A.シューズクロークが物置になる主な理由は、収納する物を決めずに広さだけを確保し、棚の奥行きや家族の帰宅動線、片付け方まで計画していないからです。
「玄関をすっきりさせたい」と広いシューズクロークをつくっても、物の定位置がなければ、宅配荷物、段ボール、外遊び用品などの仮置き場になります。
大切なのは帖数ではなく、靴と屋外用品を誰が、どこへ戻すのかを決めることです。
シューズクロークとは?
シューズクロークは、玄関周辺で靴や外出用品を収納する場所です。シューズインクローク、土間収納、SICと呼ばれることもあります。
主に次のような物を収納します。
- 家族の靴
- 長靴
- 傘
- レインコート
- ベビーカー
- 子どもの外遊び用品
- スポーツ用品
- アウトドア用品
- 自転車用品
- ヘルメット
- コート
- 帽子
- 防災用品
- 園芸用品
- ペットの散歩用品
物の種類によって、必要な棚の奥行き、高さ、床の仕上げが異なります。
1.収納する物を決めずに広さだけ確保した
「2帖あれば便利そう」など、先に広さを決めると、収納内部が実際の持ち物に合わないことがあります。
- 靴棚ばかりでベビーカーが入らない
- 長い傘を置く場所がない
- スポーツ用品が棚に納まらない
- コートを掛ける場所がない
- 防災用品を床へ置く
- スーツケースが通路をふさぐ
何帖つくるかではなく、収納物の実寸と量から棚や空きスペースを決めましょう。
2.家の中へ持ち込む物をすべて置いてしまう
シューズクロークは玄関に近いため、帰宅時や宅配時の仮置き場になりやすい場所です。
- 買物袋
- 宅配便
- 段ボール
- 返却する物
- ゴミ出し予定の物
- クリーニング品
- 使わなくなった家具
- 処分予定の家電
「後で片付ける」物が少しずつ増え、最終的に奥へ入れなくなることがあります。
仮置きをする場合も、期限と置ける範囲を決めておきましょう。
3.家族が片付ける場所を知らない
収納が広くても、どこへ何を戻すか分からなければ、入口や床へ置かれます。
- 靴の棚が家族別になっていない
- 子どもが手の届く位置に棚がない
- 部活動用品の定位置がない
- 傘とレインコートが離れている
- ヘルメットを掛ける場所がない
- ペット用品が複数の棚に分かれている
家族全員が自分で戻せるよう、使う人と用途ごとに収納場所を分けましょう。
4.棚の奥行きが合っていない
靴と大型用品では必要な奥行きが異なります。
| 収納する物 | 奥行きの考え方 |
|---|---|
| 子ども靴・小さな靴 | 約25~30cmから検討 |
| 大人の靴 | 約30~35cmから検討 |
| 靴箱・大型シューズ | 実物寸法で確認 |
| ヘルメット・バッグ | 約35~45cmを個別検討 |
| ベビーカー・スポーツ用品 | 棚を設けない床置き部分を確保 |
一般的な目安であり、靴のサイズや収納方法によって異なります。
すべての棚を深くすると、小さな靴が奥へ入り、見えにくくなる場合があります。
5.棚をつくりすぎて大型用品を置けない
壁全面へ可動棚を設けると、靴の収納量は増えます。
しかし、次のような大型用品を置く場所がなくなります。
- ベビーカー
- ゴルフバッグ
- 野球やサッカー用品
- クーラーボックス
- アウトドアチェア
- キャンプ用品
- 高圧洗浄機
- スーツケース
- ペットカート
一部は棚を設けず、床から天井まで使える空間を確保しましょう。
6.床置きが増えて奥へ入れない
大型用品や重い物を床へ置くと、通路をふさぎやすくなります。
- 飲料水の箱
- 防災用品
- 段ボール
- ベビーカー
- 子どもの自転車
- ゴミ出し前の資源物
- 灯油用品
- 園芸用の土
床置きする物の定位置を図面へ入れ、必要な通路幅を残しましょう。
キャスター付きの台を使うと、移動や掃除がしやすくなります。
7.ウォークイン型で通路に面積を使った
人が中へ入るウォークイン型では、中央部分が通路になります。
- 床面積の割に収納量が少ない
- 通路へ物を置いてしまう
- 奥へ入るのが面倒になる
- 家族が同時に使えない
- 靴を履いたまま入る範囲が広い
- 掃除する土間が増える
靴を収納することが中心なら、玄関から直接使える壁面収納のほうが効率的な場合があります。
8.ウォークスルー型の通路が狭い
シューズクロークを通って室内へ入るウォークスルー型は、家族用玄関として人気があります。
しかし、収納物が増えると通路が狭くなります。
- コートが通路へ張り出す
- バッグへ体が当たる
- ベビーカーを置くと通れない
- 家族同士がすれ違えない
- 買物袋を持って通れない
- 靴を脱ぐ場所が混雑する
棚板の奥行きだけでなく、靴や衣類が棚から出る寸法まで含めて有効幅を確認しましょう。
9.結局、家族も来客用玄関を使う
家族用と来客用の動線を分けても、家族が最短経路を選ぶとは限りません。
- 家族用通路が狭い
- 遠回りになる
- 扉を開けるのが面倒
- 暗くて使いにくい
- 荷物を持って通れない
- 来客用玄関のほうが広い
結果として、家族も正面玄関を使い、シューズクロークは収納物を置くだけの空間になることがあります。
毎日使う動線は、距離と使いやすさを実際に比較しましょう。
10.玄関から収納内部が丸見えになる
扉を付けないシューズクロークは出入りしやすい一方、玄関から中が見える場合があります。
- 靴が並んで見える
- 段ボールや荷物が見える
- コートが雑然として見える
- 来客時に片付けが必要
- 外から室内の収納量が分かる
- 生活感を隠せない
ロールスクリーンや建具で隠す方法もありますが、日常的に閉めるかどうかを考えましょう。
入口の向きをずらすだけで視線を遮れる場合もあります。
11.扉を付けたら開けなくなった
においや見た目を隠すために扉を付けても、開閉が面倒で使わなくなるケースがあります。
- 靴や荷物で扉が開かない
- 開き戸が玄関をふさぐ
- 引き戸の前へ物を置く
- 両手に荷物を持って開けにくい
- 子どもが閉めない
- 換気のため開けたままになる
扉の必要性、開閉方向、引込み部分と収納の関係を確認しましょう。
12.コート収納で靴のにおいが気になる
シューズクロークへコートを掛けると、帰宅後の動線は短くなります。
一方、靴、傘、スポーツ用品などと同じ空間に衣類を置くため、においや湿気が気になる場合があります。
- 雨に濡れた靴
- 汗を含んだスポーツ用品
- レインコート
- ペット用品
- 園芸用品
- 靴用消臭剤
清潔な衣類と、濡れた物・屋外用品の収納範囲を分けることが重要です。
13.濡れた傘やレインコートの場所がない
雨の日に使う物を乾かす場所がなければ、床や棚が濡れます。
- 傘から水が落ちる
- レインコートが壁へ触れる
- 靴が乾かない
- 土間に水がたまる
- ほかの荷物まで湿る
- においやカビが気になる
傘掛け、水受け、レインコート用フック、濡れた靴を仮置きする場所を検討しましょう。
14.宮崎の高温多湿でにおいがこもる
宮崎では、梅雨や夏の湿気により、シューズクローク内へにおいがこもりやすくなります。
- 靴が乾きにくい
- カビが発生する
- スポーツ用品のにおいが残る
- 棚板の裏へ湿気がこもる
- 玄関までにおいが広がる
- 除湿剤の交換が増える
換気口があるだけでなく、空気の入口と出口が確保されているかを確認しましょう。
物を詰め込みすぎると、換気設備があっても空気が動きません。
15.窓を付けたため収納量が減った
明るさや換気を求めて窓を設けると、その壁へ棚を設けにくくなります。
- 靴を置ける棚が減る
- 西日で内部が暑くなる
- 外から収納内部が見える
- 窓の開閉に荷物が当たる
- 雨が入り込む
- 防犯が気になる
宮崎では西日の影響も大きいため、窓を付ければ必ず快適になるとは限りません。照明と機械換気で対応できるかも比較しましょう。
16.照明が暗く、探し物が増える
天井照明が一つだけでは、棚によって影ができる場合があります。
- 黒い靴を見分けにくい
- 下段が暗い
- 奥の物を探せない
- 夜間に足元が見えない
- 家族が照明を付けない
- 消し忘れが起こる
人感センサー照明を設け、棚を設置した後も十分な明るさが届くか確認しましょう。
17.コンセントがなく、家電を使えない
シューズクロークでは次の機器を使う可能性があります。
- 電動自転車の充電器
- コードレス掃除機
- 靴乾燥機
- 除湿機
- 防犯カメラ
- アウトドア用品の充電器
後から延長コードを引くと、通路でつまずいたり、扉が閉まらなくなったりします。
ただし、収納内での充電は、機器の設置条件や放熱、防火安全を確認しましょう。
18.外で使う物と室内用品が混在する
収納範囲を決めていないと、清潔な物と汚れやすい物が混在します。
- 靴と防災用食品
- 園芸用品と衣類
- ペット用品と来客用スリッパ
- 外遊び用品とマスク
- スポーツ用品と日用品
- ゴミと飲料水
屋外用品、衣類、食品、防災用品は、できるだけ棚や空間を分けて収納しましょう。
19.防災用品を詰め込みすぎる
玄関近くは避難時に持ち出しやすいため、防災用品の収納に適しています。
しかし、すべてをシューズクロークへ集めると通路をふさぐ場合があります。
- 飲料水
- 非常食
- 防災リュック
- ヘルメット
- 簡易トイレ
- カセットコンロ
- 毛布
持ち出し用と自宅避難用を分け、重い飲料水は低い位置へ収納します。地震時に棚から物が落ちて、出入口をふさがない配置も重要です。
20.子どもの成長で収納物が変わる
子どもが小さい時期は、ベビーカーや外遊び用品が中心です。
成長すると、次のような物が増えます。
- 通学靴
- 部活動用シューズ
- ラケット
- ボール
- 自転車用ヘルメット
- 雨具
- 通学バッグ
固定棚を細かくつくりすぎると、収納物の変化に対応できません。可動棚やフックを使い、変更できる計画にしましょう。
21.土間が広く掃除しにくい
シューズクロークの土間には、砂、泥、髪の毛、落ち葉などが入り込みます。
- 床置きの物を動かせない
- 棚の下へほこりがたまる
- 奥までほうきが届かない
- 水洗いしても排水できない
- 段差部分へ砂が残る
- 明るさが足りず汚れが見えない
棚を床から浮かせる、掃除道具を近くへ置くなど、清掃方法まで考えましょう。
22.砂や泥が室内へ入り込む
ウォークスルー型では、土間側から上がった後、そのまま家の中へ進みます。
靴の脱ぎ方や床の区切りが曖昧だと、砂や泥を室内へ持ち込みやすくなります。
- 靴を脱ぐ場所が狭い
- 家族が土間と床を行き来する
- 子どもが裸足で土間へ下りる
- ベビーカーの車輪が床へ触れる
- ペットの足拭き場所がない
- 買物袋を土間へ置く
土間と室内床の境界、靴を脱ぐ位置、手すりや腰掛けを確認しましょう。
23.物を取り出すために靴を履かなければならない
棚の一部が土間側にしかなく、室内から手が届かない場合があります。
- 忘れ物を取るためサンダルを履く
- 防災用品へすぐ手が届かない
- コートを取るため土間へ下りる
- 夜間に足元が冷たい
- 高齢になると段差が負担になる
室内側から取る物と、土間へ下りて取る物を分けて配置しましょう。
24.シューズクロークを通らないと手洗いへ行けない
帰宅動線上に手洗いを設けても、シューズクローク内が物でふさがると使われなくなります。
- 家族が正面玄関から入る
- 荷物を持って通れない
- 子どもが狭い通路を嫌がる
- 扉の開閉が面倒
- においの中を通りたくない
- 来客動線と分けられない
手洗いを習慣化したいなら、家族が自然に通る経路になっているか確認しましょう。
25.外部収納の代わりにしすぎた
シューズクロークは屋内空間です。土や水が付いた物、燃料、強いにおいがある物など、保管に適さない物もあります。
- 園芸用の土や肥料
- 灯油
- ガソリンを使用する機器
- 薬剤
- 濡れたホース
- 大型工具
- 汚れたアウトドア用品
収納物の取扱説明や安全な保管条件を確認し、屋外物置と使い分けましょう。
シューズクロークが必要な家庭
- 家族の靴が多い
- ベビーカーを日常的に使う
- 部活動やスポーツ用品が多い
- キャンプやアウトドアが趣味
- ペットの散歩用品がある
- コートやバッグを玄関へ置きたい
- 防災用品を玄関近くへ保管したい
- 外用品と室内用品を分けられる
- 家族が自分で片付ける仕組みをつくれる
慎重に考えたい家庭
- 靴や屋外用品が少ない
- 大型用品は外部物置へ収納する
- 玄関ホールの広さを優先したい
- 家族用通路が遠回りになる
- 換気や湿気が心配
- シューズクローク内に窓や扉が多い
- 床面積を抑えたい
- 壁面の靴箱で必要量を確保できる
- 収納する物をまだ決めていない
ウォークイン型と壁面収納の比較
| 比較項目 | ウォークイン型 | 壁面型の靴収納 |
|---|---|---|
| 通路 | 内部に必要 | 玄関の床を利用 |
| 面積効率 | 通路分が必要 | 比較的高い |
| 靴の収納 | 複数面に設置可能 | 壁の長さによる |
| 大型用品 | 置きやすい | 入りにくい場合がある |
| 生活感 | 内部にまとめて隠せる | 扉で隠しやすい |
| 掃除 | 土間面積が広い | 比較的簡単 |
| におい・湿気 | こもりやすい | 玄関へ広がる場合がある |
| 床面積 | 多く必要 | 抑えやすい |
靴が中心なら壁面型、大型の屋外用品も収納するならウォークイン型が適している場合があります。
使いやすいシューズクロークの計画方法
1.靴の数を確認する
家族全員の靴を種類別に数えます。
- 日常靴
- 仕事用
- 通学用
- スポーツ用
- 長靴
- ブーツ
- 冠婚葬祭用
- 季節外の靴
今後、子どもの成長で靴のサイズと量が増えることも考慮しましょう。
2.大型用品を実測する
ベビーカー、自転車、ゴルフバッグなどは、折りたたんだ状態と使用状態の寸法を測ります。
「入りそう」ではなく、置いた後も通れるかを確認します。
3.家族別・用途別に収納場所を分ける
- 子どもが届く低い棚
- 大人の靴
- 長靴・ブーツ
- スポーツ用品
- 傘・レインコート
- コート・バッグ
- 防災用品
- ペット用品
ラベルや収納ケースに頼りすぎず、家族が直感的に戻せる配置にしましょう。
4.仮置き場を限定する
宅配便や返却品を一時的に置くなら、専用の棚やスペースを決めます。
「ここから外へ出さない」「何日以内に片付ける」など、家族のルールも必要です。
何帖あれば使いやすいですか?
必要な広さは靴の数と大型用品によって変わります。
| 収納内容 | 広さの考え方 |
|---|---|
| 靴・傘が中心 | 壁面収納または0.5~1帖程度から検討 |
| 靴+コート・バッグ | 1~1.5帖程度から内部寸法を確認 |
| ベビーカー・スポーツ用品も収納 | 1.5~2帖程度から実物寸法で検討 |
| アウトドア用品を多く収納 | 2帖以上でも外部物置と比較 |
| 家族用通路として使う | 収納物を置いた後の有効幅を確認 |
一般的な目安であり、帖数だけで使いやすさは判断できません。
契約前のチェックリスト
- 家族全員の靴の数を確認したか
- 長靴やブーツの高さを測ったか
- ベビーカーやスポーツ用品を実寸で入れたか
- 屋外物置へ収納する物と分けたか
- 靴棚の奥行きが合っているか
- 可動棚になっているか
- 大型用品のため棚を付けない部分があるか
- 床置き後も奥まで入れるか
- 家族用通路が遠回りにならないか
- 買物袋を持って通れるか
- 靴を脱ぎ履きする場所が十分か
- 子どもが自分で片付けられるか
- 来客から内部が見えないか
- 扉が収納物や通路と干渉しないか
- 濡れた傘やレインコートを置けるか
- コートと靴の収納場所を分けられるか
- 食品と屋外用品が混在していないか
- 換気口を物でふさがないか
- 宮崎の湿気・西日への対策があるか
- 人感センサー照明が必要か
- コンセントの使用目的を決めたか
- 防災用品が避難経路をふさがないか
- 玄関や土間を掃除しやすいか
- 壁面収納とも比較したか
- 玄関の広さを犠牲にしていないか
デザインハウス宮崎の考え方
デザインハウス宮崎では、「玄関をすっきり見せるため」という理由だけで、大きなシューズクロークをおすすめすることはありません。
女性スタッフの生活目線から、次の点を確認します。
- 家族の靴の数
- 子どもの年齢と部活動
- ベビーカーやスポーツ用品の寸法
- ペットの散歩用品
- 雨具や濡れた靴の置き場所
- 帰宅後のコート・バッグの収納
- 宅配荷物の仮置き
- 家族が自然に通る動線
- 宮崎の梅雨・台風・高温多湿への対策
- 外部物置との役割分担
ウォークイン型、ウォークスルー型、壁面収納を比較し、収納の広さより、家族が毎日自分で戻せることを大切にしています。
まとめ
- 収納物を決めずに広さだけ確保すると物置になりやすい
- 玄関近くは宅配荷物や段ボールの仮置き場になりやすい
- 家族が収納場所を知らないと床へ置かれる
- 靴と大型用品では必要な棚の奥行きが異なる
- 棚を増やしすぎるとベビーカーなどを置けない
- ウォークイン型は通路に面積を使う
- ウォークスルー型は荷物が増えると通れなくなる
- コートと濡れた靴は収納範囲を分ける
- 宮崎では湿気・におい・台風対策が重要
- 壁面収納のほうが効率的な家庭もある
- 外部物置との使い分けを考える
- 帖数より物の定位置と片付け方が重要
結論として、シューズクロークが物置になってしまうのは、収納量の不足ではなく、「何を、どこへ、誰が戻すか」が決まっていないことが主な原因です。靴、大型用品、濡れた物、宅配荷物の場所を分け、収納した後も通路を確保できるか確認することで、玄関をすっきり保ちやすくなります。







