A.はい。吹付断熱は柱や配管周辺の細かな部分にも密着しやすいため、一般的には気密性を確保しやすい工法です。ただし、吹き付けるだけで高気密住宅になるわけではありません。
吹付断熱材が入りにくい場所や、建材同士の接合部、配管の貫通部などは、別途気密処理が必要です。最終的な気密性能は、完成後の見た目ではなく、気密測定によるC値で確認します。
吹付断熱が気密を取りやすい理由
吹付断熱は、現場で液体状の材料を吹き付け、発泡させて断熱層をつくります。
そのため、マット状の断熱材に比べて、次のような複雑な部分にも入り込みやすい特徴があります。
- 柱や間柱の周辺
- 配管・配線の周辺
- 金物のある部分
- 屋根の勾配部分
- 複雑な形状の壁
- 狭い隙間
断熱材が下地に密着するため、断熱材自体の隙間を減らしやすいことがメリットです。
吹付断熱だけでは防げない隙間があります
住宅の隙間は、断熱材を施工する場所だけにあるわけではありません。
| 気密処理が必要な場所 | 主な対策 |
|---|---|
| 窓・玄関ドアの周囲 | 気密テープ・専用部材 |
| 基礎と土台の接合部 | 気密パッキン・シーリング |
| 壁と床・天井の接合部 | 気密シート・テープ |
| 配管・配線の貫通部 | 専用部材・シーリング |
| 換気ダクト周辺 | 気密テープ・シーリング |
| コンセント・スイッチ | 気密ボックス |
| 天井点検口 | 気密型点検口 |
| 梁・金物の周辺 | 個別の気密処理 |
これらの部分が未処理なら、吹付断熱を採用しても十分な気密性能を確保できない可能性があります。
吹付断熱材は気密層そのものですか?
製品や壁の構成によって異なります。
吹付断熱材は空気の移動を抑える効果がありますが、すべての製品を単独で住宅全体の気密層として扱えるわけではありません。
さらに、木材の乾燥収縮や建物の動きによって、断熱材と柱の間に隙間が生じる可能性も考慮する必要があります。
そのため、設計段階で次の点を明確にします。
- 気密層をどこにつくるのか
- 防湿層をどのように連続させるのか
- 窓や配管周辺をどう処理するのか
- 経年変化にどう対応するのか
- どの段階で気密測定を行うのか
吹付厚の確認も重要です
吹付断熱は現場施工のため、場所によって厚さに差が生じることがあります。
気密性が確保できても、断熱材が薄い部分では必要な断熱性能を満たせない可能性があります。そのため、施工後には次の確認が必要です。
- 設計どおりの厚さがあるか
- 柱や配管の裏側まで充填されているか
- 未充填部分がないか
- 木材から剝離していないか
- 厚さの測定記録や施工写真が残っているか
気密性と断熱性は別の性能として確認しましょう。
グラスウールでは高気密にできませんか?
グラスウールでも、正しく施工すれば高気密住宅をつくれます。
グラスウールは断熱を担当し、防湿気密シート、構造用面材、気密テープなどで気密層をつくります。断熱材と気密層の役割を分けて計画できる点が特徴です。
| 比較項目 | 吹付断熱 | 高性能グラスウール |
|---|---|---|
| 断熱材の充填 | 複雑な部分に密着しやすい | 寸法に合わせた丁寧な施工が必要 |
| 気密の確保 | 比較的取りやすい | 気密層の連続施工が重要 |
| 厚さの管理 | 現場での確認が必要 | 製品寸法で確認しやすい |
| 将来の改修 | 密着するため撤去しにくい | 比較的対応しやすい |
| 最終確認 | 気密測定が必要 | 気密測定が必要 |
断熱材の種類だけでなく、住宅会社が気密施工に慣れているかどうかが重要です。
C値で確認しましょう
C値は、住宅全体にどれくらいの隙間があるかを表す数値です。小さいほど隙間の少ない住宅です。
例えば、C値0.5㎠/㎡なら、延床面積100㎡の住宅全体の隙間を合計すると約50㎠です。ただし、これは隙間が1か所にまとまっているという意味ではなく、住宅全体にある細かな隙間の合計です。
C値は設計図から計算するUA値と違い、専用の機械を使って現場で測定します。
気密測定のおすすめ時期
可能であれば、次の2回が理想です。
- 断熱・気密施工後、壁を仕上げる前
隙間が見つかっても補修しやすい段階です。 - 建物完成後
実際に引き渡される状態の性能を確認できます。
1回だけ実施する場合は、補修できる中間時の測定が実務的です。
宮崎で気密性が重要な理由
宮崎で気密性能を高めることには、次のメリットがあります。
- 冷房した空気が外へ逃げにくい
- 高温多湿な外気が隙間から入りにくい
- 計画換気が機能しやすい
- 冷暖房効率を高めやすい
- 壁内結露のリスクを抑えやすい
- 台風時のすきま風を軽減しやすい
ただし、高気密にすれば湿気がゼロになるわけではありません。24時間換気、除湿、防湿・通気層まで含めた計画が必要です。
デザインハウス宮崎の考え方
デザインハウス宮崎では、高性能グラスウール「アクリアα」を採用しています。
グラスウールだから気密性が低いということではありません。2×4工法の面構造を生かし、断熱材とは別に気密・防湿層を連続させることで、断熱性能と気密性能を確保します。
大切なのは、吹付断熱かグラスウールかという材料名だけではなく、設計どおりに施工し、測定によって確認できるかです。
まとめ
- 吹付断熱は複雑な部分に密着し、気密性を確保しやすい
- 吹き付けるだけで高気密住宅になるわけではない
- 窓周りや配管貫通部などは別途気密処理が必要
- 吹付厚と未充填部分の検査も必要
- グラスウールでも適切な気密施工で高気密化できる
- 最終的な気密性能はC値の実測で確認する
結論として、吹付断熱は気密性を確保しやすい工法ですが、高気密住宅になるかどうかは、細部の施工と気密測定によって決まります。








