結論:「耐風等級3」はありません。最高等級は「耐風等級2」です
住宅性能表示制度における耐風等級は「1」と「2」の2段階で、最高等級は耐風等級2です。国土交通省の現行基準でも、耐風等級は「等級1または2」とされています。
したがって正確な質問は、
「宮崎で耐風等級2を取得すると、いくら追加費用がかかりますか?」
となります。
そして追加費用については、耐震等級3のように「全国的に○万円」と言えるほど定型化されていません。
30~35坪程度の木造住宅なら、私は資金計画上、まず**+20万~80万円程度を仮の予算枠**として置き、実施設計後に精算する方法をおすすめします。
ただし、これは公的な相場ではなく、構造計算・屋根形状・軒の出・開口部・金物・屋根材・住宅性能評価などによって大きく変わる概算枠です。
耐風等級1と2は何が違う?
耐風等級は、台風などの強風に対して住宅の構造躯体がどの程度耐えられるかを示す性能です。
国土交通省の基準では、
耐風等級1
建築基準法で想定される暴風に対して、一定の倒壊防止・損傷防止性能を持つ水準。
耐風等級2
等級1で想定する風圧力の1.2倍の力に対して、倒壊・崩壊や損傷を生じない程度。
となっています。
つまり、
耐風等級2=最高等級
です。
「耐震等級3」が最高なので混同しやすいのですが、
耐震:1・2・3
耐風:1・2
と覚えておくと分かりやすいでしょう。
なぜ宮崎では耐風性能が重要なの?
これは宮崎の家づくりではかなり重要です。
宮崎県の地域防災計画でも、木造住宅について台風対策として耐風性のある建築を促進するとしています。
宮崎で住宅を建てるなら、
地震への強さだけでなく、台風への強さ
も考える必要があります。
実際、宮崎県も木造住宅について、シンプルでバランスの良い建物形状は耐震性だけでなく耐風性の面からも好ましいと説明しています。
耐風等級2にすると何にお金がかかる?
耐風等級2だから、単純に「特別な部材を1個追加する」というものではありません。
住宅全体で風の力に耐えられるように設計します。
例えば、
- 耐力壁
- 柱・梁
- 柱頭・柱脚金物
- 基礎との緊結
- 屋根下地
- 屋根材の固定
- 軒・ケラバ
- 建物形状
- 構造計算
- 性能評価
などが関係します。
そのため、もともと構造性能を高く設定している住宅会社なら、耐風等級2にしても追加工事がほとんど必要ないケースも考えられます。
30坪の家なら+20万~80万円くらい?
例えば30坪の木造住宅で考えてみましょう。
ケースA:もともと構造性能が高い
構造計算済み
耐震等級3
シンプルな屋根
耐力壁の配置も良好
このような住宅なら、耐風等級2への対応で大幅な構造変更が必要ない可能性があります。
追加費用は、
構造確認+性能評価など
が中心になることもあります。
ケースB:構造変更が必要
一方、
大きな吹き抜け
大開口
複雑な屋根
大きな軒
壁が少ない
複雑な建物形状
などの場合は、
耐力壁・金物・構造材などの追加が必要になる可能性があります。
そのため、まずは**+20万~80万円程度を予算枠として確保しておき、設計段階で正式見積もりを取る**という考え方が現実的です。
ただし「耐風等級2=台風で壊れない」ではありません
ここは非常に重要です。
耐風等級は主に構造躯体の倒壊・損傷のしにくさを評価するものです。
ところが台風で住宅が被害を受ける場所は、構造躯体だけではありません。
例えば、
屋根が飛ぶ
瓦が飛ぶ
窓ガラスが飛来物で割れる
シャッターが壊れる
雨水が吹き込む
といった被害があります。
つまり、
「耐風等級2だから台風対策は完璧」
ではありません。
宮崎では「屋根」がかなり重要
特に宮崎で考えたいのが屋根です。
台風時には屋根に非常に大きな力がかかります。
そのため、
- 屋根材の固定
- 棟部分
- 軒先
- ケラバ
- 下地
- 防水
- 金物
などをしっかり設計・施工する必要があります。
前回お話ししたガルバリウム屋根でも、
「軽いから台風に強い」
だけでは十分ではありません。
屋根材をどう固定するかまで確認することが大切です。
窓の台風対策も耐風等級とは別に考える
宮崎ではここも大事です。
台風で怖いのは風圧だけではありません。
飛来物です。
強風で物が飛んできて窓ガラスが割れると、そこから風雨が室内へ入り込む可能性があります。
そのため宮崎では、
- シャッター
- 雨戸
- 防災・防犯合わせガラス
- 窓サイズ
- 窓配置
なども検討したいところです。
耐風等級2を取ったからといって、すべての窓が飛来物に強くなるわけではありません。
「耐震等級3+耐風等級2」を検討する
宮崎で高性能住宅を考えるなら、かなり相性の良い組み合わせだと思います。
耐震等級3
地震への備え
+
耐風等級2
台風・暴風への備え
です。
宮崎県も、住宅性能を客観的な共通尺度で確認する方法として住宅性能表示制度を案内しています。
つまり、
地震だけに強い家ではなく、宮崎の災害特性を考えた家にする
という考え方です。
+50万円なら住宅ローンでは?
例えば耐風性能を高めるため、
+50万円
かかったとします。
35年ローンなら元金だけの単純計算で、
50万円 ÷ 420回
= 月約1,190円
です。
もちろん実際には金利があります。
ただ、
月千円台の負担増で台風への構造性能を一段階上げられるならどう考えるか?
という視点で検討できます。
「耐震等級3+耐風等級2」でいくら増える?
仮に、
耐震等級3
+50万~100万円
耐風等級2への対応
+20万~80万円
と予算枠を置けば、
合計+70万~180万円程度
を一つの検討枠にできます。
ただし、単純に足し算にならない場合があります。
耐震等級3を取るために、
- 耐力壁
- 柱・梁
- 金物
- 基礎
などをすでに強化していれば、その仕様が耐風性能にも寄与する可能性があるからです。
そのため、
「耐震等級3と耐風等級2を同時に設計した場合の追加費用はいくらですか?」
と住宅会社に聞くのがおすすめです。
宮崎では「耐風等級だけ」で家を考えない
宮崎の台風対策なら、
① 建物形状
② 構造躯体
③ 屋根
④ 窓・シャッター
⑤ 防水
⑥ 外壁
までセットで考える必要があります。
特に建物形状について、宮崎県も凹凸のある家は風をはらみやすく耐風上不利で、複雑な形は雨漏りもしやすいと説明しています。
これは宮崎の住宅設計では、とても大切なポイントです。
デザインハウス宮崎からのアドバイス
宮崎で家を建てるなら、
「耐震等級3です」
だけでは、少し足りないと思います。
なぜなら宮崎で毎年のように心配する自然災害の一つは、
台風だからです。
だからこそ、
地震 → 耐震等級3
台風 → 耐風等級2
というように、それぞれを分けて確認することをおすすめします。
さらに、
屋根はどう固定している?
窓の飛来物対策は?
軒は強風に耐えられる?
雨水の吹き込み対策は?
まで確認します。
住宅会社へ聞いていただきたい質問は、
「耐震等級はいくつですか?」だけではなく、
「耐風等級はいくつですか?」
です。
そして、
「耐風等級2を正式に取得する場合、追加費用はいくらですか?」
まで聞いてみてください。
宮崎の住宅会社だからこそ、地震と台風の両方に強い家を標準として考える。
よくある質問
Q. 耐風等級3はありますか?
ありません。住宅性能表示制度の耐風等級は1と2で、最高等級は耐風等級2です。
Q. 耐風等級2はどのくらい強い?
耐風等級1で想定する風圧力の1.2倍の力に対して、倒壊・崩壊や損傷を生じない程度として評価される最高等級です。
Q. 宮崎で耐風等級2にするといくら高くなりますか?
公的な一律価格はありません。30~35坪程度の木造住宅なら、資金計画上はまず+20万~80万円程度を仮の予算枠として置き、構造計算・建物形状・屋根・金物・性能評価などを踏まえて正式見積もりを取る方法が現実的です。
Q. 耐風等級2なら台風対策は十分?
耐風等級だけでは十分とは言い切れません。屋根の固定、窓の飛来物対策、防水、外壁なども含めた総合的な台風対策が重要です。








