A.住宅展示場へ行く前には、「総予算」「家族の希望」「必要な部屋と駐車台数」「知りたいこと」を簡単に整理しておきましょう。準備なしで行くと、豪華なモデルハウスの印象や営業担当者の説明に流され、現実の予算や広さと合わない判断をしやすくなります。
すべてを決めてから行く必要はありません。見学の目的を明確にし、1日2~3社程度に絞るだけでも、比較しやすくなります。
1.住宅展示場へ行く目的を決める
住宅展示場は、何となく見て回るだけでも楽しめますが、目的が曖昧だと必要な情報を得にくくなります。
見学前に、次のうち何を確認したいか決めましょう。
- 住宅会社ごとの違いを知りたい
- 自分たちに必要な家の広さを知りたい
- 断熱・気密・耐震性能を比較したい
- おおよその総予算を知りたい
- 平屋と2階建てを比較したい
- 土地探しについて相談したい
- 建て替えの進め方を知りたい
- キッチンや浴室を見たい
- 家事動線や収納を確認したい
- 宮崎の気候に合う家を知りたい
目的を2~3個に絞り、優先順位を付けると質問しやすくなります。
2.見学する会社を事前に絞る
大きな住宅展示場では、多くのモデルハウスがあります。すべてを見ると、情報や印象が混ざりやすくなります。
事前にホームページなどで次の項目を確認し、候補を選びましょう。
- 施工エリア
- 価格帯
- 工法
- 断熱・耐震性能
- デザイン
- 平屋・2階建て
- 土地探しへの対応
- 建て替え実績
- 保証・点検
- 実際の施工事例
1日で詳しく見るなら、2~3社程度が現実的です。
1社当たり60~90分程度かかることもあるため、移動・休憩・家族で話す時間も確保しましょう。
3.建築時期を家族で話し合う
正確に決まっていなくても、希望時期を整理しておくと話が具体的になります。
- 1年以内
- 2~3年以内
- 子どもの入学まで
- 賃貸の更新まで
- 退職前または退職後
- 親との同居開始まで
- 土地が見つかってから
- まだ情報収集段階
住宅会社によって、設計・申請・工事に必要な期間が異なります。
「すぐ建てたい」と伝えると具体的な営業提案を受けやすくなるため、まだ検討初期なら、そのことを明確に伝えて構いません。
4.土地の有無を整理する
住宅展示場では、土地の状況によって相談内容が変わります。
土地がある場合
- 所在地
- 土地の広さ
- 地目
- 前面道路
- 境界
- 高低差
- 古家の有無
- 名義
- 固定資産税の資料
- 測量図
- 登記事項証明書
- 購入時の資料
資料がなくても相談できますが、分かる範囲を整理しておきましょう。
土地を探している場合
- 希望地域
- 通勤・通学
- 土地予算
- 必要な駐車台数
- 土地の最低・最大面積
- ハザードリスクへの考え方
- スーパー・病院までの距離
- 市街地か郊外か
- 庭が必要か
土地予算だけで決めず、建物・造成・外構を含む総予算から逆算することが重要です。
5.建て替えの場合は既存住宅の情報を準備する
建て替えでは、新築以外の費用と手続きも必要です。
分かる範囲で次の資料を準備すると、相談しやすくなります。
- 土地・建物の登記情報
- 固定資産税納税通知書
- 敷地図・測量図
- 既存住宅の図面
- 建築確認関係書類
- 築年数
- 構造
- 増築履歴
- 境界・越境
- 住宅ローンの残高
- 解体する物置・塀・樹木
- 仮住まいの希望
資料が見つからない場合は、持っていないことを伝えれば問題ありません。住宅会社に、どこで取得できるか確認しましょう。
6.総予算の上限を決める
住宅展示場で最初に聞かれやすいのが予算です。
予算は「借りられる最大額」ではなく、完成後も生活できる金額から考えます。
- 現在の家賃
- 無理なく払える月額
- ボーナス払いの有無
- 自己資金
- 建築後に残したい現金
- 教育費
- 車の買替え
- 親の介護
- 老後資金
- 将来の修繕費
正確な金額が決まっていなければ、「毎月○万円以内」「総額○万円を超えたくない」などの伝え方でも構いません。
7.土地・建物以外の費用も考える
住宅展示場で提示される建物価格だけでは、入居できない場合があります。
- 土地代
- 仲介手数料
- 造成・擁壁
- 解体
- 地盤改良
- 給排水引込み
- 浄化槽
- 電気・ガス引込み
- 設計・申請
- 外構
- カーポート
- 照明
- カーテン
- エアコン
- 登記
- 火災・地震保険
- 住宅ローン諸費用
- 引越し
- 家具・家電
「建物はいくらですか」だけでなく、「この仕様で入居までの総額はいくらですか」と質問しましょう。
8.住宅ローンの相談に必要な情報を整理する
その場で提出する必要はありませんが、おおよその資金相談を受けるなら、次の内容を把握しておきます。
- 年齢
- 勤続年数
- 雇用形態
- おおよその年収
- 自己資金
- 現在の借入れ
- 車のローン
- 教育ローン
- カードローン
- 住宅ローンの残債
- 返済希望期間
年収から計算される借入可能額と、家計から見た安全な借入額は異なります。
事前審査を勧められた場合は、申込先、信用情報への照会、複数申込みの有無を理解してから進めましょう。
9.家族の希望を3段階に分ける
家族全員の希望をすべて入れると、家が大きくなり予算オーバーしやすくなります。
見学前に、次の3段階へ分けておきましょう。
必ず必要
- 駐車場2台
- 1階に多目的室
- 室内干し
- 仕事部屋
- 正式な耐震等級3
できれば欲しい
- ファミリークローゼット
- パントリー
- ウッドデッキ
- アイランドキッチン
- 太陽光発電
なくても困らない
- 吹抜け
- 大きなバルコニー
- 和室
- 造作テレビボード
- 大型の庭
この分け方をしておくと、モデルハウスの豪華な設備を見ても冷静に判断できます。
10.必要な部屋数と使い方を整理する
「4LDKが欲しい」だけでなく、各部屋を誰がいつまで使うか考えます。
- LDK
- 主寝室
- 子ども部屋
- 客間
- 在宅勤務
- 親の宿泊
- 1階の将来寝室
- 室内干し
- 趣味
- ペット
- 収納
子ども部屋は何年使うのか、客間は年何回使うのかを考えると、必要な広さを整理しやすくなります。
11.現在の住まいの不満を書き出す
理想の家をゼロから考えるより、現在の不満を整理する方が希望を伝えやすくなります。
- 冬の脱衣室が寒い
- 夏に西日で暑い
- 結露やカビがある
- 洗濯物を干す場所がない
- 収納が使う場所から遠い
- コンセントが足りない
- キッチンが暗い
- 玄関に物があふれる
- 家族の音が気になる
- 駐車しにくい
- 雨の日に玄関までぬれる
- 階段が急
不満の原因まで説明すると、住宅会社の提案力を比較しやすくなります。
12.家具・家電の寸法を測る
今使っている家具・家電を新居でも使う場合は、寸法を測っておきましょう。
- 冷蔵庫
- 食器棚
- ダイニングテーブル
- ソファ
- テレビ
- 洗濯機・乾燥機
- ベッド
- 学習机
- ピアノ
- 仏壇
- ペットケージ
幅・奥行き・高さだけでなく、扉を開ける寸法、放熱スペース、搬入経路も必要です。
スマートフォンで家具の写真を撮り、寸法をメモしておくと便利です。
13.モデルハウスが何坪か必ず確認する
住宅展示場のモデルハウスは、一般的な住宅より大きく、豪華な仕様になっていることがあります。
確認したい項目は次のとおりです。
- 延床面積
- 施工面積
- 1階・2階の面積
- LDKの広さ
- 天井高
- 廊下幅
- 窓の大きさ
- 標準仕様とオプション
- 建物本体価格
- 展示仕様で建てた場合の価格
- 家具・外構を含むか
モデルハウスが60坪で、自分たちが30坪を検討している場合、同じ間取りや開放感にはなりません。
同じ会社が建てた25~35坪程度の実例も見せてもらいましょう。
14.モデルハウスのオプションを確認する
見学時に魅力を感じたものが、標準仕様とは限りません。
- 大型キッチン
- 深型食洗機
- タイル床
- 無垢材
- 高天井
- 吹抜け
- 大開口窓
- 造作収納
- 間接照明
- 全館空調
- 太陽光・蓄電池
- 高性能サッシ
- 外壁材
各場所で「標準ですか」「追加するといくらですか」と聞きましょう。
できれば、標準仕様だけで建てた住宅の写真や見積例も確認します。
15.坪単価だけを質問しない
「坪単価はいくらですか」と聞いても、会社によって計算方法が違います。
- 延床面積で割る
- 施工面積で割る
- 本体価格だけを割る
- 付帯工事を含める
- 税込み・税別
- 規格プランの最低価格
- オプションを含まない
次のように質問すると比較しやすくなります。
「30坪前後の3LDKで、標準仕様、付帯工事、申請、照明、カーテン、エアコン、外構まで含めると、入居までいくらくらいですか?」
土地条件によって変わりますが、総額の考え方を確認できます。
16.住宅性能について質問を用意する
モデルハウスの暖かさ・涼しさだけでは、実際の性能を判断できません。
展示場は長時間空調され、玄関ドアの開閉も管理されています。
確認したい質問は次のとおりです。
- 標準の断熱等級は?
- UA値はいくつですか?
- 最終プランごとに外皮計算しますか?
- 気密測定は全棟で行いますか?
- C値の目標はありますか?
- 正式な耐震等級3を取得できますか?
- 構造計算方法は?
- 24時間換気の種類は?
- 換気風量を測定しますか?
- 断熱施工の検査はありますか?
「高性能です」という回答だけでなく、数値と確認方法を聞きましょう。
17.宮崎の気候への質問を準備する
宮崎で家を建てるなら、次の質問が重要です。
- 西側の窓をどう考えますか?
- 夏の日射をどのように遮りますか?
- 冬の日差しを取り込めますか?
- 軒の深さはどのように決めますか?
- 室内干しの湿気をどう処理しますか?
- 高温多湿でカビを防ぐ方法は?
- 台風時の屋根・窓・外壁対策は?
- シャッターはどの窓に必要ですか?
- 大雨時の敷地排水をどう考えますか?
- 防蟻処理と保証内容は?
- 海沿いでは塩害仕様が必要ですか?
具体的な説明や施工事例があるか確認しましょう。
18.担当者へ聞く質問を家族で分担する
説明を聞きながら、すべてを一人で確認するのは大変です。
例えば、次のように分担できます。
- 一人:予算・見積もり
- 一人:間取り・収納
- 一人:住宅性能
- 一人:写真・メモ
- 子ども:自分の部屋や居場所
家事や育児を担当している人だけに質問を任せず、家族全員が自分の生活動線を確認しましょう。
19.子ども連れの場合は見学方法を考える
モデルハウスには、階段、吹抜け、家具、展示品などがあります。
- 子どもを見守る担当を決める
- キッズスペースの有無を確認する
- 長時間の見学を避ける
- 飲み物や着替えを用意する
- 昼寝や食事時間を避ける
- 予約時に子どもの年齢を伝える
夫婦の一人が子どもを見続け、説明をほとんど聞けないこともあります。可能であれば短時間の初回見学と、夫婦だけの詳しい相談を分けましょう。
20.見学当日の服装と持ち物
服装
- 脱ぎ履きしやすい靴
- 動きやすい服装
- 温度調整できる上着
- 清潔な靴下
- 大きすぎない荷物
モデルハウスでは靴を脱ぐことが多いため、歩きやすさを優先します。
持ち物
- スマートフォン
- メモ帳・筆記用具
- 質問リスト
- メジャー
- 家具・家電の寸法
- 土地資料
- 現在の間取り図
- 希望条件の一覧
- 資金計画のメモ
- エコバッグ
写真撮影は、必ず住宅会社の許可を得てから行いましょう。
21.アンケートはどこまで書くべきですか?
住宅展示場では、氏名、住所、電話番号、年収、建築予定などのアンケートを求められることがあります。
相談に必要な情報を伝えることは有効ですが、まだ情報収集段階なら、そのことを明確に伝えましょう。
- 連絡方法はメールを希望
- 電話可能な時間帯
- 訪問営業は希望しない
- 資料だけ欲しい
- 建築時期は未定
- 土地は探し始めたばかり
個人情報の利用目的も確認します。
詳しい資金相談やローン審査をしない段階で、必要以上の資料を提出する必要はありません。
22.その場で申込みや契約をしない
住宅展示場では、キャンペーン、値引き、土地情報などを提案される場合があります。
本当に期限があるケースもありますが、次の内容を確認せずに契約するのは避けましょう。
- 入居までの総額
- 最終図面
- 標準仕様
- オプション
- 未計上項目
- 住宅性能
- 申込金の返金条件
- 解約条件
- 契約後の変更単価
- 工期
- 保証
初回見学の目的は、その場で会社を決めることではなく、比較に必要な情報を集めることです。
23.「今日だけの値引き」をどう考える?
契約を急がせる提案を受けた場合は、次の点を確認します。
- 値引き期限の理由
- 値引き前の価格
- 仕様が変わらないか
- 未計上工事がないか
- 申込みと工事請負契約の違い
- 申込金の返金条件
- 解約時の費用
数十万円の値引きより、外構、造成、地盤改良などの未計上費用の方が大きくなる可能性があります。
一度持ち帰り、家族で総額を確認しましょう。
24.見学中に見るべき場所
広いLDKやキッチンだけでなく、生活に関わる細かな場所を見ます。
- 玄関収納の奥行き
- 靴を履く場所
- 冷蔵庫と食器棚の距離
- ごみ箱の位置
- 洗濯機・物干し・収納の関係
- トイレの広さ
- コンセント
- スイッチ
- 建具の開閉
- 窓の高さ
- カーテンの納まり
- 収納内部
- 点検口
- 換気フィルター
- 分電盤
- エアコン・室外機
- 給湯設備
設備を隠して見栄えを整えた結果、点検や交換が難しくなっていないかも確認しましょう。
25.見学後すぐに記録する
複数社を見ると、説明内容が混ざります。
見学直後に次の項目を記録しましょう。
| 記録項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名・担当者 | 誰から説明を受けたか |
| 総額 | 何が含まれるか |
| 標準仕様 | 主な設備・性能 |
| 未計上項目 | 外構・地盤など |
| よかった点 | 家族の希望に合う内容 |
| 気になる点 | 不明・説明不足 |
| 宿題 | 次回確認する事項 |
| 印象 | 話しやすさ・具体性 |
| 営業姿勢 | 急かされなかったか |
「おしゃれだった」だけでなく、数値や条件を記録することが大切です。
住宅展示場でよくある見誤り
| 見学時の印象 | 確認すべきこと |
|---|---|
| とても広い | 延床面積と実際の計画面積 |
| 天井が高い | 標準かオプションか |
| 暖かい・涼しい | 空調台数と運転時間 |
| キッチンが豪華 | 商品・グレード・追加費用 |
| 窓が大きく明るい | 夏の日射、耐震、視線 |
| 収納が多い | 通路を除く実収納量 |
| 外観が立派 | 外構を含む総額 |
| 営業担当が親切 | 契約後の設計・施工体制 |
| 長期保証で安心 | 延長条件と有償工事 |
| 坪単価が安い | 含まれない工事と最終総額 |
住宅展示場へ行く前のチェックリスト
- 見学の目的を2~3個決めたか
- 見学先を2~3社へ絞ったか
- 予約したか
- 家族の建築希望時期を確認したか
- 土地の有無と希望地域を整理したか
- 建て替えの場合は既存資料を探したか
- 総予算と月々の返済上限を考えたか
- 建築後に残したい現金を考えたか
- 必要な部屋と駐車台数を整理したか
- 希望を3段階に分けたか
- 現在の住まいの不満を書き出したか
- 家具・家電の寸法を測ったか
- 住宅性能に関する質問を準備したか
- 宮崎の気候対策について質問を用意したか
- 当日の質問担当と記録担当を決めたか
- モデルハウスの広さを確認する準備をしたか
- 標準とオプションを区別して聞くと決めたか
- 初回に契約しないことを家族で共有したか
- 見学後に比較表を記入する予定を立てたか
- 休憩を含む無理のない予定にしたか
デザインハウス宮崎の考え方
デザインハウス宮崎では、初回相談の前にすべてを決めていただく必要はないと考えています。
分からないことが多い状態でも、次の3点が分かれば相談を始められます。
- 家族が困っていること
- どのように暮らしたいか
- 住宅費として無理をしたくない金額
そのうえで、次の内容を一緒に整理します。
- 土地と建物の総予算
- ツーバイフォー工法
- ZEH水準
- 耐震等級3
- 必要に応じた断熱等級6
- 第一種熱交換換気
- 宮崎の日射・湿気・台風対策
- 家具を置いた間取り
- 家事・収納・子育て動線
- 将来1階で生活できる可能性
- 外構・カーポート
- 建築後の家計と修繕
地盤調査、敷地内の水道・電気・ガス引込みなども含めたコミコミ価格を基本に、見た目の建物価格ではなく、完成までに必要な総額を分かりやすくお伝えすることを大切にしています。
まとめ
- 展示場へ行く目的を最初に決める
- 1日2~3社程度に絞る
- 土地・建築時期・総予算を簡単に整理する
- 家族の希望を「必要・希望・不要」に分ける
- 現在の住まいの不満を書き出す
- 家具・家電の寸法を測っておく
- モデルハウスの延床面積を確認する
- 標準仕様とオプションを区別する
- 坪単価ではなく入居までの総額を聞く
- 断熱等級・UA値・C値・耐震等級を質問する
- 宮崎の日射・湿気・台風への対策を確認する
- アンケートには希望する連絡方法を書く
- 初回見学で申込みや契約を急がない
- 値引きより未計上工事を確認する
- 見学後すぐに比較表へ記録する
- 豪華さではなく、自分たちの広さと予算で判断する
結論として、住宅展示場へ行く前には、完璧な間取りを考える必要はありません。総予算、必要な部屋、現在の不満、知りたいことを整理し、見学先を2~3社へ絞るだけでも十分です。宮崎では、モデルハウスのデザインだけでなく、夏の日射、高温多湿、台風への対策と、実際の広さ・標準仕様・入居までの総額を確認しましょう。








