A.建ぺい率は「敷地に対して1階部分をどこまで広げられるか」、容積率は「建物全体の延べ床面積をどこまで確保できるか」に影響します。
特に平屋は1階の面積が大きくなるため、容積率よりも建ぺい率が計画を左右しやすくなります。
建ぺい率とは?
建ぺい率は、敷地面積に対する「建築面積」の割合です。簡単にいえば、建物を真上から見たときの広さを制限します。
建築面積の上限=敷地面積×建ぺい率
例えば50坪の土地の場合は、次のようになります。
| 建ぺい率 | 建築面積の上限 |
|---|---|
| 40% | 約20坪 |
| 50% | 約25坪 |
| 60% | 約30坪 |
| 80% | 約40坪 |
建ぺい率60%の50坪の土地なら、計算上は建築面積約30坪までです。
ただし、実際には駐車場、庭、隣地との距離、給湯器、室外機、排水設備なども必要になるため、上限いっぱいまで建てられるとは限りません。
容積率とは?
容積率は、敷地面積に対する「延べ床面積」の割合です。原則として、各階の床面積を合計して計算します。
延べ床面積の上限=敷地面積×容積率
50坪の土地なら、次のようになります。
| 容積率 | 延べ床面積の上限 |
|---|---|
| 80% | 約40坪 |
| 100% | 約50坪 |
| 150% | 約75坪 |
| 200% | 約100坪 |
ただし、指定容積率が200%でも、前面道路が狭い場合は道路幅員による制限を受け、実際の容積率が小さくなることがあります。
平屋と2階建てでは影響が違います
50坪の土地で「建ぺい率40%・容積率80%」の場合を比較します。
平屋の場合
建ぺい率40%により、建築面積は最大約20坪です。平屋は建築面積と床面積がほぼ同じになるため、計算上は約20坪が一つの上限になります。
2階建ての場合
1階約20坪+2階約20坪で、延べ床面積は計算上約40坪まで検討できます。
つまり同じ土地でも、建ぺい率が低い土地では、平屋より2階建てのほうが床面積を確保しやすいということです。
50坪の土地に30坪の平屋は建てられますか?
30坪の平屋を建てる場合、単純計算では次の建ぺい率が必要です。
30坪÷50坪=60%
したがって、建ぺい率60%以上なら計算上は可能性があります。一方、建ぺい率40%なら建築面積の上限は約20坪なので、30坪の平屋は原則として収まりません。
さらに、次のスペースも考える必要があります。
- 駐車場2~3台分
- 建物周囲の通路
- 境界からの離隔
- 軒や庇の張り出し
- エアコン室外機・給湯器
- 雨水・浄化槽設備
- 庭や物干し場
宮崎では車を複数台所有するご家庭が多いため、建ぺい率上は建てられても、駐車しにくい配置になることがあります。
軒やカーポートも建ぺい率に関係しますか?
関係する可能性があります。
一定以上張り出した軒・庇、柱のあるカーポート、物置、ガレージなどは、建築面積や床面積に算入されることがあります。特に、家を建てた後にカーポートや物置を追加すると、建ぺい率を超えてしまう可能性があります。
宮崎では強い日差しや台風対策として深い軒やカーポートを希望されることが多いため、最初から配置計画に含めておくことが大切です。
容積率200%なら必ず土地の2倍まで建てられますか?
必ずしも建てられません。
前面道路の幅員が12m未満の場合、容積率は道路幅員による制限を受けます。住居系用途地域では、一般に次の式で計算します。
前面道路幅員×0.4
例えば、前面道路が4mなら、
4m×0.4=160%
指定容積率が200%でも、道路幅員による160%のほうが厳しいため、適用される容積率は原則160%になります。宮崎市も、指定容積率と道路幅員による容積率を比較し、厳しいほうを適用すると案内しています。宮崎市「都市計画区域内の建築基準法関連規制」
建ぺい率が緩和される場合もあります
一定の条件を満たす角地や、防火地域内の耐火建築物などでは、建ぺい率が緩和されることがあります。
ただし、「角にある土地なら必ず緩和される」とは限りません。道路の種類や幅、接し方、自治体の指定などによって判断されます。
土地購入前に確認したい項目
- 敷地の実測面積
- 建ぺい率・容積率
- 前面道路の幅員
- セットバック後の有効敷地面積
- 用途地域・地区計画
- 高さ制限・斜線制限
- 境界からの外壁後退
- カーポートや物置を含めた建築面積
- 駐車台数と車の出入り
- 平屋・2階建ての配置可能性
特にセットバックが必要な土地では、広告に記載された土地面積ではなく、後退部分を除いた有効敷地面積を使って建ぺい率・容積率を検討する必要があります。
まとめ
建ぺい率は建物の「横への広がり」、容積率は建物全体の「床面積」を決める基準です。
特に宮崎で人気の平屋は、1階部分が広くなるため建ぺい率の影響を強く受けます。土地の坪数だけで判断せず、希望する家、駐車場、カーポート、庭まで配置したうえで購入を判断しましょう。








