A.法律上は、気密測定を行わなくても新築住宅を建てられます。しかし、測定しなければ、その家が実際にどの程度の気密性能を持っているかは確認できません。
特に断熱等級6などの高性能住宅を希望するなら、気密測定を行う住宅会社を優先することをおすすめします。
2025年4月以降、新築住宅には省エネ基準への適合が義務づけられていますが、現在の国の基準は断熱性能や一次エネルギー消費量を中心に判定するもので、すべての住宅に気密測定を義務づけてはいません。国土交通省「省エネ基準引き上げへ」
つまり、省エネ基準適合住宅や断熱等級の高い住宅であっても、気密測定をしているとは限りません。
1.気密測定とは何ですか?
気密測定とは、住宅にどれくらいの隙間があるかを専用の機械で測定する検査です。
一般的には、窓や玄関ドアを閉め、専用ファンで建物内外に圧力差をつくり、空気の流れから建物全体の隙間面積を求めます。
測定結果は、主にC値で表します。
C値=住宅全体の相当隙間面積÷延床面積
単位は㎠/㎡で、一般的には数値が小さいほど隙間が少ない住宅です。
例えば、延床面積100㎡の住宅でC値が1.0㎠/㎡の場合、計算上の相当隙間面積は住宅全体で約100㎠になります。
ただし、C値は隙間を一か所へ集めた大きさをイメージする指標であり、実際には小さな隙間が建物各所に分布しています。
2.気密測定をしなければC値は分からない
UA値は、図面、断熱材、窓などの仕様から計算できます。
一方、C値は実際の建物で測定しなければ確認できません。
| 比較項目 | UA値 | C値 |
|---|---|---|
| 示す性能 | 外皮からの熱の移動 | 建物の隙間 |
| 確認方法 | 図面・仕様から計算 | 現場で測定 |
| 数値 | 小さいほど熱が逃げにくい | 小さいほど隙間が少ない |
| 主な影響 | 断熱性能、冷暖房負荷 | 漏気、換気、体感、湿気移動 |
| 施工の影響 | 一部反映しにくい | 現場施工が結果に表れやすい |
「高気密住宅です」「丁寧に施工しています」という説明だけでは、実際のC値は分かりません。
3.気密測定を行わなくても違法ではない
気密測定は、現在すべての新築住宅に法律で義務づけられている検査ではありません。
そのため、次のような住宅でも、気密測定を行っていない場合があります。
- 省エネ基準適合住宅
- ZEH水準住宅
- 断熱等級5・6の住宅
- 長期優良住宅
- 高性能住宅と広告している住宅
- 第一種熱交換換気を採用した住宅
国土交通省の省エネ設計・施工資料でも、断熱層、防湿層、気密層を連続させる施工の重要性が示されていますが、実際の施工結果を数値で確認するには測定が必要です。国土交通省「住宅の省エネルギー 設計と施工2023」
したがって、「測定しないから違法」ではありませんが、「測定しないまま高気密だと確認することはできない」という整理になります。
4.気密測定を行わない場合に起こり得る問題
すべての住宅で必ず問題が起こるわけではありません。しかし、隙間が多かった場合、次のような影響が出る可能性があります。
- 冷暖房の効きが安定しない
- 冬に足元で冷気を感じる
- 部屋ごとの温度差が大きくなる
- 外気の湿気が入りやすくなる
- 計画どおりに換気できない
- 外の音やにおいが入りやすい
- 花粉や砂ぼこりが隙間から入る
- 壁内へ空気と湿気が流れ込む
- 換気設備の性能を生かしにくい
- 高い断熱仕様へ投資した効果が低下する
測定を行わなければ、隙間が多くても完成まで気づかない可能性があります。
5.断熱と気密はセットで考える
断熱材は、熱が移動するのを抑えます。気密施工は、隙間から空気が出入りするのを抑えます。
例えば、高性能な防寒着を着ていても、ファスナーが開いていれば冷たい風が入ります。住宅も同じように、断熱性能が高くても隙間が多ければ、期待した快適性を得にくくなります。
- UA値がよい=断熱性能の設計値がよい
- C値がよい=隙間が少なく施工された
- 両方を確認=設計と現場の両面を確認できる
断熱等級を上げるほど、その性能を生かす気密施工が重要になります。
6.気密性能は計画換気に影響する
24時間換気は、給気口から外気を入れ、排気口から汚れた空気を出すように計画されます。
ところが建物に予定外の隙間が多いと、空気が給気口以外から入り込む場合があります。
- 遠い部屋まで空気が流れにくい
- 排気口付近の隙間から空気を吸う
- 給気口から必要な量が入らない
- 部屋によって換気量に差が出る
- においや湿気が残りやすくなる
気密性が高ければ、換気設備の給排気経路を管理しやすくなります。
ただし、C値が小さいだけで適切な換気が保証されるわけではありません。換気設備の選定、給排気口の位置、風量測定、フィルター管理も必要です。
7.第一種換気なら気密測定は不要ですか?
いいえ。第一種換気を採用していても、気密性能の確認は重要です。
第一種換気は、給気と排気の両方を機械で行う方式です。熱交換機能がある場合、排気する空気の熱を回収して給気へ移します。
しかし、隙間から外気が入れば、その空気は熱交換器を通りません。
- 熱交換の効果を十分に生かしにくい
- 意図しない場所から外気が入る
- 温度や湿度を管理しにくい
- 計画した空気の流れが乱れる
高価な熱交換換気設備を採用するなら、建物側の気密性能も確認しましょう。
8.宮崎では湿気の流入にも注意する
宮崎は高温多湿で、梅雨、長雨、台風時期には外気の湿度が高くなります。
建物に隙間が多いと、換気口以外から湿った外気が入り込む可能性があります。
- 冷房中の室内へ湿気が入る
- 除湿負荷が増える
- 収納内が湿っぽくなる
- 室内干しと重なると湿度が上がる
- 壁内や床下へ空気が流れ込む
- 冷えた部材付近で結露する可能性がある
ただし、気密性を高くするだけでは湿気対策になりません。
- 24時間換気を止めない
- 適切に除湿する
- 室内干し量を想定する
- 換気フィルターを清掃する
- 壁体内の防湿・排湿を計画する
- エアコン能力を適切に選ぶ
宮崎では、気密・換気・除湿をセットで計画することが重要です。
9.気密性能が高いと息苦しくなりませんか?
適切に換気されていれば、気密性が高いこと自体で息苦しくなるわけではありません。
気密性が高い住宅は、空気を閉じ込める家ではなく、空気の入口と出口を計画しやすい家です。
息苦しさや空気の悪さにつながりやすいのは、次のような状態です。
- 換気設備を止めている
- フィルターが詰まっている
- 給気口を閉じている
- 換気風量が不足している
- 部屋間の通気経路がない
- レンジフード使用時の給気が不足する
高気密住宅ほど、換気設備の正しい使用とメンテナンスが必要です。
10.C値はいくつを目標にすればよいですか?
国の現行省エネ基準には、全国一律で住宅へ求めるC値の必須基準はありません。そのため、住宅会社ごとに目標が異なります。
実務的な目安としては、次のように考えられます。
| C値 | 一般的な考え方 |
|---|---|
| 2.0㎠/㎡を超える | 高気密住宅としては慎重に確認 |
| 1.0㎠/㎡以下 | 気密性へ配慮した住宅の一つの目安 |
| 0.5㎠/㎡以下 | より高い気密施工を目指す水準 |
| 0.3㎠/㎡前後以下 | 高い施工精度が必要。数値以外とのバランスも重要 |
これは法律上の合否基準ではなく、住宅会社を比較するための実務的な目安です。
デザインハウス宮崎で断熱等級6などを計画する場合は、まず実測C値1.0㎠/㎡以下を最低限の目標候補とし、可能であれば0.5㎠/㎡前後以下を目指す考え方が分かりやすいでしょう。
ただし、C値の小ささだけを競う必要はありません。断熱、換気、日射、防水、耐震、間取りとのバランスが大切です。
11.中間測定と完成測定はどちらがよいですか?
気密測定には、主に中間測定と完成測定があります。
中間測定
気密層が完成し、内装で隠れる前などに行います。
メリットは、隙間が見つかった場合に補修しやすいことです。
- 配線・配管の貫通部
- 窓まわり
- 床と壁の取り合い
- 天井・屋根まわり
- 浴室周辺
- 点検口
- 気密シートの継ぎ目
完成測定
住宅が完成した状態で測定します。
最終的な建物の気密性能を確認できますが、隙間の位置によっては補修が難しくなります。
おすすめの考え方
理想は、中間測定で隙間を探して補修し、必要に応じて完成時にも確認する方法です。
一回だけなら、住宅会社の工法や補修体制を確認したうえで、どの時期が有効か説明してもらいましょう。
12.測定は誰が行うのですか?
測定担当者は住宅会社によって異なります。
- 住宅会社の担当者
- 気密測定専門業者
- 断熱工事業者
- 第三者検査会社
自社測定が直ちに問題というわけではありません。重要なのは、適切な方法で測定し、正式な報告書を残すことです。
確認したい項目は次のとおりです。
- 測定者
- 使用する機器
- 測定方法
- 測定時の建物状態
- 開口部の処理
- 測定結果
- 漏気箇所
- 補修内容
- 再測定結果
- 測定報告書
測定値だけでなく、どのような条件で測ったのか確認しましょう。
13.気密測定時に塞いでよい場所を確認する
気密測定では、換気口など、計画上必要な開口部を一定のルールで塞いで測定します。
しかし、測定条件が統一されていなければ、住宅会社同士の数値を単純に比較できません。
- 24時間換気口
- レンジフード
- 給気口
- 排水口
- エアコン配管穴
- 煙突
- 床下・小屋裏点検口
- 玄関ドア・窓
測定報告書に、測定時の処理や建物状態が記録されているか確認しましょう。
14.モデルハウスのC値は自分の家の性能ではない
住宅会社がモデルハウスの優れたC値を公開していても、自分の家が同じ数値になるとは限りません。
C値は次の条件で変わります。
- 建物の大きさ
- 平屋か2階建てか
- 建物形状
- 窓やドアの数
- 引違い窓の数
- 配線・配管の貫通数
- 気密層の取り方
- 職人の施工
- 現場監督の検査
- 間取り変更
確認したいのは会社の最高記録ではなく、全棟の測定実績と、自分の家の実測結果です。
15.平均C値だけでなく測定棟数を確認する
「平均C値0.4㎠/㎡」と説明されても、測定した棟数によって意味が変わります。
- 全棟測定の平均か
- 希望者だけを測定した平均か
- 何棟分の実績か
- 過去何年間の数値か
- 最も悪かった数値はいくつか
- 目標未達時に何をするか
平均値がよくても、一部の建物だけを測っている可能性があります。
全棟測定かどうかと、直近の実績を確認しましょう。
16.測定しない会社でも検討できるケース
気密測定をしない住宅会社を、必ず避けなければならないわけではありません。
次の条件を確認できる場合は、検討の余地があります。
- 気密層の位置を図面で説明できる
- 気密施工マニュアルがある
- 配線・配管まわりの処理方法が決まっている
- 現場監督が気密施工を検査する
- 施工中の写真を受け取れる
- 断熱・防湿・気密層の連続性を確認できる
- 過去の測定実績がある
- 希望すれば第三者測定を入れられる
- 目標C値を契約書や仕様書へ記載できる
ただし、測定しない以上、その家のC値を数値で確定することはできません。
17.気密測定を拒む会社には理由を聞く
住宅会社が気密測定を行わない場合は、その理由を確認しましょう。
比較的納得できる説明
- 標準外だが施主負担で実施できる
- 測定会社を手配できる
- 工法上の測定時期を説明できる
- 過去の実績と施工方法を示せる
- 第三者測定を受け入れられる
注意したい説明
- 宮崎は暖かいから気密は不要
- 断熱等級6だから測らなくてよい
- 第一種換気なので測定不要
- ツーバイフォーだから自動的に高気密
- 職人が丁寧なので測定しなくても分かる
- 測定すると息苦しい家になる
- C値は意味がない
- 測定結果は施主へ渡せない
工法や断熱材だけで、実際の気密性能は証明できません。
18.ツーバイフォーなら測定しなくても高気密ですか?
ツーバイフォー工法は、床・壁・屋根を面で構成するため、気密層を計画しやすい工法です。
しかし、工法だけでC値が保証されるわけではありません。
- コンセント
- 配線
- 給排水管
- 換気ダクト
- エアコン配管
- 窓・玄関ドア
- 床下点検口
- 天井点検口
- 壁と床の取り合い
これらの処理によって隙間が生じます。
ツーバイフォーの特性を生かしながら、施工と測定によって確認することが重要です。
19.気密測定費用だけで判断しない
気密測定には費用がかかりますが、完成後に隙間を探して補修する方が難しく、高額になる場合があります。
測定費用を比較するときは、次の内容を確認しましょう。
- 測定回数
- 報告書
- 隙間探し
- 補修作業
- 再測定
- 第三者測定
- 見積価格への含有
単に数値を一回測るだけなのか、隙間を探して補修する工程まで含むのかで価値が変わります。
住宅会社の気密性能比較表
| 比較項目 | A社 | B社 | C社 |
|---|---|---|---|
| 気密測定 | 全棟・任意・なし | ||
| 目標C値 | |||
| 直近の平均実績 | |||
| 測定棟数 | |||
| 測定時期 | |||
| 測定者 | |||
| 目標未達時の補修 | |||
| 再測定 | |||
| 報告書 | |||
| 測定費 | |||
| 気密施工の検査 |
「測定なし」の欄へ予想C値を書かないようにします。測っていない数値は、実績値ではありません。
契約前に聞きたい質問
- 気密測定は全棟で行いますか?
- 希望者だけですか、標準ですか?
- C値の目標はいくつですか?
- 目標値を仕様書へ記載できますか?
- 直近の平均C値はいくつですか?
- 何棟を測定した平均ですか?
- 最もよかった値だけではありませんか?
- 中間時と完成時のどちらで測りますか?
- 誰が測定しますか?
- 測定費用は見積もりに含まれていますか?
- 測定条件を記載した報告書をもらえますか?
- 目標値に届かなければ補修しますか?
- 補修後に再測定しますか?
- 気密層は図面のどこですか?
- 配線・配管の貫通部をどう処理しますか?
- 断熱・防湿・気密施工の写真をもらえますか?
- 第三者の気密測定を依頼してもよいですか?
- 換気設備の風量確認も行いますか?
契約前のチェックリスト
- 気密測定の有無を確認した
- 標準かオプションか確認した
- C値の目標を確認した
- 目標値と過去の実績値を区別した
- 全棟測定か一部測定か確認した
- 測定棟数を確認した
- 測定時期を確認した
- 測定者を確認した
- 測定条件を確認した
- 目標未達時の対応を確認した
- 補修と再測定の有無を確認した
- 報告書を受け取れることを確認した
- 気密層の位置を図面で確認した
- 配線・配管まわりの処理を確認した
- 断熱・防湿施工の検査を確認した
- 施工写真を受け取れることを確認した
- 換気方式と空気の流れを確認した
- 宮崎の湿気・除湿対策を確認した
- UA値とC値を混同していない
- C値だけで住宅会社を決めていない
デザインハウス宮崎の考え方
デザインハウス宮崎では、UA値や断熱等級だけで高性能住宅を判断せず、気密性能も合わせて確認することが大切だと考えています。
ツーバイフォー工法、ZEH水準、正式な耐震等級3を標準とし、必要に応じて断熱等級6をご提案します。
さらに、その断熱性能を生かすため、次の部分を重視します。
- 床・壁・屋根の気密層の連続
- 高性能グラスウール「アクリアα」の適切な施工
- 配線・配管貫通部の処理
- 窓・玄関ドアまわり
- 点検口
- 第一種熱交換換気
- 宮崎の高温多湿に対応した除湿
- 施工中の確認
- 気密測定と結果の共有
女性スタッフの生活目線から、LDKの室温だけでなく、脱衣室、トイレ、寝室、収納、室内干しスペースの温度・湿度まで考えます。
高性能な断熱材や換気設備を採用するだけでなく、測定によって施工結果を確認することが、安心できる家づくりにつながります。
まとめ
- 気密測定をしなくても法律上は住宅を建てられる
- 省エネ基準適合や断熱等級だけではC値を確認できない
- C値は実際の建物で測定する
- 測定しなければ高気密かどうか確定できない
- 気密性は冷暖房・換気・湿気移動に影響する
- 第一種換気でも気密性能の確認が重要
- 宮崎では高温多湿への対策としても確認したい
- 高気密でも24時間換気と除湿は必要
- 中間測定は隙間を補修しやすい
- 会社の平均値より自分の家の実測値を見る
- 目標未達時の補修・再測定を確認する
- C値だけでなく断熱・換気・日射・施工品質も比較する
結論として、気密測定を行わない住宅会社でも家を建てることはできますが、自分の家が本当に高気密かどうかは確認できません。宮崎でZEH水準や断熱等級6の住宅を建てるなら、気密測定を行い、C値の目標、実測結果、未達時の補修まで明確にする住宅会社を選ぶと安心です。測定しない会社を検討する場合は、第三者測定を受け入れられるか契約前に確認しましょう。








