A.2026年度は、「三世代同居対応の間取りにした」という理由だけで受けられる全国共通の新築補助金は、基本的にありません。
ただし、次の制度を利用できる可能性があります。
- GX志向型住宅など、省エネ性能による新築補助
- 長期優良住宅・ZEH水準住宅の新築補助
- 既存住宅の三世代同居対応リフォームに対する所得税控除
- 長期優良住宅化リフォームにおける三世代同居加算
- 自治体独自の同居・近居・移住支援
新築・建替えと、既存住宅のリフォームでは制度が大きく異なります。
新築・建替えに三世代同居専用の補助金はある?
国の「みらいエコ住宅2026事業」には、三世代同居専用の補助区分や上乗せ加算はありません。
三世代で住む家でも、補助金は主に住宅の省エネ性能と世帯要件で決まります。
宮崎県の多くが該当する地域区分5~8では、次の補助額です。
| 住宅区分 | 補助額 | 主な世帯要件 |
|---|---|---|
| GX志向型住宅 | 110万円 | すべての世帯 |
| 長期優良住宅 | 75万円 | 子育て・若者夫婦世帯 |
| ZEH水準住宅 | 35万円 | 子育て・若者夫婦世帯 |
長期優良住宅・ZEH水準住宅で、要件を満たす古家を取り壊して建て替える場合は20万円の除却加算があります。
三世代同居なら「子育て世帯」になる可能性
例えば、祖父母・親・18歳未満の子どもが同居する場合、建築主や世帯構成などの要件を満たせば、子育て世帯として長期優良住宅・ZEH水準住宅の補助対象になる可能性があります。
ただし、祖父母が建築主で、子世帯と住民票上の世帯や住宅所有関係が異なる場合などは、個別確認が必要です。
一方、祖父母・50代の子夫婦・成人した孫という構成では、三世代同居であっても「子育て世帯」に該当しない可能性があります。
三世代いることではなく、対象年齢の子どもがいるか、夫婦の年齢が要件を満たすかで判定されます。
GX志向型住宅なら世帯年齢を問わない
三世代同居世帯で、子育て世帯の要件を満たさない場合でも、GX志向型住宅なら年齢を問わず対象になります。
主な要件は次のとおりです。
- 断熱等性能等級6以上
- 再生可能エネルギーを除く一次エネルギー消費量を35%以上削減
- 太陽光発電などを含めて原則100%以上削減
- 所定の高度エネルギーマネジメント設備を導入
- 床面積50㎡以上240㎡以下
- 建築主が自ら居住する
- 登録事業者が申請する
- 一定の立地除外区域に該当しない
三世代同居専用の補助ではありませんが、宮崎県で三世代住宅を新築する際に、現実的に検討しやすい制度です。
二世帯住宅なら補助金が2戸分になる?
キッチンや玄関を2つ設けただけで、補助金が自動的に2戸分になるわけではありません。
補助制度上の戸数は、建築確認、登記、住宅性能証明、住戸の独立性などにより判断されます。
二世帯住宅には、主に次の形があります。
| 形式 | 特徴 |
|---|---|
| 完全同居型 | 玄関・キッチン・浴室などを共用 |
| 一部共用型 | 玄関や浴室など一部を共用 |
| 完全分離型 | 各世帯に玄関・キッチン・浴室等がある |
| 区分登記型 | 建物を法律上2つの区分として登記 |
完全分離型でも、必ず2住戸分の補助を受けられるとは限りません。また、区分登記にすると住宅ローン、持分、相続、固定資産税などにも影響します。
補助金を増やすことだけを目的に二世帯住宅の形式を決めるのは避けた方が安全です。
既存住宅の「三世代同居対応リフォーム」には減税がある
新築ではなく、現在の住宅にキッチン・浴室・トイレ・玄関などを増設する場合は、「同居対応リフォーム」の所得税控除を受けられる可能性があります。
主な要件
- 改修する人が住宅を所有し、居住している
- リフォーム後に一定期間内に入居する
- キッチン・浴室・トイレ・玄関のうち、2種類以上がそれぞれ複数になる
- 対象となる同居対応工事を行う
- 標準的な工事費用相当額が50万円を超える
- 床面積が原則40㎡以上
- 合計所得金額が2,000万円以下など
例えば、次のような工事が考えられます。
- 2つ目のキッチンを設ける
- 2つ目の浴室またはシャワー室を設ける
- 2つ目のトイレを設ける
- 2つ目の玄関を設ける
ただし、4種類のうちどれか1つを増やしただけでは要件を満たしません。改修後、少なくとも2種類の設備が複数ある状態にする必要があります。国土交通省「リフォーム促進税制」
同居対応リフォームの控除額
同居対応リフォームでは、標準的な工事費用相当額の10%を所得税から控除します。
10%控除の対象となる工事費用の上限は250万円なので、基本となる最大控除額の目安は次のとおりです。
250万円×10%=25万円
一定の対象工事費やその他の増改築費について、5%控除が加わる場合もあります。実際の控除額は、工事内容、補助金額、標準的な工事費用相当額などで決まります。
シニアは所得税額に注意
これは現金でもらえる補助金ではなく、所得税の税額控除です。
年金収入のみで所得税が少ない場合、計算上25万円の控除額があっても、全額を使い切れない可能性があります。
三世代住宅では、親世帯よりも給与所得がある子世帯を所有者・工事費負担者にした方が控除を使いやすいことがあります。ただし、実際の資金負担と登記持分が異なると贈与税の問題が生じるため、税金だけで名義を決めてはいけません。
過去には三世代同居リフォームの補助加算もある
国の「長期優良住宅化リフォーム推進事業」では、一定の住宅性能向上リフォームと一緒に三世代同居対応改修を行う場合、補助限度額を加算する制度が実施されてきました。
2025年度事業では、主な内容は次のとおりでした。
- 評価基準型など:上限80万円
- 認定長期優良住宅型:上限160万円
- 三世代同居対応改修:上限50万円加算
- 補助率:対象工事費の3分の1
- インスペクションや維持保全計画などが必要
- 施工業者が申請し、施主は直接申請できない
ただし、これは**既存住宅の性能向上リフォームを対象とした制度で、新築・建替えには使えません。**また、年度ごとに募集内容・予算・受付状況が変わります。
2026年度に同様の公募があるかは、契約前に最新情報を確認する必要があります。
宮崎県・宮崎市の三世代同居支援
宮崎市の住生活基本計画では、三世代同居・近居の促進と、国の支援制度の情報提供が施策に位置付けられています。
一方、2026年8月時点では、宮崎市で「三世代同居の間取りにしたこと」だけを理由に建築費を補助する、一般世帯向けの新築制度は確認できません。
ただし、条件によっては次の制度と組み合わせられる可能性があります。
- GX志向型住宅などの省エネ補助
- 古い木造住宅の耐震建替え補助
- 太陽光・蓄電池の県補助
- 公設合併処理浄化槽
- 移住支援
- 空き家改修支援
- 介護保険・障がい福祉の住宅改修
自治体制度は、宮崎市、都城市、延岡市、日南市などで異なります。建替え予定地の市町村へ個別確認が必要です。
三世代住宅で補助金より重要な名義と資金負担
三世代同居では、補助金よりも土地・建物の名義が重要になります。
例えば、親の土地に、親と子が資金を出して建てる場合は、次の関係を整理します。
- 土地の所有者
- 建物の所有者
- 親と子それぞれの資金負担額
- 住宅ローンの債務者
- 建物の登記持分
- 将来の相続人
- 同居を解消した場合の扱い
親が1,000万円、子が2,000万円を負担した建物を子の単独名義にすると、親から子への贈与と判断される可能性があります。
資金負担割合と建物持分を合わせることが基本です。
三世代同居の間取りで確認したいこと
補助金の対象にするために設備を増やしすぎると、建築費や将来の維持費が上がります。
キッチン
- 完全に2カ所必要か
- 親世帯はミニキッチンでよいか
- 将来使わなくなったとき転用できるか
浴室
- 浴室を2つ設ける必要があるか
- 親世帯はシャワー室でよいか
- 給湯器の台数と交換費用
トイレ
- 親世帯の寝室から近いか
- 車椅子や介助スペースを確保できるか
- 夜間に階段を使わず行けるか
玄関
- 完全分離する必要があるか
- 室内で行き来できるか
- 将来一世帯になったとき使いやすいか
結論
三世代同居対応の間取りにするだけで受けられる、全国共通の新築補助金は基本的にありません。
新築・建替えの場合は、次の制度を検討します。
- GX志向型住宅:宮崎県で110万円、年齢・世帯を問わない
- 長期優良住宅:75万円、原則として子育て・若者夫婦世帯
- ZEH水準住宅:35万円、原則として子育て・若者夫婦世帯
- 耐震建替え・太陽光などの自治体補助
一方、既存住宅のリフォームでは、
- キッチン
- 浴室
- トイレ
- 玄関
のうち2種類以上を複数設置するなどの条件を満たすと、三世代同居対応リフォームの所得税控除を利用できる可能性があります。
三世代住宅では、補助金額だけでなく、親子の資金負担、建物持分、相続、将来一世帯になった後の使い方まで含めて計画することが大切です。
※制度内容は2026年8月16日時点です。








