このテーマは、シニア夫婦の建替えで最も多い税務トラブルの一つです。
結論から言うと、
はい、夫婦の共同出資で建替える場合でも、「実際に負担した金額」と「登記上の持分割合」が一致していないと、贈与税が課税される可能性があります。
・なぜ贈与税がかかるの?
税務上は、
「お金を出した割合=所有権(持分)の割合」
が原則です。
例えば、
建替え費用4,000万円
- 夫が3,000万円負担
- 妻が1,000万円負担
であるにもかかわらず、
登記を夫50%・妻50%
とすると、
妻は本来1,000万円分しか負担していないのに、2,000万円分の持分を取得したことになります。
この差額1,000万円は、税務上「夫から妻への贈与」と判断される可能性があります。
・正しい持分割合は?
上記の例なら、
| 出資額 | 持分割合 |
|---|---|
| 夫3,000万円 | 3/4(75%) |
| 妻1,000万円 | 1/4(25%) |
このように、
出資割合と登記割合を一致させれば、通常は贈与税の問題は生じません。
・ローンを利用する条件は?
持分は現金だけでは決まりません。
例えば、
- 夫:自己資金500万円+住宅ローン2,000万円
- 妻:自己資金500万円+住宅ローン1,000万円
なら、
実際にそれぞれが負担する総額
で持分を計算します。
つまり、
- 夫:2,500万円
- 妻:1,500万円
合計4,000万円
↓
持分は
- 夫 5/8
- 妻 3/8
となります。
・シニア夫婦に多いケース
例えば、
夫70歳
妻68歳
夫が退職金2,000万円を出し、
妻は資金を出していない。
それでも
「夫婦だから半分ずつで登記しよう」
とすると、
妻への贈与とみなされる可能性があります。
・婚姻20年以上なら特例もある
婚姻期間が20年以上の夫婦には、
一定の要件を満たせば**居住用不動産の配偶者控除(いわゆる「おしどり贈与」)**を利用できる場合があります。
この特例では、
- 基礎控除110万円に加え
- 最大2,000万円までの配偶者控除が認められます。
ただし、一生に一度しか使えず、適用要件もあるため、「持分を半分にしたいから」という理由だけで利用するのではなく、相続対策も含めて検討することが大切です。
・弊社からの一言
シニア夫婦には、
「持分は『夫婦だから半分』ではなく、『実際に負担した金額』で決めるのが基本です。登記をする前に持分を確認しておくことで、思わぬ贈与税を防げます。」








