A.施工棟数の多さは、経験・仕入れ・施工体制を確認する一つの材料になりますが、棟数が多いだけで安心とは限りません。急激な受注増加によって、現場監督・職人・アフターサービスが不足している場合もあるためです。
大切なのは、会社全体の施工棟数よりも、一棟ごとの品質を保つ仕組みと、自分の家を担当する現場監督・施工チームの体制です。
1.施工棟数が多い会社のメリット
一定の施工棟数がある住宅会社には、次のようなメリットが期待できます。
- 多くの施工経験がある
- 間取りや納まりの事例が蓄積されている
- よくある問題への対応方法がある
- 材料や設備を安定して仕入れやすい
- 協力業者を確保しやすい
- 社内の業務が仕組み化されている
- 設計・申請・施工の流れが整っている
- 保証・点検部門を持てる
- 完成事例を確認しやすい
- 住宅ローンや補助制度の経験が多い
ただし、これらは棟数が多ければ自動的に備わるものではありません。実際の運用体制を確認する必要があります。
2.施工棟数だけでは品質を判断できない
住宅会社が年間100棟を建てていても、現場監督や検査担当者が不足していれば、一棟ごとの確認時間が少なくなる可能性があります。
反対に、年間10棟程度でも、経験豊富な担当者が丁寧に管理し、高い施工品質を保つ会社もあります。
確認すべきなのは次の関係です。
施工棟数 ÷ 現場監督数=一人当たりの担当棟数
単純な計算だけでは判断できませんが、会社の管理体制を知る手がかりになります。
3.年間棟数と累計棟数を分けて確認する
「施工実績1,000棟」と表示されていても、その意味は会社によって異なります。
- 創業からの累計
- 全国グループ全体
- フランチャイズ本部全体
- 地域加盟店単独
- 新築とリフォームの合計
- 注文住宅と建売住宅の合計
- 過去に扱っていた商品を含む
- 関連会社の実績を含む
自分の家を検討する際に重要なのは、次の実績です。
- 宮崎県内の年間施工棟数
- 契約する法人単独の実績
- 検討中の商品・工法の実績
- 担当する支店・店舗の実績
- 担当現場監督の経験
- 現在建築中の棟数
全国の累計棟数だけで判断しないようにしましょう。
4.急激に施工棟数が増えた会社は体制を確認する
SNSや低価格商品などをきっかけに、短期間で受注が増える住宅会社があります。
成長していること自体は悪くありませんが、施工体制が追いついているか確認が必要です。
- 現場監督が不足していないか
- 新しい協力業者が急増していないか
- 職人の教育が行われているか
- 工事期間が極端に短くないか
- 着工待ちが長くなっていないか
- 検査担当者が確保されているか
- 問い合わせ対応が遅れていないか
- アフターサービスが後回しになっていないか
年間棟数の増加率と、社員・現場監督・職人の増加が釣り合っているかを確認しましょう。
5.現場監督一人の担当棟数を見る
現場監督は、工程、品質、安全、職人、材料などを管理します。
一人当たりの担当棟数が多すぎると、次の問題が起こる可能性があります。
- 現場へ行く回数が減る
- 職人任せになりやすい
- 図面変更の共有が遅れる
- 不具合の発見が遅れる
- 施工写真が不足する
- 施主への連絡が遅れる
- 複数現場の工程調整が難しくなる
- 手直し確認が不十分になる
担当可能な棟数は、工法、現場間の距離、工期、検査体制などによって変わります。
単純な基準はありませんが、「担当者は十分いるので大丈夫」ではなく、実際の担当状況を聞きましょう。
6.現場監督が現場へ行く頻度を確認する
施工棟数が多い会社でも、工程ごとに現場監督や検査担当者が確認する仕組みがあれば、品質を保ちやすくなります。
確認したい工程は次のとおりです。
- 地盤・基礎
- 基礎配筋
- コンクリート打設前
- 構造躯体
- 耐力壁・構造金物
- 屋根防水
- 外壁防水
- サッシ周囲
- 断熱・気密
- 給排水・電気
- 内装
- 完成時
「毎日現場へ行くか」だけでなく、重要な工程で必ず確認・記録する仕組みがあるかが大切です。
7.棟数が多いと施工する職人も増える
施工棟数が増えると、複数の大工や協力業者が工事を担当します。
職人による品質差を抑えるためには、次の仕組みが必要です。
- 共通の施工基準書
- 図面・仕様書の共有
- 職人研修
- 施工前の打合せ
- 現場監督の確認
- 工程ごとの検査
- 不具合の是正記録
- 気密測定
- 施工写真の保存
「熟練した職人が施工します」という説明だけではなく、担当者が変わっても品質を保てる仕組みを確認しましょう。
8.自社大工なら必ず安心ですか?
自社大工や専属大工には、施工方法を共有しやすいメリットがあります。
ただし、自社・外注という雇用形態だけで品質は決まりません。
- 施工経験
- 工法への理解
- 研修
- 現場監督の確認
- 施工基準
- 検査
- 記録
- 不具合時の対応
外部の協力業者でも、長期間同じ施工基準で工事し、適切な検査を受けていれば、安定した品質を期待できます。
9.施工棟数が少ない会社にもメリットがある
少棟数の住宅会社には、次のようなメリットがあります。
- 一棟ごとに時間をかけやすい
- 代表者や建築士が直接確認しやすい
- 施主と現場の距離が近い
- 個別の変更へ柔軟に対応しやすい
- 同じ職人が継続して担当する場合がある
- 地域を限定して現場を回りやすい
- 引渡し後も同じ担当者へ相談しやすい
一方で、担当者が病気・退職した場合の代替、受注が重なったときの対応、経営の継続性を確認する必要があります。
10.少棟数だから丁寧とも限らない
施工棟数が少なくても、検査や記録の仕組みがなければ、担当者の経験と感覚に頼ることになります。
- 図面が簡略化されている
- 施工基準書がない
- 現場監督が他業務を兼務している
- 第三者検査が少ない
- 気密測定をしない
- 施工写真を残さない
- 口頭で変更する
- アフター担当者がいない
「年間数棟限定だから丁寧」という言葉だけでなく、具体的な管理方法を確認しましょう。
11.棟数より検査体制を確認する
住宅会社選びでは、年間棟数より次の検査内容が重要です。
| 検査項目 | 主な確認内容 |
|---|---|
| 地盤・基礎 | 地盤調査、配筋、アンカーボルト |
| 構造 | 耐力壁、面材、釘、接合金物 |
| 防水 | 屋根、外壁、サッシ、貫通部 |
| 断熱 | 隙間、厚さ、欠損、防湿層 |
| 気密 | C値、測定条件、補修 |
| 設備 | 給排水、電気、換気ダクト |
| 完成 | 建具、漏水、設備動作、仕上げ |
誰が、いつ、何を確認し、問題があればどう是正するのかを聞きましょう。
12.第三者検査があれば完全に安心ですか?
第三者検査は、施工品質を確認する有効な方法ですが、すべての部分を常時見ているわけではありません。
- 検査する工程
- 検査項目
- 検査回数
- 検査会社
- 報告書の内容
- 不適合時の是正
- 再検査
- 施主へ報告するか
「第三者検査があります」という説明だけでなく、検査の範囲を確認しましょう。
自社検査、法定検査、瑕疵保険の検査、第三者検査は、それぞれ目的や範囲が異なります。
13.施工棟数と気密性能の関係を見る
高気密住宅は、担当する職人や現場によって数値が大きく変わらない仕組みが重要です。
確認したいのは次の内容です。
- 全棟で気密測定するか
- 一部の住宅だけか
- C値の目標
- 最近の実測結果
- 平均的な数値
- 目標未達時の補修
- 補修後の再測定
- 報告書を施主へ渡すか
会社の最高記録より、多くの施工棟で安定した結果を出しているかを見る方が実態を把握しやすくなります。
14.施工棟数と住宅性能を分けて考える
施工棟数が多くても、商品によって住宅性能が異なる場合があります。
- 低価格商品
- 標準商品
- 高性能商品
- 規格住宅
- 自由設計住宅
- 建売住宅
会社全体の実績ではなく、自分が契約する商品について確認します。
- 断熱等級
- UA値
- 窓仕様
- 気密測定
- 耐震等級
- 換気方式
- 防水仕様
- 防蟻処理
「年間○棟の実績があります」という説明だけで、性能が保証されるわけではありません。
15.施工棟数が多いと価格は安くなりますか?
施工棟数が多い会社は、建材や設備をまとめて仕入れることで、価格を抑えられる場合があります。
一方、次の費用も価格へ含まれる可能性があります。
- 住宅展示場
- 広告宣伝
- 営業組織
- 商品開発
- 本社・支店
- 保証・点検部門
- 物流・倉庫
- フランチャイズ費用
仕入れ量だけで住宅価格は決まりません。
同じ性能・仕様・工事範囲で、入居までの総額を比較しましょう。
16.施工棟数が多いと工期は安定しますか?
工程が標準化され、職人を安定して確保している会社では、工期を計画しやすいメリットがあります。
ただし、受注が集中すると次の問題が起こる場合があります。
- 着工待ち
- 現場監督不足
- 職人不足
- 設備・建材の納期遅延
- 完成検査の集中
- 引渡し後の補修待ち
宮崎では台風や長雨によって外部工事が遅れることもあります。
契約前に、着工時期、工期、遅延時の対応を確認しましょう。
17.施工棟数が多い会社ほどアフターサービスが充実していますか?
施工棟数が多い会社は、専用のアフター部門を設けやすい一方、過去の引渡し棟数も多くなるため、点検・修理依頼も増えます。
確認したいのは次の点です。
- アフター担当者数
- 施工担当とアフター担当の分担
- 定期点検の実施率
- 不具合受付の方法
- 初回連絡までの目安
- 緊急時の連絡先
- 台風後の対応
- 補修業者の確保
- 設備メーカーとの役割分担
- 修理記録の保管
施工棟数に対して、アフター体制が十分かを確認しましょう。
18.過去の棟数が多い会社は修繕対応も増える
累計施工棟数が多い会社では、築10年・20年を超える住宅も増えます。
そのため、次の対応力を確認できます。
- 屋根・外壁の修繕
- 防水工事
- 防蟻処理
- 設備交換
- 窓・建具の調整
- 太陽光・蓄電池
- リフォーム
- 家族構成の変化
- 図面・施工記録の保管
新築を多く建てているだけでなく、既存のお客様の修繕を継続しているかが重要です。
19.施工エリアを広げすぎていないか確認する
施工棟数を増やすために、広い地域で工事する会社もあります。
現場が事務所から遠いと、次の問題が起こる可能性があります。
- 現場監督の移動時間が長い
- 現場へ行く頻度が減る
- 緊急時に時間がかかる
- 地域の職人を初めて使う
- 引渡し後の点検が遅れる
- 台風後にすぐ対応できない
施工可能エリアだけでなく、実際にどの範囲を日常的に管理しているか確認しましょう。
20.宮崎での実績を確認する
全国施工棟数が多くても、宮崎では施工経験が少ない場合があります。
宮崎では、次の経験が重要です。
- 強い日射と西日
- 高温多湿
- 台風
- 横殴りの雨
- 大雨時の敷地排水
- シロアリ
- 沿岸部の塩害
- 地域の地盤
- 浄化槽・井戸
- 市街化調整区域・農地
宮崎県内の施工棟数に加え、地域特性をどう仕様へ反映しているか確認しましょう。
21.完成見学会だけでなく工事現場を見る
完成住宅は内装や設備を確認できますが、施工品質の多くは壁の中へ隠れています。
工事中の現場では次の内容を確認します。
- 現場の整理・養生
- 材料の保管
- 基礎・構造
- 耐力壁
- 釘・金物
- 屋根・外壁防水
- サッシ周囲
- 断熱材
- 気密処理
- 配管・換気ダクト
施工棟数の多さより、各現場を同じ基準で管理しているかを見ましょう。
22.担当現場監督の経験を確認する
会社全体の実績が多くても、自宅を担当する現場監督が新人である可能性もあります。
新人であること自体が問題ではありませんが、支援体制を確認します。
- 現場監督の経験年数
- 担当した工法・商品
- 現在の担当棟数
- 上司や検査担当者の確認
- 現場で判断できない場合の相談先
- 引渡しまで担当が変わらないか
- 変更内容の共有方法
個人の経験だけに頼らず、会社の検査体制で補えることが重要です。
23.契約を急がせる理由に「棟数」を使っていないか
次のような説明を受ける場合があります。
- 今月の契約枠が残りわずか
- 着工棟数に限りがある
- 年間棟数達成のため特別値引き
- 今契約しないと入居が遅れる
- 人気なので土地もすぐ決める必要がある
実際に職人や工程の限界がある場合もありますが、総額・仕様・解約条件を確認せずに契約する理由にはなりません。
契約期限の根拠と、契約後の変更費用を確認しましょう。
施工棟数の見方
| 表示される実績 | 確認したい内容 |
|---|---|
| 累計○棟 | 期間、対象会社、対象工事 |
| 全国○棟 | 宮崎の加盟店単独では何棟か |
| 年間○棟 | 現場監督・検査担当者数 |
| 地域No.1 | 調査元、期間、対象範囲 |
| 着工棟数 | 完成・引渡し棟数との違い |
| 施工事例○件 | 自社施工か、掲載許可分だけか |
| 高性能住宅○棟 | 同じ仕様・商品での実績か |
| 気密測定○棟 | 全棟測定か、一部だけか |
数字の大きさだけでなく、定義と対象範囲を確認しましょう。
施工棟数より確認したい項目
| 比較項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 現場監督 | 人数・担当棟数・経験 |
| 職人 | 固定性・研修・施工基準 |
| 検査 | 工程・担当者・是正・再検査 |
| 気密 | 全棟測定・C値・報告書 |
| 記録 | 写真・図面・変更履歴 |
| 工期 | 着工待ち・職人確保・遅延対応 |
| アフター | 担当人数・点検実施・災害対応 |
| 地域性 | 宮崎の気候・土地での実績 |
| 経営 | 受注量と人員・資金のバランス |
| 保証 | 対象・期間・延長条件・維持費 |
契約前に聞きたい質問
- 表示されている棟数は累計ですか、年間ですか?
- 全国グループと宮崎の実績を分けて教えてください
- 検討中の商品・工法で何棟建てていますか?
- 現在、何棟が工事中ですか?
- 現場監督は何人いますか?
- 一人の現場監督が何棟を担当しますか?
- 自宅の担当監督は決まっていますか?
- 施工する大工・協力業者は固定されていますか?
- 工程ごとの検査は何回ありますか?
- 第三者検査の範囲は?
- 気密測定は全棟で行いますか?
- 施工写真を施主へ渡しますか?
- 不具合が見つかった場合の是正・再検査方法は?
- アフター担当者は何人いますか?
- 台風後の点検依頼にどう対応しますか?
- 過去に建てた住宅の修繕にも対応していますか?
- 受注増加に合わせて人員を増やしていますか?
- 着工待ちと完成予定時期は?
- 施工中の現場を見学できますか?
契約前のチェックリスト
- 棟数の集計期間を確認したか
- 全国・本部・加盟店の実績を分けて確認したか
- 新築とリフォームの棟数を分けて確認したか
- 宮崎県内の施工実績を確認したか
- 検討中の商品・仕様の実績を確認したか
- 現在の工事中棟数を確認したか
- 現場監督の人数を確認したか
- 一人当たりの担当棟数を確認したか
- 担当監督の経験と支援体制を確認したか
- 職人の教育・施工基準を確認したか
- 基礎・構造・防水・断熱の検査を確認したか
- 第三者検査の範囲を確認したか
- 気密測定を全棟で行うか確認したか
- 施工写真と検査報告書を受け取れるか確認したか
- 施工中の現場を見たか
- 受注増加に人員が追いついているか確認したか
- 着工待ちと工期を確認したか
- アフター担当者数と点検体制を確認したか
- 宮崎の台風後の対応を確認したか
- 棟数ではなく一棟ごとの品質管理で判断したか
デザインハウス宮崎の考え方
デザインハウス宮崎では、施工棟数の数字だけで安心を伝えるのではなく、一棟ごとの設計・施工・検査内容を確認していただくことが大切だと考えています。
基本としている内容は次のとおりです。
- ツーバイフォー工法
- ZEH水準
- 耐震等級3
- 第一種熱交換換気
- Panasonic・TOTO・LIXILなどの比較的高いグレードの水回り
- 食器洗い乾燥機
- 地盤調査
- 敷地内の水道・電気・ガス引込みを含むコミコミ価格
- 宮崎の日射・高温多湿・台風への対応
- 予算や間取りに応じた断熱等級6の提案
施工数を増やすことだけを目的にせず、担当者がご家族の生活、家具、家事動線、子どもの独立、老後まで確認できる体制を重視しています。
会社全体の実績だけでなく、自宅を誰が設計・管理し、どのような検査と記録を行うのかを分かりやすくお伝えすることが重要だと考えています。
まとめ
- 施工棟数は会社選びの参考になる
- 棟数が多い会社には経験・仕入れ・仕組みのメリットがある
- 棟数が多いだけで施工品質は保証されない
- 年間棟数と累計棟数を分けて確認する
- 全国グループと宮崎の加盟店実績を分けて見る
- 急激な受注増加では監督・職人不足に注意する
- 現場監督一人当たりの担当棟数を確認する
- 職人が変わっても品質を保つ施工基準が必要
- 少棟数でも丁寧とは限らない
- 棟数より工程ごとの検査と記録を見る
- C値は最高記録より全棟測定と安定性を確認する
- 自分が契約する商品・仕様での実績を見る
- アフター担当者数と定期点検の実態を確認する
- 宮崎の気候・台風への施工経験を見る
- 工事中の現場を実際に確認する
結論として、施工棟数が多い住宅会社には経験や組織力のメリットがありますが、棟数だけで安心とは判断できません。宮崎県内での実績、自宅を担当する現場監督の棟数、職人の施工基準、構造・防水・断熱検査、気密測定、アフター体制まで確認しましょう。大切なのは、何棟建てているかより、自分の一棟を丁寧に管理できる仕組みがあるかです。








