A.はい。パントリーは広ければ使いやすいとは限りません。広くしすぎると、通路に面積を取られる、奥の物が見えない、在庫が増える、キッチンやLDKが狭くなるなどの後悔につながることがあります。
大切なのは「何帖あるか」ではなく、何をどのくらい収納し、誰が、いつ取り出すのかです。収納する物を決めてから、必要な棚の幅・奥行き・高さを計画しましょう。
パントリーとは?
パントリーは、食品や飲料、日用品、調理家電などを収納する場所です。
主に次のような物を収納します。
- 常温保存の食品
- 米
- 飲料水
- 調味料
- 缶詰
- レトルト食品
- お菓子
- 非常食
- キッチンペーパー
- ラップや保存袋
- 使用頻度の低い調理家電
- ホットプレート
- カセットコンロ
- ペットボトル
- 防災用品
家庭によって買物の頻度やストック量が異なるため、必要なパントリーの大きさにも違いがあります。
パントリーを広くしすぎて後悔するケース
1.通路のために面積を使ってしまう
ウォークイン型のパントリーでは、人が中へ入るための通路が必要です。
例えば1帖のパントリーをつくっても、中央部分が通路になり、実際に収納できるのは両側や片側の棚だけという場合があります。
- 床面積の割に収納量が少ない
- 収納より通路のほうが広い
- 人がすれ違う必要はないのに幅が広い
- 入口付近にしか物を置かない
- 奥まで入るのが面倒になる
収納量を増やす目的なら、奥行きの浅い壁面収納のほうが効率的なこともあります。
2.キッチンやLDKが狭くなる
パントリーを広くした分だけ、ほかの空間が小さくなる可能性があります。
- キッチン通路が狭くなる
- ダイニングテーブルの周囲を通れない
- リビングが小さくなる
- 洗面・脱衣室が狭くなる
- 冷蔵庫の位置が不自然になる
- 玄関からキッチンへの動線が長くなる
毎日長時間過ごすLDKを狭くしてまで、大きなパントリーが必要かを考えましょう。
3.奥に入れた物を忘れる
パントリーが深すぎたり、棚の奥行きが大きすぎたりすると、手前の物に隠れて在庫が見えなくなります。
- 同じ食品を重複して買う
- 賞味期限が切れる
- 奥の物を取り出せない
- 手前の物だけを使う
- 何があるか分からない
- 食品ロスが増える
食品収納は、一目で在庫を確認できる奥行きにすることが重要です。
4.収納量に合わせて物が増える
収納が広いと、「まだ入るから」と必要以上に買い置きすることがあります。
- 特売品を大量に買う
- 飲料水を必要以上に保管する
- 使用頻度の低い家電が増える
- 紙袋や空き箱をためる
- 防災用品と日用品が混在する
- 使っていない物を処分しなくなる
大きな収納が、物を減らさなくてもよい理由になってしまう場合があります。
5.棚が深すぎて使いにくい
パントリーでは、収納量を増やすために棚を深くしすぎることがあります。
| 収納する物 | 棚の奥行きの目安 |
|---|---|
| 缶詰・調味料・小さな食品 | 約15~25cm |
| レトルト・乾物・食品容器 | 約25~30cm |
| 小型調理家電・食器 | 約30~40cm |
| 大型家電・飲料ケース | 約40~45cm程度を個別検討 |
これは一般的な目安です。実際に収納する物の寸法に合わせて決めます。
小さな食品を奥行き45cmの棚へ入れると、前後二列になり、奥の物が見えにくくなります。
6.棚の間隔が合っていない
棚板の高さが固定されていると、収納する物が変わったときに対応できません。
- ペットボトルが入らない
- 調理家電の上に無駄な空間ができる
- 米びつのふたを開けられない
- 引き出しケースが納まらない
- 非常食の箱を重ねられない
可動棚を採用し、収納する物に合わせて高さを調整できるようにすると便利です。
7.キッチンから遠くて使わなくなる
広いパントリーでも、日常的に使う場所から遠ければ不便です。
- 調理のたびに何度も往復する
- 冷蔵庫との距離が遠い
- キッチンから入口が見えない
- ダイニング側から使いにくい
- 扉を開閉する手間がかかる
- 家族が場所を覚えられない
よく使う調味料や食品はキッチン近く、買い置きや非常食はパントリーというように分ける方法もあります。
8.入口や扉が邪魔になる
パントリーの入口に開き戸を設けると、通路や収納と干渉する場合があります。
- 扉を開けるとキッチン通路をふさぐ
- 棚の物を取り出しにくい
- 冷蔵庫の扉とぶつかる
- 家族同士が衝突する
- 扉の裏側が使えない
引き戸、折れ戸、ロールスクリーン、扉なしなど、見せ方と使いやすさを比較しましょう。
ただし、扉なしの場合はLDKから内部が見える可能性があります。
9.ウォークスルー型で落ち着かない
出入口が二つあるウォークスルー型は、玄関からキッチンへ移動しやすい反面、収納力が下がる場合があります。
- 出入口のために棚を設置できない
- パントリー内が通路になる
- 家族が頻繁に通る
- 物を床へ仮置きできない
- 来客から収納内部が見える
- 冷暖房した空気が流れやすい
- においやほこりが入りやすい
本当に通り抜ける必要があるのか、収納量と比較して判断しましょう。
10.まとめ買いの搬入動線が悪い
食品や飲料を大量に収納するパントリーでは、買物後の動線が重要です。
- 駐車場から玄関まで遠い
- 玄関からパントリーまで曲がり角が多い
- キッチンを横切らないと入れない
- 重い飲料を長い距離運ぶ
- 土間収納と床の段差がある
- 勝手口をほとんど使わない
玄関・駐車場・冷蔵庫・パントリーの位置関係を図面上で確認しましょう。
11.湿気や暑さで食品保存に向かない
パントリーは、場所によって高温多湿になる可能性があります。
特に宮崎では、夏の暑さと梅雨時期の湿気への配慮が必要です。
- 西日が当たる
- 冷蔵庫や調理家電の排熱がこもる
- 換気されない
- 外壁側で温度変化が大きい
- 床下や壁内から湿気の影響を受ける
- 窓を付けたことで日射熱が入る
- 食品を詰め込みすぎて空気が動かない
窓があれば必ず快適になるわけではありません。日射を入れず、換気や空調された室内とのつながりを考えることが重要です。
12.においがこもる
パントリーへ食品、ゴミ、ペット用品などを一緒に収納すると、においがこもる場合があります。
- 玉ねぎや根菜
- 米
- ペットフード
- 生ごみ
- 空き缶やペットボトル
- 防災用食品
- 洗剤や清掃用品
食品とゴミ、洗剤などは収納場所を分けましょう。扉を付ける場合は、換気方法も確認します。
13.冷蔵庫までパントリー内へ入れて後悔する
生活感を隠すため、冷蔵庫をパントリー内へ配置する方法があります。
見た目は整いますが、次の点に注意が必要です。
- 飲み物を取りに行く距離が長い
- 家族が狭いパントリーへ集中する
- 冷蔵庫の排熱がこもる
- 扉の開閉と通路が干渉する
- 冷蔵庫の音が響く
- 買い替え時の搬入が難しい
- 放熱スペースが不足する
冷蔵庫は料理をする人だけでなく、家族全員が使う設備です。隠すことより、使いやすさと放熱を優先しましょう。
14.コンセントが足りない
パントリーに調理家電を収納し、そのまま使用する場合は電源が必要です。
- 電子レンジ
- 炊飯器
- トースター
- 冷凍庫
- ウォーターサーバー
- コーヒーメーカー
- ロボット掃除機
- コードレス掃除機
コンセントの数だけでなく、消費電力、専用回路、蒸気、放熱、使用時の高さを確認します。
収納内部で家電を使う場合は、メーカーの設置条件や火災リスクにも配慮が必要です。
15.照明が暗く、奥の物が見えない
パントリーは窓を付けないことも多く、照明が不足すると棚の奥やラベルが見えません。
- 人の影で棚が暗くなる
- 天井照明だけでは下段が見えない
- スイッチを毎回押すのが面倒
- 消し忘れが起こる
- 黒い内装で暗く感じる
人感センサー照明や明るい内装、棚の配置を検討しましょう。
16.掃除しにくくなる
広いパントリーへ物を詰め込むと、掃除が難しくなります。
- 床に飲料ケースを直接置く
- 棚の奥にほこりがたまる
- 食品の粉が落ちる
- 虫の発生に気づきにくい
- 重い物を動かせない
- ロボット掃除機が入れない
最下段の高さや、床置きする物のためのキャスター付き台を検討すると掃除しやすくなります。
どのくらいの広さが必要ですか?
必要な広さは、家族人数よりも買物と収納の習慣で変わります。
| 暮らし方 | パントリーの考え方 |
|---|---|
| 買物をこまめにする | キッチン近くの壁面収納でも対応しやすい |
| 週1回程度まとめ買いする | 0.5~1帖程度から収納物に合わせて検討 |
| 飲料・食品を多く保管する | 棚の耐荷重と床置き場所を個別に検討 |
| 調理家電が多い | 奥行きとコンセントを家電寸法に合わせる |
| 防災備蓄をまとめて保管する | 食品と日用品を分け、期限管理しやすくする |
| セカンド冷凍庫を置く | 放熱・電源・搬入経路を含めて検討 |
帖数だけで決めず、必要な棚の長さを計算することが重要です。
壁面型とウォークイン型はどちらが使いやすい?
| 比較項目 | 壁面型 | ウォークイン型 |
|---|---|---|
| 面積効率 | 高い | 通路が必要 |
| 在庫の見やすさ | 一覧しやすい | 奥まで入る必要がある |
| 収納量 | 棚の幅による | 複数面へ棚を設けられる |
| 生活感 | 扉で隠しやすい | 室内へまとめて隠せる |
| 大型品 | 収納しにくい場合がある | 床置きしやすい |
| 掃除 | 比較的しやすい | 物が増えると難しくなる |
| 向いている家庭 | 食品を見渡したい | 家電や箱物もまとめたい |
収納量だけを求める場合、奥行きの浅い壁面収納を横に広く取るほうが使いやすいこともあります。
使いやすいパントリーの工夫
収納物を先に一覧化する
新築前に、現在保管している物を書き出します。
- 種類
- 個数
- 寸法
- 重さ
- 使用頻度
- 賞味期限
- 収納したい位置
「いつか使うかもしれない物」は分け、日常的に必要な収納量を確認しましょう。
棚の奥行きを変える
すべて同じ奥行きにせず、収納物に合わせて調整します。
- 上段は軽い物
- 目線の高さはよく使う食品
- 腰の高さは調理家電
- 下段は飲料水や米
- 狭い棚は缶詰や調味料
奥まで見渡せるようにすると、在庫管理がしやすくなります。
可動棚を採用する
収納する物は年月とともに変化します。
棚板の高さを動かせるようにしておけば、食品、家電、防災用品などの変化へ対応できます。
ラベルが見えるようにする
収納ケースをそろえることより、中身と期限を確認できることが大切です。
透明ケース、浅いかご、引き出せるボックスなどを使い、奥の物も取り出せるようにします。
契約前のチェックリスト
- パントリーへ何を収納するか書き出したか
- 現在のストック量を確認したか
- 買物の頻度に合っているか
- 必要な棚の長さを計算したか
- 棚が深すぎないか
- 可動棚になっているか
- 重い飲料や米を安全に置けるか
- 床面積の多くが通路になっていないか
- キッチンやLDKを狭くしていないか
- 冷蔵庫とパントリーが離れすぎていないか
- 玄関・駐車場から搬入しやすいか
- 出入口が二つ必要か
- 扉が冷蔵庫や通路と干渉しないか
- 西日や高温多湿の影響を受けないか
- 換気や空調を確認したか
- 食品とゴミ・洗剤を分けられるか
- 家電用コンセントと専用回路を確認したか
- 冷蔵庫や冷凍庫の放熱スペースがあるか
- 照明で棚の中まで見えるか
- 床や棚を掃除しやすいか
デザインハウス宮崎の考え方
デザインハウス宮崎では、「収納は大きいほどよい」という考えだけでパントリーを広くすることはおすすめしていません。
女性スタッフの生活目線から、次の点を確認します。
- 家族の人数
- 買物の頻度
- まとめ買いの量
- 食品や飲料のストック
- 調理家電の数
- ゴミの分別方法
- 防災備蓄の量
- 駐車場からキッチンまでの動線
- 宮崎の暑さと湿気
- LDKや洗面室との面積配分
大きなウォークイン型をつくる前に、奥行きの浅い壁面収納、カップボード、キッチン本体の収納も含めて比較します。
パントリーの帖数ではなく、必要な物が見渡せて、無理なく取り出せることを大切にしています。
まとめ
- パントリーは広ければ使いやすいとは限らない
- ウォークイン型は通路に面積を使う
- 広くするとキッチンやLDKが狭くなる場合がある
- 深い棚は奥の食品を忘れやすい
- 収納量に合わせて買い置きが増えることがある
- キッチンからの距離が重要
- ウォークスルー型は収納できる壁が減る
- 宮崎では暑さ・湿気・西日へ配慮する
- 食品とゴミ、洗剤は分けて収納する
- 冷蔵庫や家電には放熱と電源が必要
- 帖数より必要な棚の長さで考える
- 壁面収納のほうが効率的な場合もある
結論として、パントリーを広くしすぎると、通路や使わない空間が増え、在庫が見えにくくなるだけでなく、キッチンやLDKを狭くする可能性があります。収納する物と量を先に確認し、必要な棚の長さ・奥行き・高さから逆算することが、使いやすいパントリーをつくるポイントです。








