A.外壁・天井・床などの気密層に穴を開け、適切に処理しなければ、C値が悪化する可能性があります。ただし、工事後に正しく気密処理すれば、性能低下を抑えられます。
特に注意したいのは、エアコン配管、給排水管、換気ダクト、電気配線などを後から外部へ通す工事です。
影響しやすい工事
| 工事 | 気密性能への影響 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 室内間仕切りのコンセント追加 | 小さい | 気密層を貫通しなければ影響は限定的 |
| 外壁面のコンセント追加 | あり | 防湿・気密層を破る可能性 |
| エアコンの後付け | 大きくなりやすい | 外壁の配管穴を確実に処理 |
| 換気扇・ダクトの追加 | あり | 外壁・天井との貫通部を処理 |
| 給排水管の追加 | あり | 床・基礎・外壁の穴を処理 |
| 太陽光・アンテナ配線 | 条件による | 屋根・外壁の防水も必要 |
| LAN・防犯カメラ配線 | 条件による | 外壁貫通部に注意 |
| ダウンライトの追加 | あり | 天井の気密層を破る可能性 |
すべてのコンセントが問題になるわけではありません
気密性能へ影響するのは、主に断熱・気密ライン上にあるコンセントです。
影響が小さい場所
- 室内の間仕切り壁
- 収納内部の間仕切り
- 気密層より室内側に設けた配線スペース
注意が必要な場所
- 外壁に面したコンセント
- 最上階の天井
- 1階床
- 基礎部分
- 勾配天井
- 玄関やユニットバス周辺
外壁面へコンセントを追加すると、防湿気密シートに穴を開けることがあります。気密ボックスや専用部材を使い、配線周辺まで処理する必要があります。
エアコンの後付けは特に注意
エアコン配管では、外壁に比較的大きな穴を開けます。配管を通した後の隙間処理が不十分だと、空気だけでなく、雨水や虫が入る原因にもなります。
確認したいポイントは次のとおりです。
- 新築時に専用スリーブを設置しているか
- スリーブと気密層の周囲を処理しているか
- 配管とスリーブの隙間を内外から塞いでいるか
- 外側に向けて適切な水勾配があるか
- 外壁側の防水処理がされているか
- 筋かい・構造用面材・電線を傷つけていないか
発泡ウレタンやパテを外側から詰めるだけでは、気密層と防水層の両方を適切に処理できていない場合があります。
配管工事では床・基礎の穴に注意
給排水管を追加すると、床や基礎を貫通する場合があります。
- 配管と床材の隙間
- 床下から立ち上がる部分
- 基礎を貫通する部分
- キッチン・洗面台の裏側
- トイレや給湯設備周辺
これらを適切に処理しないと、床下の湿った空気や冷気が室内へ入りやすくなります。基礎貫通部では、気密だけでなく防水・防蟻対策も必要です。
気密性能を落とさないための対策
新築時に準備する
将来必要になりそうな設備は、建築時に計画しておくのが最も確実です。
- 各部屋のエアコンスリーブ
- 将来用コンセント
- LAN・テレビ・防犯カメラ配線
- 太陽光発電や蓄電池用配管
- 電気自動車用電源
- 将来のIH・乾燥機用電源
- 給排水設備の予備配管
使用しないスリーブは、気密性を保てる専用キャップで塞いでおきます。
専門業者へ気密仕様を伝える
後付け工事を依頼するときは、最初に「高気密・高断熱住宅である」と伝えます。
住宅の構造や気密層の位置が分からない業者が穴を開けると、断熱材、防湿シート、構造用面材、防水シートを損傷する可能性があります。
可能であれば、建築した住宅会社へ相談するか、図面や施工写真を業者へ見せましょう。
専用部材で補修する
貫通部には、場所と材料に応じて次のような部材を使用します。
- 気密スリーブ
- 配管用気密部材
- 気密テープ
- 気密パッキン
- 専用シーリング材
- 防水テープ
- 気密ボックス
気密用と防水用では、必要な処理や材料が異なります。
工事後に再測定は必要ですか?
コンセントを1か所追加した程度で、毎回気密測定を行う必要は通常ありません。ただし、次のような工事では再測定を検討できます。
- 大規模なリフォーム
- 多数のエアコンや配管を追加した
- 外壁や天井を広範囲に開けた
- 換気設備を変更した
- 工事後に隙間風を感じる
- 気密層が正しく戻されたか不明
- 結露やカビが発生した
測定前のC値と比較できれば、工事による影響を確認できます。
新築時に残したい資料
将来の設備追加に備え、次の資料を保管しましょう。
- 平面図・立面図・設備図
- 気密層と断熱ラインが分かる図面
- 柱や構造用面材の位置
- 断熱工事の施工写真
- 配線・配管の写真
- 気密測定報告書
- エアコンスリーブの位置
- 防水・防蟻処理の記録
壁の中の写真があれば、安全に穴を開ける位置を判断しやすくなります。
デザインハウス宮崎の考え方
デザインハウス宮崎では、完成時のC値だけでなく、将来の設備追加で性能を損なわない計画も重要だと考えています。
2×4工法では外壁の構造用面材や枠組材を傷つけないことも重要です。エアコン、太陽光、蓄電池、電気自動車、防犯カメラなど、将来想定される設備は新築時に配管・配線経路を計画しておくと安心です。
まとめ
- 後付け工事で気密層を破るとC値が悪化する可能性がある
- 室内間仕切りだけの工事なら影響は比較的小さい
- エアコンや換気ダクトの外壁貫通は特に注意する
- 配管工事では気密・防水・防蟻を同時に確認する
- 新築時にスリーブや予備配管を準備する
- 高気密住宅の施工に慣れた業者へ依頼する
- 大規模な工事後は気密測定も検討する
結論として、完成後に穴を開けること自体が問題なのではありません。開けた気密層・断熱層・防水層を、適切な方法で元に戻せるかが重要です。








