A.靴や傘だけでなく、ベビーカー・外遊び用品・アウトドア用品などを玄関にまとめたい家庭には便利です。ただし、すべての家庭に必要とは限りません。
収納する物が靴中心なら、壁面のシューズボックスの方が面積効率に優れることもあります。シューズクロークは広さより、収納物・出入口・棚・換気・におい対策まで考えて計画することが大切です。
シューズクロークとは?
シューズクロークは、玄関に設ける比較的大きな収納です。「シューズインクローゼット」「土間収納」と呼ばれることもあります。
主に次のような物を収納できます。
- 靴・長靴
- 傘・レインコート
- ベビーカー
- 子どもの外遊び用品
- 部活動用品
- ゴルフバッグ
- キャンプ・アウトドア用品
- 防災用品
- 工具・洗車用品
- 宅配用の荷物
- 帽子・上着・バッグ
- 自転車や空気入れ
室内へ持ち込みたくない、汚れや水分のある物をまとめられることが大きなメリットです。
シューズクロークが向いている家庭
次の項目に複数当てはまる場合は、採用するメリットがあります。
- 家族の靴が多い
- ベビーカーを玄関に置きたい
- 子どもの外遊び・部活動用品が多い
- キャンプや釣りなどの趣味がある
- 雨具や濡れた物を室内へ持ち込みたくない
- 防災用品を玄関近くに置きたい
- 来客から玄関収納を見せたくない
- 帰宅後に上着やバッグを収納したい
- 玄関をいつもすっきり見せたい
- 宅配の箱や資源ごみを一時保管したい
一方、持っている靴が少なく、大型用品を屋外物置へ収納できる家庭では、壁面収納だけで十分な場合があります。
シューズクロークが不要な可能性がある家庭
- 夫婦2人などで靴の数が少ない
- ベビーカーや外遊び用品を使わない
- 屋外物置やガレージがある
- 玄関スペースをコンパクトにしたい
- 建築面積と予算を抑えたい
- 壁面シューズボックスで必要量を確保できる
- 収納よりリビングや個室を広くしたい
「人気だから」という理由だけで設置すると、物置になったり、通路部分が無駄になったりすることがあります。
壁面収納との違い
| 比較項目 | シューズクローク | 壁面シューズボックス |
|---|---|---|
| 収納できる物 | 靴から大型用品まで対応 | 主に靴・傘・小物 |
| 必要な面積 | 1~3畳程度が一般的 | 奥行き30~40cm程度から設置可能 |
| 面積効率 | 内部通路が必要 | 通路を玄関と兼用できる |
| 生活感 | 扉を閉めれば隠しやすい | 扉付きなら靴を隠せる |
| ベビーカー | 収納しやすい | 収納しにくい |
| 換気・におい | 内部にこもりやすい | 玄関へにおいが出る場合がある |
| 建築費 | 面積・棚・建具分が増える | 比較的抑えやすい |
| 掃除 | 内部の床も清掃が必要 | 比較的手入れしやすい |
靴だけを収納するなら、通路が不要な壁面収納の方が効率的です。大型用品までまとめるなら、シューズクロークが便利です。
必要な広さの目安
| 広さ | 主な使い方 |
|---|---|
| 0.5~1畳程度 | 靴・傘・小物を中心に収納 |
| 1~1.5畳程度 | 家族の靴+ベビーカーなど |
| 1.5~2畳程度 | 外遊び用品やアウトドア用品も収納 |
| 2~3畳程度 | 大型用品、自転車、趣味用品まで検討 |
| 3畳以上 | ガレージ収納との役割分担を確認 |
家族4人の場合、靴とベビーカー、外遊び用品を収納するなら、1~1.5畳程度から検討できます。
ただし、内部を通り抜けるウォークスルー型にすると通路が必要になるため、同じ収納量でも広い面積が必要です。
ウォークイン型とウォークスルー型の違い
ウォークイン型
玄関側に一つの出入口を設け、中に入って物を出し入れします。
- 収納に使える壁面を確保しやすい
- 来客から中を隠しやすい
- 行き止まりになる
- 奥の物が取り出しにくい場合がある
ウォークスルー型
玄関と室内の両側に出入口を設け、通り抜けられるようにします。「家族用玄関」として使う方法です。
- 靴を脱いで、そのまま室内へ移動できる
- 上着やバッグを収納しやすい
- 来客用と家族用の玄関を分けられる
- 通路と出入口の分だけ収納壁が減る
- 狭いと家族がすれ違いにくい
- 家族が来客用玄関ばかり使い、活用されないこともある
家族用玄関をつくる場合は、毎日の経路として無理がないか確認しましょう。
ウォークスルー型は本当に便利ですか?
便利になるかどうかは、帰宅後の行動によって決まります。
例えば次のような動線なら、活用しやすくなります。
玄関→シューズクローク→手洗い→ファミリークローゼット→LDK
一方、シューズクロークを通ると遠回りになる場合、家族も来客用の玄関から入るようになり、家族用動線が使われなくなる可能性があります。
また、通り抜けを優先すると、収納できる棚の長さが減ります。便利な回遊動線と実際の収納量を比較することが重要です。
靴は何足収納できますか?
収納できる靴の数は、畳数ではなく棚の幅と段数で決まります。
目安として、成人用の靴1足には約20~30cm程度の棚幅が必要です。ただし、靴の種類によって異なります。
- スニーカー
- パンプス
- 革靴
- ハイカットシューズ
- 長靴
- ブーツ
- 子ども靴
可動棚にすると、靴の高さに合わせて調整できます。長靴やブーツ用には、一部に高さのあるスペースを設けましょう。
現在所有している靴の数を家族別に数え、将来増える分を少し加えて計画すると現実的です。
何を収納するか先に決めましょう
図面を決める前に、収納物と必要寸法を確認します。
| 収納する物 | 確認したいこと |
|---|---|
| 靴 | 足数、棚幅、ブーツの高さ |
| ベビーカー | 折り畳み時の幅・奥行き・高さ |
| ゴルフバッグ | 立てて置く高さ |
| キャンプ用品 | ケースの幅と積み重ね方 |
| 子どもの外遊び用品 | 汚れを落とす場所 |
| 雨具 | 濡れたまま掛けるか |
| 防災用品 | 取り出しやすさ、浸水への備え |
| 自転車 | 出入口と回転できる幅 |
| 上着 | 土間側か室内側に収納するか |
何を入れるか決めずに棚を全面へ設置すると、大型用品を置く床がなくなることがあります。
棚は固定と可動、どちらがよいですか?
シューズクロークには、収納物の変化へ対応しやすい可動棚が向いています。
子どもの成長に伴い、靴のサイズや外遊び用品、部活動用品は変化します。可動棚なら高さを調整でき、一部を外して大型用品も収納できます。
ただし、重い工具や飲料、防災用品を置く場合は、棚の耐荷重を確認してください。
使いやすい棚の工夫
- 靴用と大型用品用の場所を分ける
- 棚を床まで設けず、ベビーカー置場を残す
- 長靴やブーツ用の高さを確保する
- 鍵や印鑑を置く小さな棚を設ける
- 上着用のハンガーパイプを設置する
- 棚板を取り外して掃除できるようにする
扉や目隠しは必要ですか?
シューズクロークの内部は、靴や生活用品で雑然としやすいため、玄関から見える位置なら目隠しがあると便利です。
| 方法 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 引き戸 | しっかり隠せる | 引込み側の壁を使いにくい |
| 開き戸 | 比較的密閉しやすい | 開閉スペースが必要 |
| ロールスクリーン | 費用を抑えやすい | におい・湿気を遮りにくい |
| のれん | 簡単に目隠しできる | 見た目や遮蔽性に限界がある |
| 扉なし | 出入りしやすい | 玄関から中が見えやすい |
来客から見えないように入口の向きをずらせば、建具を設けずに隠せる場合もあります。
コンセントは必要ですか?
次の機器を使用する可能性があれば、コンセントを設けておくと便利です。
- 電動自転車のバッテリー
- コードレス掃除機
- 靴乾燥機
- 除湿機
- 防災用品の充電
- 季節の装飾照明
ただし、電動自転車のバッテリーなどを充電する場合は、製品の安全上の注意を守り、周囲に燃えやすい物を置かないようにします。
屋外に近い場所なので、砂や水分がかかりにくい高さと位置も確認しましょう。
宮崎では湿気・におい・台風対策が重要
宮崎では高温多湿の時期が長く、濡れた傘や靴、雨具を収納すると湿気がこもりやすくなります。
湿気とにおいへの対策
- 濡れた物を乾かしてから収納する
- 空気が流れるように物を詰め込みすぎない
- 棚板の奥に通気の余裕を設ける
- 必要に応じて換気設備を設ける
- 除湿機や靴乾燥機用のコンセントを用意する
- 清掃しやすい床・壁材を選ぶ
- 24時間換気の給排気計画を確認する
第一種換気がある住宅でも、閉め切ったシューズクローク内部まで十分に除湿できるとは限りません。換気口や建具の位置、実際の空気の流れを確認しましょう。
台風・豪雨への対策
- 玄関を開けた際に雨が吹き込みにくい庇を設ける
- 濡れた雨具を一時的に掛けられる場所をつくる
- 土間床を水拭きしやすい仕上げにする
- 防災用品をすぐ持ち出せる位置へ置く
- 浸水リスクがある土地では、重要品を床へ直置きしない
- 強風時に飛ばされる屋外用品を収納できるようにする
台風前に植木鉢や屋外用品を避難させられるスペースがあると便利ですが、その分の床面積を事前に確保する必要があります。
シューズクロークで後悔しやすい点
- 通路が多く、靴を置ける棚が少なかった
- 入口が狭く、ベビーカーを入れにくかった
- 自転車を置くと人が通れなくなった
- においや湿気が玄関へ広がった
- 照明が暗く、奥の靴を探しにくい
- コンセントがなく、靴乾燥機を使えない
- 棚を床まで設置し、大型用品を置けなかった
- 家族用玄関が遠回りで使われなくなった
- 収納を優先して玄関そのものが狭くなった
- 物が増え、来客から見える状態になった
間取り決定前のチェックポイント
- 家族の靴は合計何足あるか
- ベビーカーやアウトドア用品を収納するか
- 壁面シューズボックスでは不足するか
- 内部通路を除いた棚の長さは十分か
- 家族用動線は遠回りにならないか
- 来客から収納内部が見えないか
- 大型用品を出し入れできる入口幅があるか
- 棚の高さを変更できるか
- 照明・コンセント・換気は必要か
- 濡れた物を乾かす場所があるか
- 台風前に屋外用品を入れられるか
- 建物を大きくしてまで必要な収納か
デザインハウス宮崎の考え方
デザインハウス宮崎では、シューズクロークを人気設備として一律におすすめするのではなく、家族の持ち物と帰宅後の動きを確認して判断します。
女性スタッフの生活目線から、次のような点を一緒に整理します。
- 家族全員の靴の数
- ベビーカーを使う期間
- 子どもの外遊びや部活動用品
- バッグや上着を置く場所
- 買い物後の荷物の運び方
- 来客時に玄関をすっきり見せられるか
- 濡れた傘や雨具をどう乾かすか
- 宮崎の湿気・豪雨・台風に対応できるか
- 通路に面積を使いすぎていないか
靴が中心なら壁面収納、外用品までまとめたいならシューズクロークというように、建築費と使いやすさのバランスを考えてご提案します。
まとめ
- シューズクロークは、靴以外の外用品も収納したい家庭に便利
- 靴が中心なら壁面収納の方が面積効率に優れる場合がある
- 家族4人なら1~1.5畳程度から検討できる
- ウォークスルー型は便利だが収納壁が減る
- 畳数より棚の長さと大型用品の置き場が重要
- 入口幅・照明・コンセントも確認する
- 宮崎では湿気、におい、台風時の収納を考える
- 人気ではなく、実際に収納する物から必要性を判断する
結論として、シューズクロークが必要かどうかは靴の数ではなく、「玄関に置きたい大型用品がどのくらいあるか」で決まります。収納する物を採寸し、通路を除いた実際の収納量を確認してから採用しましょう。








