の住宅で行う、次のような小規模改修を対象としています。
- 手すりの取り付け
- 段差の解消
- 滑りにくい床材への変更
- 引き戸への変更
- 和式便器から洋式便器への変更
- これらに付帯する工事
支給限度基準額は原則20万円で、1割負担なら最大18万円が保険給付となります。厚生労働省「居宅介護住宅改修費等の支給」
建替え時に最初から手すりや段差のない床を設けても、一般的には介護保険住宅改修費の対象にはなりません。建替え後、身体状況の変化により新たな改修が必要になったときに利用を検討する制度です。
6.県産材を使えば施主が補助を受けられる?
宮崎県の「みやざき材の家づくり普及促進事業」はありますが、2026年度制度の直接の対象者は、登録工務店などが行う見学会・PR活動です。
補助率は対象経費の3分の1以内、通常上限20万円ですが、**住宅を建てる施主へ建築費が直接交付される制度ではありません。**名称だけを見て「県産材を使えば施主が20万円もらえる」と誤解しないよう注意が必要です。宮崎県「みやざき材の家づくり普及促進事業」
シニアの建替えで補助金を選ぶ順番
宮崎県でシニア世帯が建て替える場合、次の順番で確認すると効率的です。
- 既存住宅が1981年5月以前の木造住宅か
- 市町村の耐震建替え・解体補助があるか
- 新居をGX志向型住宅にできるか
- 太陽光・蓄電池の県補助を使えるか
- 下水道区域外なら浄化槽制度があるか
- 危険なブロック塀や瓦屋根の補助があるか
- 国・県・市の補助金を併用できるか
補助金で最も注意すること
工事契約後では間に合わないことが多い
補助制度の多くは、次のいずれかを求めています。
- 契約前の申請
- 着工前の申請
- 解体前の耐震診断
- 登録事業者による申請
- 交付決定後の着工
先に解体・契約・設備発注をすると、条件を満たしていても補助対象外になることがあります。
補助金は後払いが基本
多くの補助金は、工事完了後に交付されます。建築会社への中間金や最終金を補助金で直接支払えるとは限らないため、一時的な立替資金も資金計画に入れます。
補助金のための追加工事費を比較する
110万円の補助を受けるために、設備・申請・性能証明などでそれ以上の追加費用がかかる場合は、資金面のメリットが小さくなります。
ただし、断熱性能の向上による光熱費削減、室温差の軽減、将来の健康面まで含めると、単純な建築費だけでは判断できません。
結論
宮崎県でシニア世帯が使いやすい可能性があるのは、主に次の制度です。
- GX志向型住宅:110万円
- 宮崎市の耐震建替え:上限38万円(2026年度受付終了)
- 太陽光発電:上限21万円
- 蓄電池:上限50万円
- 宮崎市の公設合併処理浄化槽
- 市町村ごとの解体・耐震・ブロック塀対策制度
シニアだから自動的にもらえるのではなく、住宅の性能、既存住宅の築年数、所在地、工事内容、申請時期によって利用可否が決まります。
特に宮崎県では、市町村によって制度が異なります。建替え予定地の住所が決まっている場合は、建築会社との契約前に、国・県・市町村の制度を一括確認することが重要です。
※制度内容・予算残額・受付状況は2026年8月16日時点です。








