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浴室の段差は解消すべき?浴室暖房乾燥機はヒートショック対策になる?

結論

シニア向け住宅では、脱衣室と浴室の出入口段差は、できる限り解消するのがおすすめです。浴室は床が濡れて滑りやすいため、わずかな段差でもつまずきやすくなります。

浴室暖房乾燥機の「暖房機能」は、浴室を事前に暖めることでヒートショック対策に役立ちます。ただし、脱衣室が寒いままでは十分ではありません。

次の4つをセットで計画しましょう。

  • 浴室入口の段差解消
  • 浴室と脱衣室の暖房
  • 断熱性能の確保
  • 手すり・滑り止め・浴槽の安全対策

浴室入口の段差は解消した方がよい理由

浴室入口に段差があると、次の事故につながる可能性があります。

  • 足を上げきれずにつまずく
  • 濡れた足で段差を踏み外す
  • 入浴後のふらつきで転倒する
  • 歩行器や車いすが通れない
  • 介助者が身体を支えにくい

国土交通省の高齢期の住まいに関するガイドラインでも、浴室の段差解消、手すり、暖房設備などが推奨されています。国土交通省「高齢期の健康で快適な暮らしのための住まいの改修ガイドライン」

新築・建替えでは、脱衣室から浴室まで、ほぼ段差のないユニットバスを選ぶのが基本です。

段差をなくすと水が脱衣室へ流れませんか?

段差をなくしても、適切に設計・施工されたユニットバスであれば、次の方法で脱衣室への水漏れを防ぎます。

  • 浴室床の排水勾配
  • 出入口付近の排水構造
  • 防水パン
  • 水密性のある扉
  • 低いレールや排水溝
  • 脱衣室側の防水性の高い床材

段差を解消するために、現場で無理に脱衣室の床だけをかさ上げすると、廊下側に新しい段差ができる場合があります。廊下、脱衣室、浴室を一続きの高さとして設計することが大切です。

浴室暖房乾燥機は有効ですか?

暖房機能付きであれば、ヒートショック対策に有効です。

暖かい居室から寒い脱衣室・浴室へ移動すると血圧が上がり、熱い湯に入ると血圧が下がるなど、急激な変動が起こることがあります。浴室を入浴前に暖めることで、温度差を小さくできます。

ただし、名称が「浴室暖房乾燥機」でも、使用するのが換気・乾燥モードだけでは入浴前の暖房になりません。暖房能力と運転方法を確認しましょう。

浴室だけ暖めても不十分です

入浴の動線は次のようになります。

暖かいLDK → 脱衣室 → 浴室 → 浴槽

浴室だけ暖かくても、服を脱ぐ脱衣室が寒ければ、そこで急激な温度変化が起こります。

優先順位は次のとおりです。

  1. 住宅全体の断熱・気密性能
  2. 脱衣室の暖房
  3. 浴室の事前暖房
  4. 窓からの冷気対策
  5. 適切な湯温と入浴時間

脱衣室には、小型エアコン、壁付け暖房機、床暖房などを検討します。置き型ヒーターは、転倒、やけど、水濡れ、コードへのつまずきに注意が必要です。

宮崎でもヒートショック対策は必要

宮崎は温暖な地域ですが、断熱性の低い住宅では、冬の脱衣室や浴室がかなり冷えることがあります。

「宮崎だから暖房はいらない」と判断せず、次の点を確認しましょう。

  • 浴室・脱衣室が断熱区画内にある
  • 浴室の窓が大きすぎない
  • 窓が複層ガラス以上になっている
  • 脱衣室に暖房用コンセントがある
  • 浴室暖房を入浴前に操作できる
  • LDKと脱衣室の温度差が大きくない

浴室に大きな窓を設けると、寒さ、結露、掃除、防犯の問題が増えます。シニア向け住宅では、小窓または窓なしも選択肢です。

安全な浴室の設計ポイント

出入口

  • 段差をなくす、または最小限にする
  • 有効開口幅を広くする
  • 引き戸または折れ戸を検討する
  • 緊急時に外から開けられる
  • 扉レールを低くする

浴室内で倒れた人が扉をふさいでしまう可能性があるため、内開き戸は避けた方が安心です。

浴槽

  • またぎ高さを抑える
  • 腰掛けながら入れる形状にする
  • 深すぎる浴槽を避ける
  • 浴槽内にも握れる場所を設ける
  • 浴槽から急に立ち上がらなくて済むようにする

浴槽の縁を極端に低くすると、浴槽内で姿勢が安定しにくくなる場合があります。本人の身長、脚力、介助方法に合わせて選びましょう。

手すり

  • 浴室入口
  • 洗い場での立ち座り位置
  • 浴槽をまたぐ位置
  • 浴槽内で立ち上がる位置

手すりは多ければよいとは限りません。身体の向き、利き手、介助者の位置に合わせて配置します。将来設置できるよう、壁に下地を入れておく方法もあります。

床

  • 濡れても滑りにくい
  • 水はけがよい
  • 冬に冷たさを感じにくい
  • 浴室用いすが安定する
  • 掃除しやすい

柔らかすぎる床は、杖やシャワーチェアが安定しにくいこともあるため、実物を確認しましょう。

ヒートショック・入浴事故を防ぐ使い方

消費者庁は、高齢者の入浴事故を防ぐため、次の対策を案内しています。

  • 入浴前に脱衣室と浴室を暖める
  • 湯温は41℃以下を目安にする
  • 湯につかる時間は10分までを目安にする
  • 浴槽から急に立ち上がらない
  • 食後すぐや飲酒後の入浴を避ける
  • 睡眠薬などの服用後は注意する
  • 家族へ入浴することを伝える

詳しくは消費者庁「冬季に多発する高齢者の入浴中の事故に注意」をご確認ください。

浴室暖房乾燥機を設置しても、熱い湯や長時間入浴による事故を完全に防げるわけではありません。

一人暮らしの場合の追加対策

  • 入浴前に家族へ連絡する
  • 見守りセンサーを設置する
  • 脱衣室に緊急通報ボタンを設ける
  • 浴室扉を外から開けられる仕様にする
  • スマートフォンを脱衣室の届く場所に置く
  • タイマーで入浴時間を管理する
  • 体調が悪い日はシャワーだけにする

高血圧、心疾患、脳血管疾患、糖尿病などがある場合は、安全な入浴方法を主治医へ確認してください。

まとめ

シニア住宅では、浴室入口の段差はできる限り解消すべきです。ただし、段差だけでなく、排水、滑り止め、扉、手すり、浴槽のまたぎまで一体で設計します。

浴室暖房乾燥機はヒートショック対策に役立ちますが、浴室だけでなく脱衣室も暖めることが重要です。宮崎でも冬の室内温度差は生じるため、断熱性能と暖房設備をセットで検討しましょう。

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