株式会社ツチモチが運営する「デザインハウス宮崎」の町田です。
「アルミサッシと樹脂サッシは、何が違うのでしょうか?」
「暖かい宮崎なら、価格の安いアルミサッシでも十分ですか?」
窓を選ぶとき、ガラスの種類は比較しても、サッシの材質までは詳しく確認しない方が少なくありません。
先に結論をお伝えすると、アルミサッシと樹脂サッシの最も大きな違いは、熱の伝わりやすさです。
アルミサッシには、強度が高く、細いフレームをつくりやすいという長所があります。一方、樹脂サッシは熱を伝えにくく、窓際の暑さ・寒さや結露を抑えやすいことが特徴です。
宮崎でこれから高性能住宅を建てるのであれば、私たちは基本的に樹脂サッシを第一候補としておすすめします。
サッシとは、窓のどの部分?
窓は、大きく分けて次の2つで構成されています。
- 光を通す「ガラス」
- ガラスを支える枠の「サッシ」
複層ガラスやトリプルガラスを採用しても、枠の部分から熱が伝われば、窓全体の断熱性能に影響します。
そのため窓は、ガラスだけでなく、サッシを含めた「窓全体の性能」で比較することが重要です。
国の窓性能表示制度でも、窓の断熱性能は熱貫流率で評価され、数値が小さいほど熱を伝えにくいとされています。国土交通省「省エネ性能向上のための窓の性能表示制度」
アルミサッシとは?
アルミニウムを主な枠材として使用するサッシです。
軽く、強度があり、加工しやすいため、日本の住宅で長く使われてきました。
アルミサッシのメリット
- 強度を確保しやすい
- フレームを細くしやすい
- 大きな窓をつくりやすい
- 開閉が比較的軽い
- 製品の選択肢が多い
- 初期費用を抑えやすい
- 不燃材料である
特に、大きな窓や細いフレームによるすっきりしたデザインでは、アルミの強度が生かされます。
アルミサッシのデメリット
アルミの最大の弱点は、熱を伝えやすいことです。
冬は外の冷たさが室内側の枠へ伝わりやすく、夏は屋外の熱が室内側へ伝わりやすくなります。
その結果、
- 冬に窓枠が冷たくなる
- 窓際で寒さを感じる
- サッシ部分に結露が発生しやすい
- 冷暖房効率が低下しやすい
- 室内の表面温度にむらが生じやすい
といった問題につながることがあります。
特に、従来型の「アルミサッシ+単板ガラス」は、現在の高断熱窓と比べて断熱性能に大きな差があります。環境省の住宅脱炭素NAVIでは、アルミサッシと単板ガラスの窓は、樹脂サッシとLow-Eトリプルガラスの高断熱窓に比べ、熱貫流率に約7倍の差がある例が示されています。環境省「住宅脱炭素NAVI」
ただし、これは特定のガラス構成を組み合わせた比較です。アルミと樹脂という材質だけで、すべての窓の性能差が7倍になるという意味ではありません。
樹脂サッシとは?
塩化ビニル樹脂などを主な枠材として使用するサッシです。
樹脂はアルミに比べて熱を伝えにくいため、窓全体の断熱性能を高めやすいことが大きな特徴です。
樹脂サッシのメリット
- 断熱性能を高めやすい
- 冬に室内側の枠が冷たくなりにくい
- 夏の外気熱を室内へ伝えにくい
- 窓際の暑さ・寒さを軽減しやすい
- サッシ部分の結露を抑えやすい
- 冷暖房効率を高めやすい
- 高い断熱等級を実現しやすい
樹脂サッシは「北海道など寒い地域の窓」という印象を持たれることがあります。
しかし、熱を伝えにくいという性質は、冬の寒さだけでなく、夏の暑さに対しても有効です。冷房で冷やした室内へ、屋外の熱が伝わることを抑えやすくなります。
高温多湿で冷房期間の長い宮崎でも、樹脂サッシを採用するメリットは十分にあります。
樹脂サッシのデメリット
- アルミサッシより価格が高くなることがある
- 同じ強度を確保するため、枠が太くなる傾向がある
- 大きな窓では障子が重くなることがある
- 製品によって対応できる大きさに制限がある
- 防火地域などでは選べる製品が限られる場合がある
- 色や製品によっては、汚れや経年変化が目立つことがある
樹脂サッシなら、どの商品でも同じ性能になるわけではありません。
枠の構造、ガラスの種類、スペーサー、窓の大きさ、開き方によって、窓全体の性能は変わります。
アルミ樹脂複合サッシとは?
アルミサッシと樹脂サッシの中間に位置するのが「アルミ樹脂複合サッシ」です。
一般的には、
- 屋外側にアルミ
- 室内側に樹脂
を使用しています。
屋外側の耐候性や強度を確保しながら、室内側へ伝わる熱を抑える構造です。
アルミ樹脂複合サッシの特徴
- 一般的なアルミサッシより断熱性能が高い
- 樹脂サッシより価格を抑えられる場合がある
- フレームを比較的すっきり見せやすい
- 製品や窓種の選択肢が多い
- 樹脂サッシより熱を伝えやすい部分が残る
価格と性能のバランスを重視する場合には、有力な選択肢です。
ただし、「アルミ樹脂複合だから高性能」とは限りません。製品ごとの窓全体のU値を比較する必要があります。
3種類の違いを比較
| 比較項目 | アルミサッシ | アルミ樹脂複合 | 樹脂サッシ |
|---|---|---|---|
| 断熱性能 | 低い傾向 | 中間 | 高い傾向 |
| 結露の抑えやすさ | 不利 | 比較的有利 | 有利 |
| フレームの細さ | 細くしやすい | 比較的細い | 太くなる傾向 |
| 大開口への対応 | 得意 | 比較的得意 | 製品による |
| 開閉時の重さ | 軽い傾向 | 中間 | 重くなる場合がある |
| 初期費用 | 抑えやすい | 中間 | 高くなる傾向 |
| 高断熱住宅との相性 | 低い | 比較的よい | よい |
| 宮崎でのおすすめ度 | 限定的 | 予算重視なら候補 | 第一候補 |
これは一般的な傾向です。実際の性能と価格は、メーカー、商品、窓種、寸法、ガラス構成によって異なります。
結露は樹脂サッシなら絶対に発生しない?
樹脂サッシにすると、アルミサッシよりも室内側の枠の表面温度が下がりにくくなるため、結露は発生しにくくなります。
ただし、樹脂サッシにすれば結露が絶対に発生しないわけではありません。
結露は、次の条件によっても変わります。
- 室内の温度と湿度
- 外気温
- ガラスの断熱性能
- 窓の取り付け状態
- カーテンや家具の配置
- 換気の状況
- 洗濯物の室内干し
- 加湿器の使用
- 窓まわりの空気の流れ
高性能な窓でも、室内湿度が極端に高ければ結露する可能性があります。
サッシの性能だけに頼らず、断熱・気密・換気・湿度管理を一体で考えることが大切です。
樹脂サッシは宮崎の強い日差しに弱い?
「樹脂は紫外線で劣化するので、宮崎には向かないのでは」と心配されることがあります。
住宅用の樹脂サッシは、屋外で長期間使用することを前提に、耐候性を考えて製造されています。そのため、宮崎だから樹脂サッシを使えないということはありません。
ただし、どの素材でも経年変化はあります。
- メーカーが想定する耐候性
- 保証内容
- 使用できる色
- 設置する方角
- 日射の強さ
- 沿岸部の塩害環境
- 清掃や部品交換の方法
などを確認して選びましょう。
樹脂枠そのものだけでなく、パッキン、戸車、金物などの消耗部品も含めたメンテナンスが必要です。
台風の多い宮崎では、アルミの方が安心?
台風への強さは、サッシの材質だけでは判断できません。
樹脂サッシだから弱く、アルミサッシだから必ず強いというわけではなく、製品ごとに次の性能を確認する必要があります。
- 耐風圧性能
- 水密性能
- 気密性能
- ガラスの厚さと安全性
- 窓の大きさ
- シャッターや雨戸の有無
- 建物への取り付け方法
- 窓まわりの防水施工
特に大きな掃き出し窓では、風圧や飛来物への対策が重要です。
宮崎では、断熱性能だけでなく、台風時の安全性と雨水浸入対策まで含めて製品を選ぶ必要があります。
樹脂サッシにすれば、夏も涼しくなる?
樹脂サッシは外の熱を伝えにくいため、冷房効率を高める効果が期待できます。
しかし、宮崎の夏の暑さは、枠を伝わる熱だけでなく、ガラスから入る日射熱の影響を大きく受けます。
そのため、樹脂サッシを採用するだけでなく、
- Low-Eガラスを採用する
- 方角に合わせてガラスを選ぶ
- 西側の窓を必要以上に大きくしない
- 軒や庇を適切に設ける
- 外付けシェードなどで日差しを遮る
といった対策が必要です。
国の窓性能表示制度でも、「断熱性能」と「日射熱取得率」は別々に表示されます。熱を伝えにくいことと、太陽熱を遮ることは、分けて考えなければなりません。国土交通省「窓の性能表示制度」
窓はサッシの材質だけで決めない
窓を比較するときは、次の内容を住宅会社へ確認しましょう。
- サッシはアルミ・複合・樹脂のどれか
- ガラスは単板・複層・トリプルのどれか
- Low-Eガラスを使用しているか
- 日射取得型か日射遮蔽型か
- 中空層にアルゴンガスなどが入っているか
- スペーサーはアルミか樹脂か
- 窓全体のU値はいくつか
- 一棟ごとのUA値を計算しているか
- 耐風圧・水密性能は十分か
- 窓の方角に応じて仕様を変えているか
同じ樹脂サッシでも、複層ガラスとトリプルガラスでは性能が異なります。また、同じシリーズでも、窓の大きさや開き方によってU値が変わる場合があります。
名称だけでなく、採用する窓一式の性能を確認することが重要です。
宮崎では、どのサッシを選ぶべき?
私たちの基本的な考え方は次のとおりです。
初期費用をできるだけ抑えたい場合
高性能なアルミ樹脂複合サッシとLow-E複層ガラスを候補にし、家全体のUA値を確認します。
断熱等級6を目指す場合
樹脂サッシとLow-E複層ガラスを基本候補として、一棟ごとに外皮計算を行います。
快適性をさらに高めたい場合
樹脂サッシとトリプルガラスを検討します。特に大きな窓や冬の寒さを感じやすい場所では効果が期待できます。
断熱等級7を目指す場合
樹脂サッシとトリプルガラスを中心に、窓の数、大きさ、配置まで含めて検討します。
ただし、断熱等級はサッシだけで決まりません。屋根、壁、床、玄関ドアなど、建物全体の外皮性能で判定されます。
私たちが樹脂サッシをおすすめする理由
アルミサッシには、強度、デザイン、価格という長所があります。
一方、樹脂サッシは熱を伝えにくいため、冬の窓際の寒さ、夏の外気熱、結露、冷暖房効率の面で有利です。
宮崎は暖かい地域と思われがちですが、冬の朝は室温が下がり、夏は高温多湿の環境で長時間冷房を使用します。
そのため株式会社ツチモチとデザインハウス宮崎では、これから高性能住宅を建てるなら、樹脂サッシを第一候補として考えることをおすすめします。
ただし、樹脂サッシという名称だけで決めるのではありません。
ガラス、方角、窓の大きさ、日射対策、台風対策、家全体のUA値まで一体で考える。
それが、宮崎で夏も冬も快適に暮らせる窓選びにつながります。








