A. 築40年前後・延床30坪程度の木造住宅なら、大規模リフォームは1,500万~2,800万円、建替えは総額2,900万~4,300万円程度が一つの目安です。
単純な差額は500万~1,500万円程度になるケースが多いものの、改修範囲や新居の大きさによっては、ほとんど差がなくなる場合もあります。
以下は、2026年時点における宮崎県での初期検討用の概算です。正式な見積額ではなく、建物状態、設備仕様、地盤、解体条件などで変わります。
30坪前後の木造住宅における費用比較
| 工事方法 | 工事内容 | 総額の目安 |
|---|---|---|
| 水回り中心の部分改修 | キッチン・浴室・トイレ・洗面 | 300万~800万円 |
| 大規模リフォーム | 水回り・内装・間取り・一部耐震 | 1,200万~2,000万円 |
| 全面性能向上リフォーム | 耐震・断熱・配管・屋根外壁まで改修 | 1,800万~2,800万円以上 |
| 22~26坪の平屋へ建替え | 解体・新築・諸費用を含む | 2,700万~4,000万円程度 |
| 30坪程度で建替え | 解体・新築・諸費用を含む | 3,200万~4,500万円程度 |
大規模リフォームで残すのは、主に基礎・柱・梁・屋根の一部です。これらの状態が悪いほど追加費用が増え、建替えとの差が縮まります。
大規模リフォームの費用内訳
築40年・30坪程度の木造住宅を想定した目安です。
| 工事項目 | 概算 |
|---|---|
| 解体・撤去 | 100万~300万円 |
| 耐震診断・補強 | 200万~500万円 |
| シロアリ・腐朽補修 | 50万~300万円以上 |
| 屋根・外壁 | 300万~600万円 |
| 窓・断熱 | 300万~700万円 |
| キッチン・浴室・トイレ・洗面 | 300万~700万円 |
| 給排水管・電気設備 | 150万~400万円 |
| 内装・間取り変更 | 300万~700万円 |
| 設計・申請・仮住まい等 | 100万~300万円 |
工事内容には重複部分があるため、単純に全項目を合計するものではありません。
国土交通省が示す築50年・約100㎡の木造住宅のモデルでは、耐震改修だけで約224万円とされています。全面リフォームでは、これに断熱、水回り、配管、屋根外壁などが加わります。国土交通省「耐震改修の費用・支援制度」
建替えの費用内訳
22~26坪程度のコンパクトな平屋を想定した目安です。
| 費用項目 | 概算 |
|---|---|
| 既存住宅の解体 | 150万~300万円 |
| アスベスト・残置物等 | 0万~200万円以上 |
| 新築建物本体・付帯工事 | 2,200万~3,300万円 |
| 地盤調査・地盤改良 | 10万~200万円以上 |
| 給排水・外構 | 150万~500万円 |
| 設計・確認申請・登記 | 100万~250万円 |
| 仮住まい・引越し2回 | 80万~200万円 |
| 住宅ローン等の諸費用 | 50万~150万円 |
既存住宅と同じ30坪で建て替えると高くなりますが、子どもの独立後に22~26坪へ縮小すれば、差額を抑えられます。
具体的な比較例
条件
- 築40年
- 木造2階建て
- 延床面積30坪
- 夫婦2人暮らし
- 耐震・断熱・バリアフリー化を希望
- 宮崎県内
A案 大規模リフォーム
| 項目 | 概算 |
|---|---|
| 耐震・構造補修 | 350万円 |
| 断熱・窓 | 450万円 |
| 水回り | 450万円 |
| 配管・電気 | 250万円 |
| 屋根・外壁 | 400万円 |
| 間取り・内装 | 450万円 |
| 設計・仮住まい・予備費 | 300万円 |
| 合計 | 約2,650万円 |
B案 24坪の平屋へ建替え
| 項目 | 概算 |
|---|---|
| 解体 | 220万円 |
| 新築本体・付帯工事 | 2,650万円 |
| 地盤・外構・給排水 | 300万円 |
| 設計・登記・仮住まい等 | 280万円 |
| 合計 | 約3,450万円 |
この例では、建替えの方が約800万円高くなります。
ただし、大規模リフォームでは基礎の一部や構造材が築40年のまま残ります。建替えでは、基礎、構造、配管、電気、断熱をすべて新しくできます。
差額が大きくなるケース
次の条件なら、リフォームの方が1,000万~2,000万円程度安くなる可能性があります。
- 基礎・構造が健全
- 屋根や外壁を近年修繕している
- 給排水管を交換済み
- 現在の間取りを活かせる
- 断熱改修を一階だけに限定する
- 水回りの位置を変えない
- 耐震補強が小規模で済む
- 仮住まいを必要としない
このような住宅なら、大規模に見えても工事範囲を絞れるため、リフォームの費用対効果が高くなります。
差額が小さくなるケース
次の工事が必要になると、建替えとの差が300万~800万円程度まで縮むことがあります。
- 基礎補強
- 広範囲のシロアリ・腐朽補修
- 屋根の全面架け替え
- 外壁の全面更新
- 窓・床・壁・天井の全面断熱
- 給排水管の全面交換
- 電気配線・分電盤の全面交換
- 水回りの大幅な移動
- 二階を撤去する減築
- 柱を移動する大規模な間取り変更
全面リフォームで2,500万~3,000万円、コンパクトな建替えで3,000万~3,500万円なら、建替えを選ぶ方が合理的になる可能性があります。
広告価格だけで比較しないことが重要です
リフォームと新築では、見積書に含まれる範囲が違うことがあります。
リフォームで抜けやすい費用
- 解体後の構造補修
- シロアリ・腐朽
- アスベスト
- 屋外給排水管
- 仮住まい
- 家具保管
- 確認申請
- 追加工事予備費
建替えで抜けやすい費用
- 既存建物の解体
- 地盤改良
- 外構・駐車場
- 給排水引込み
- 照明・カーテン・エアコン
- 登記・ローン費用
- 仮住まい・引越し
- 地中埋設物撤去
リフォームの「工事見積額」と、建替えの「建物本体価格」を比べてはいけません。どちらも入居までに必要な総額で比べましょう。
追加工事の予備費はいくら必要ですか?
大規模リフォーム
壁・床を解体するまで内部状態が分からないため、見積額とは別に工事費の10~20%程度を予備費として考えると安心です。
特に築40年以上では、次の追加工事が考えられます。
- 柱・土台交換
- シロアリ処理
- 基礎補修
- 配管交換
- 雨漏り補修
- アスベスト除去
建替え
建替えでも、地盤改良、地中埋設物、アスベストなどが発生します。総額の5~10%程度を予備費として考えておくと安心です。
費用対効果の判断ライン
一つの目安として、全面リフォーム総額が、同じ希望を満たす建替え総額の60~70%を超えたら、建替えも本格的に比較します。
建替え総額が3,500万円の場合
| リフォーム総額 | 判断の考え方 |
|---|---|
| 1,500万円 | 構造が健全ならリフォームが有力 |
| 2,000万円 | 残る部分と耐用年数を比較 |
| 2,500万円 | 建替えとの差額が小さく、慎重な比較が必要 |
| 3,000万円 | 建替えが有利になる可能性が高い |
ただし、接道などの理由で再建築できない土地や、現在と同じ大きさを建てられない土地では、費用割合だけで決められません。
工事後の費用も比較します
建替えの方が初期費用は高くても、次の費用を抑えられる可能性があります。
- 冷暖房費
- 給湯費
- 今後の屋根・外壁修繕
- 配管の漏水修理
- シロアリ補修
- 介護改修
- 火災・地震保険料
- 車いす生活への追加改修
一方、リフォームでは固定資産税の上昇を抑えやすく、借入額も小さくできる可能性があります。
シニア世代の判断基準
大規模リフォームが向く場合
- あと15~20年程度住めればよい
- 子どもが住宅を引き継ぐ予定はない
- 現在の間取りを活かせる
- 基礎・構造が健全
- 工事後も十分な現金を残せる
- 住宅ローンを小さくしたい
建替えが向く場合
- 今後25~30年以上住みたい
- 子どもや孫へ住宅を残したい
- 平屋・完全バリアフリーを希望
- 耐震・断熱・配管をすべて新しくしたい
- 全面リフォームとの総額差が小さい
- コンパクト化によって維持費を抑えたい
宮崎県で使える可能性がある支援
宮崎県内では、市町村ごとに耐震化、住宅リフォーム、浄化槽、介護・バリアフリーなどの支援制度があります。
ただし、築40年程度の1986年前後の住宅は、原則として1981年5月31日以前の住宅を対象とする旧耐震向け補助の対象外になる可能性があります。
最新情報は、宮崎県「令和8年度県内市町村の住宅関連補助制度」および所在地の市町村窓口で確認してください。
補助制度は契約・着工前の申請が基本です。
まとめ
築40年・30坪前後の木造住宅では、おおむね次の金額が初期比較の目安です。
- 大規模リフォーム:1,500万~2,800万円
- 22~26坪の平屋へ建替え:2,700万~4,000万円
- 30坪程度で建替え:3,200万~4,500万円
- 一般的な差額:500万~1,500万円程度
ただし、全面リフォームで耐震・断熱・屋根・外壁・配管まで直すと、建替えとの差額が小さくなります。
建替えが高いか安いかではなく、次の3案を同じ条件で比較しましょう。
- 必要最低限の安全リフォーム
- 全面性能向上リフォーム
- 小さな平屋への建替え
シニア世代では、最も性能が高い案ではなく、工事後も老後資金と介護費を十分に残せる案が適切です。







