A.間取りは「部屋数」や「LDKの広さ」からではなく、家族が新しい家でどのように暮らしたいかを整理することから始めます。
最初に決めたいのは、理想の平面図ではありません。家族の生活動線、土地の条件、予算を整理し、そのうえで必要な部屋と広さを決めていくのが、後悔を減らす順番です。
間取りを決める基本の順番
| 順番 | 決めること | 主な確認内容 |
|---|---|---|
| 1 | 暮らし方 | 家族構成、生活時間、休日の過ごし方 |
| 2 | 優先順位 | 絶対に必要・できれば欲しい・なくてもよい |
| 3 | 土地条件 | 方位、接道、隣家、日当たり、駐車位置 |
| 4 | 予算と建物規模 | 建築費、諸費用、外構費、無理のない坪数 |
| 5 | ゾーニング | LDK、水回り、個室、収納の大まかな配置 |
| 6 | 生活動線 | 家事、帰宅、来客、子育ての動き |
| 7 | 家具・設備 | テーブル、ソファ、家電、収納物の寸法 |
| 8 | 窓・照明・コンセント | 日射、風、視線、家具との干渉 |
1.家族の「一日の流れ」を書き出す
まず、現在の暮らしを朝・昼・夜に分けて考えます。
例えば、共働きで子育て中のご家庭なら、次のような場面を具体的にします。
- 朝、洗面台を何人で使うか
- 誰が洗濯して、どこに干すか
- 帰宅後、バッグや上着をどこに置くか
- 買い物した食品をどこへ運ぶか
- 子どもがどこで勉強するか
- 家族が入浴する時間は重なるか
- 夜勤や在宅勤務をする人がいるか
- 来客や親族の宿泊がどのくらいあるか
「18畳のLDKが欲しい」という希望だけでは、暮らしやすさは判断できません。
それよりも、誰が・いつ・どこを・どのように使うかを整理することが大切です。
2.要望を3段階に分ける
要望をすべて盛り込むと、建物が大きくなり、予算も上がりやすくなります。そこで、希望を次の3段階に分けます。
絶対に必要
- 駐車場3台
- 室内干しスペース
- 1階のファミリークローゼット
- 在宅勤務スペース
- 子ども部屋2室
できれば欲しい
- パントリー
- 畳コーナー
- 回遊動線
- シューズクローク
- 独立したランドリールーム
なくても困らない
- 大きな吹き抜け
- 来客専用の和室
- 2階の大型バルコニー
- 必要以上に広い廊下
- 使い道が決まっていない予備室
この整理をすると、予算を調整するときにも「何を残し、何を見直すか」が明確になります。
3.土地を見てから建物の配置を考える
同じ間取りでも、土地によって暮らしやすさは大きく変わります。
確認したいのは、次のような条件です。
- 道路の位置と幅
- 土地の方位と形
- 隣家の窓や建物の高さ
- 朝・昼・夕方の日当たり
- 駐車場から玄関までの動線
- 通行人や近隣住宅からの視線
- 電柱、側溝、高低差、擁壁
- 洪水・内水・津波・土砂災害などのリスク
- 建ぺい率、容積率、地区計画などの制限
「南向きの土地だから、南側に大きなリビング窓」という決め方が、必ずしも正解とは限りません。道路から室内が見えたり、駐車場で窓が塞がれたりすることもあります。
土地と間取りは別々ではなく、同時に検討することが重要です。
4.最初に建築予算と建物規模を決める
間取りを先に大きくつくり、後から予算に合わせて削っていくと、動線や収納のバランスが崩れやすくなります。
建物に使える予算は、総予算から次の費用を差し引いて考えます。
- 土地購入費
- 付帯工事費
- 地盤改良費
- 外構・駐車場工事費
- 登記や住宅ローンなどの諸費用
- 照明、カーテン、エアコン、家具
- 引っ越し費用
- 予備費
住宅ローンで借りられる金額ではなく、毎月無理なく返せる金額から建物規模を決めることが大切です。
5.部屋より先に「ゾーニング」を考える
ゾーニングとは、部屋を細かく描く前に、空間を大まかなグループに分けることです。
| ゾーン | 主な空間 |
|---|---|
| 家族の共有空間 | LDK、畳コーナー、スタディスペース |
| 家事空間 | キッチン、洗面、脱衣、ランドリー |
| 個人の空間 | 寝室、子ども部屋、書斎 |
| 来客空間 | 玄関、客間、来客用トイレ |
| 収納空間 | パントリー、土間収納、クローゼット |
最初から部屋の形や畳数にこだわらず、どの空間を近づけ、どの空間を離すかを考えます。
例えば、洗濯の負担を減らしたいなら、洗濯機・物干し・衣類収納を近くにまとめます。静かな寝室を希望するなら、LDKや浴室と壁一枚で接しないように配置します。
6.家事動線だけでなく「生活動線」も確認する
人気の回遊動線を取り入れても、必ず便利になるとは限りません。通路が増えることで、収納や家具を置く壁が減る場合があるからです。
間取りでは、少なくとも次の動線を確認します。
家事動線
キッチン、洗濯、物干し、収納、掃除の動きです。
帰宅動線
駐車場から玄関に入り、手洗い、着替え、収納へ進む動きです。
来客動線
来客から洗濯物、脱衣室、家族の収納が見えないかを確認します。
子育て動線
キッチンから子どもの様子を見守れるか、玄関から個室へ直行しすぎないかを考えます。
就寝・夜間動線
寝室からトイレまでの距離や、夜間に家族の睡眠を妨げないかを確認します。
7.家具・家電を図面に入れる
何も置かれていない図面では広く見えても、家具を置くと通路が狭くなることがあります。
間取りを確定する前に、次の寸法を図面へ反映します。
- ダイニングテーブルと椅子を引くスペース
- ソファとテレビの位置
- 冷蔵庫、食器棚、ゴミ箱
- ベッドと通路
- 学習机やデスク
- 洗濯物を干す範囲
- 掃除機や季節用品の収納場所
- 将来購入する可能性がある大型家電
大きな窓やドアを増やしすぎると、家具を置ける壁が少なくなる点にも注意が必要です。
宮崎の間取りで特に考えたいこと
宮崎では、日当たりだけでなく、強い日差し、湿気、台風、雨への対応が重要です。
夏の強い日差し
南側は軒や庇で夏の日射を遮り、西側は窓の大きさや配置、外付けシェードなどを検討します。
室内干し
梅雨や降灰、突然の雨、花粉などを考えると、ランドリールームや室内物干しスペースがあると便利です。
台風時の安全性
大きな窓の位置、シャッターの必要性、雨が吹き込みにくい玄関、屋根付きのアプローチなどを検討します。
湿気対策
収納や水回りを詰め込みすぎず、24時間換気の給排気経路や空気の流れまで考えます。
駐車場とのつながり
宮崎では車を複数台所有するご家庭も多いため、駐車台数だけでなく、乗り降りや荷物の運びやすさも重要です。
間取りづくりで避けたい決め方
- SNSの人気間取りをそのまま採用する
- 「LDKは20畳以上」など数字だけで決める
- 土地が決まる前に間取りを完成させる
- 収納を面積だけで判断する
- 家事動線ばかりを優先して居心地を忘れる
- 家具を入れずに図面を見る
- 窓を多くすれば明るくなると考える
- 建物本体だけで予算を使い切る
- 現在の暮らしだけで決める
将来の変化も考えておく
間取りは、今の家族構成だけでなく、10年後・20年後も考えて決めます。
- 子ども部屋を後から分けられるようにする
- 子どもの独立後に別の用途で使えるようにする
- 1階だけでも生活できるようにする
- 在宅勤務や家族の介護に対応できる部屋を用意する
- 段差を減らし、引き戸を採用する
- 将来、収納や間仕切りを変更しやすくする
すべてを将来用につくり込む必要はありません。少ない工事で暮らし方を変更できる余白を残すことがポイントです。
デザインハウス宮崎の考え方
デザインハウス宮崎では、見た目の美しさだけでなく、宮崎の気候とご家族の生活に合う間取りを重視します。
間取りと併せて、次の要素を一体的に検討します。
- 家事や帰宅がスムーズになる生活動線
- 土地の方位と周辺建物を考えた窓配置
- 深い軒による宮崎の強い日射への対策
- 家具を置いた後も使いやすい空間
- 2×4工法と正式な耐震等級3を前提とした構造計画
- ZEH水準の断熱性能と省エネ設備
- 将来の家族構成や生活変化への対応
- 建物だけで予算を使い切らない資金計画
女性スタッフがお客様の日常の困りごとまで丁寧に伺い、「何畳欲しいか」だけではなく、そこで何をして、どのように暮らしたいかを具体的な間取りへ落とし込みます。
まとめ
- 間取りは部屋数ではなく、家族の暮らし方から考える
- 要望を「必要・希望・なくてもよい」に分ける
- 土地、間取り、予算は同時に検討する
- 部屋の形より先に、空間同士のつながりを決める
- 家事・帰宅・来客・子育て・就寝の動線を確認する
- 家具や家電を図面に入れて広さを判断する
- 宮崎では日射、湿気、台風、室内干しへの配慮が重要
- 現在だけでなく、10年後・20年後の暮らしも考える
結論として、間取りづくりで最初に決めるべきなのは「何LDKにするか」ではなく、「家族が新しい家でどのような一日を過ごしたいか」です。








