A.基本的には、同じ種類の断熱材なら厚いほど断熱性能は高くなります。ただし、厚さだけで住宅の性能は決まりません。
断熱材には種類ごとに「熱の伝わりにくさ」があり、同じ厚さでも性能が異なります。また、隙間や施工不良があると、厚い断熱材を使っても本来の効果を発揮できません。
厚さだけでは比較できない理由
断熱材の性能は、主に次の3つで決まります。
- 断熱材の種類
- 断熱材の厚さ
- 施工状態
例えば、同じ100mmの厚さでも、使用する断熱材の熱伝導率が違えば、断熱性能も変わります。
熱伝導率とは?
熱伝導率は「熱の伝わりやすさ」を示す数値です。単位はW/(m・K)で、数字が小さいほど熱を通しにくい断熱材です。
断熱材単体の性能は、次の式で比較できます。
熱抵抗値=断熱材の厚さ÷熱伝導率
つまり、性能を判断するには、厚さだけでなく熱伝導率も確認する必要があります。
同じ厚さでも性能は異なります
一般的な傾向を簡単に比較すると、次のようになります。
| 断熱材 | 特徴 |
|---|---|
| グラスウール | 費用とのバランスがよく、施工精度が重要 |
| ロックウール | 断熱性に加え、耐火性や吸音性に優れる |
| 硬質ウレタンフォーム | 薄くても比較的高い断熱性能を得やすい |
| フェノールフォーム | 熱伝導率が低く、高い断熱性能を確保しやすい |
| セルロースファイバー | 断熱・吸音性があり、充填密度の管理が重要 |
「ウレタン100mm」と「グラスウール100mm」のように、種類の違う断熱材を厚さだけで比べることはできません。製品ごとの熱伝導率と、実際に施工する厚さを確認しましょう。
厚くしても効果が出にくいケース
1.断熱材に隙間がある
断熱材が厚くても、柱や配管の周辺に隙間があれば、そこから熱が出入りします。断熱材の欠損やずれは、結露の原因になる場合もあります。
2.断熱材がつぶれている
グラスウールなどは、決められた厚さと密度で施工することが重要です。無理に押し込んでつぶすと、本来の性能を発揮できないことがあります。
3.窓の性能が低い
住宅では、窓や玄関ドアからも多くの熱が出入りします。壁の断熱材だけを厚くしても、窓の性能が低ければ、住宅全体の断熱性能は十分に上がりません。
4.住宅に隙間が多い
断熱材は熱の伝わりを抑えますが、住宅の隙間を完全になくす材料ではありません。気密性能が低いと、暖めたり冷やしたりした空気が外へ逃げてしまいます。
5.熱橋対策が不十分
柱・梁・金物など、断熱材が途切れて熱が伝わりやすくなる部分を「熱橋」といいます。断熱材の厚さだけでなく、熱橋を減らす設計も必要です。
宮崎では屋根・天井の断熱が重要です
宮崎は夏の日差しが強く、屋根の表面温度が高くなります。そのため、壁だけでなく、屋根または天井部分の断熱性能が重要です。
特に平屋は屋根の面積が大きいため、次の点を確認しましょう。
- 屋根断熱か天井断熱か
- 断熱材の種類と厚さ
- 小屋裏の換気方法
- 防湿層・気密層が連続しているか
- 軒や庇で窓への日差しを遮れているか
- 屋根材や遮熱シートだけに頼っていないか
遮熱材は放射熱を抑えるもので、断熱材の代わりにはなりません。両者の役割を分けて考えることが大切です。
住宅会社に確認するポイント
「断熱材は何ミリですか?」だけでなく、次のように質問しましょう。
- 断熱材の商品名と種類は何ですか?
- 熱伝導率はいくつですか?
- 屋根・壁・床に何mm施工しますか?
- 設計上のUA値はいくつですか?
- 窓と玄関ドアの性能はどうなっていますか?
- 防湿層と気密層はどのように施工しますか?
- 断熱施工後に写真や検査記録を残しますか?
- 完成前に気密測定を行いますか?
デザインハウス宮崎の考え方
デザインハウス宮崎では、断熱材の厚さだけで高性能住宅とは判断しません。
2×4工法の壁・床・屋根を生かしながら、断熱材の種類と厚さ、窓、気密、防湿、日射遮蔽、換気を一体として計画することが重要だと考えています。
特に、壁の中に断熱材を隙間なく施工し、設計どおりの性能になっているかを確認する施工品質が大切です。
まとめ
- 同じ断熱材なら、基本的に厚いほど高性能
- 種類が違えば、厚さだけでは比較できない
- 熱伝導率が小さい断熱材ほど熱を通しにくい
- 隙間・つぶれ・熱橋があると性能が低下する
- 窓、気密、防湿、換気も一緒に確認する
- 宮崎では壁だけでなく、屋根・天井の断熱も重要
結論として、見るべきなのは断熱材の厚さだけではなく、**「種類・熱伝導率・施工厚・施工品質・住宅全体のUA値」**です。








