A.現時点ですべての機器を設置しなくても、将来使う可能性があるなら、新築時に配線経路・空配管・電源・分電盤の予備回路を準備しておくことをおすすめします。
住宅完成後に配線を追加すると、壁や天井を開ける、外壁へ露出配線する、駐車場のコンクリートを掘るといった工事が必要になる場合があります。
特に、Wi-Fiアクセスポイント、防犯カメラ、EV充電設備は、機器そのものより「どこへ、どのように配線を通すか」が重要です。
新築時に考えるべき3つの配線
| 設備 | 新築時に準備したいもの |
|---|---|
| Wi-Fi・有線LAN | 通信機器置場、LAN配線、電源、空配管 |
| 防犯カメラ | 設置候補位置までのLAN・電源・空配管 |
| EV充電 | 専用回路、分電盤の容量、配線経路、駐車位置 |
| 将来機器 | 交換可能な空配管、予備回路、点検スペース |
現在使う機器だけでなく、10年後に機器を交換できる計画にすることが大切です。
Wi-Fi編
Wi-Fiは無線なのに配線が必要ですか?
Wi-Fi自体は無線通信ですが、Wi-Fiルーターやアクセスポイントまでは、インターネット回線、LANケーブル、電源が必要です。
1台のルーターを収納の奥へ置くだけでは、家全体に安定して届かない場合があります。
- 2階建て
- 建物が横に長い
- 壁や扉が多い
- 通信機器を金属製収納へ入れる
- テレビやゲームを同時に使う
- 在宅勤務やオンライン会議をする
- 防犯カメラやスマート家電が多い
- 家族が複数の端末を同時に使う
中継機やメッシュWi-Fiで範囲を広げる方法もありますが、設置場所には電源が必要です。メッシュWi-Fiは複数の機器で通信範囲を広げる仕組みです。BUFFALOのメッシュWi-Fi解説
1.ONU・ルーターの置き場所を決めていない
光回線を引き込むと、一般的にONUなどの回線終端装置とルーターを設置します。
設置場所を決めていないと、次の問題が起こります。
- 玄関収納の奥へ押し込む
- 電源が足りない
- LANケーブルが室内へ露出する
- 熱がこもる
- メンテナンスしにくい
- Wi-Fiが家の端まで届かない
- 機器のランプを確認できない
通信機器置場には、電源、放熱、点検スペースを確保しましょう。
2.ルーターを金属製の収納へ入れてしまう
見た目をすっきりさせるために、ルーターを分電盤周辺や金属製収納へ入れると、電波へ影響する可能性があります。
- 扉を閉めると通信が弱くなる
- 家の中央まで届かない
- 機器の熱がこもる
- 再起動や交換が面倒
- ACアダプターが干渉する
隠す場合も、電波、放熱、配線、点検性を優先しましょう。
3.Wi-Fiルーターを家の端へ置いた
光回線の引込みや収納の都合だけで、建物の端へルーターを置くと、反対側の部屋や別階へ届きにくくなる場合があります。
Wi-Fiの使用場所を図面へ表示しましょう。
- LDK
- 寝室
- 子ども部屋
- 書斎
- キッチン
- 庭や駐車場
- 防犯カメラ
- 太陽光・蓄電池機器
- スマート家電
建物の形によっては、各階にアクセスポイントを設ける方法もあります。
4.中継機を置きたい場所にコンセントがない
後から中継機を設置しようとしても、適切な場所に電源がないことがあります。
- 階段ホール
- 2階廊下
- 部屋の中央付近
- 高い棚の上
- 吹抜け周辺
中継機にはコンセント直挿し型と据置き型などがあり、いずれも設置位置が通信範囲に影響します。BUFFALOの中継機解説
5.有線LANを設けず後悔する
すべてをWi-Fiで利用することは可能ですが、固定して使う機器は有線LANが便利な場合があります。
- 在宅勤務用パソコン
- テレビ
- ゲーム機
- NAS
- 防犯カメラ
- 各階のアクセスポイント
- 動画配信を多く利用する場所
例えばNASは、ルーターやアクセスポイントへ有線LANで接続する製品があります。BUFFALOのNAS接続案内
6.LANケーブルを交換できない
通信規格や必要速度は、住宅の寿命より早く変化する可能性があります。
そのため、将来性を考えるなら、壁内へケーブルを固定して交換できない状態にするより、空配管を通してケーブルを交換できる計画が有効です。
- 配管径に余裕があるか
- 曲がりが多すぎないか
- 呼び線が入っているか
- どこからどこへつながるか記録されているか
- 配管の端部へアクセスできるか
「最新のLANケーブルを入れること」だけでなく、「将来引き替えられること」を重視しましょう。
Wi-Fiで新築時に準備したい場所
- 通信回線の引込位置
- ONU・ルーター置場
- 通信機器用コンセント
- LAN配線の集約場所
- 1階アクセスポイント候補
- 2階アクセスポイント候補
- テレビ周辺
- 在宅勤務スペース
- 子ども部屋
- 防犯カメラへの接続経路
- 太陽光・蓄電池などの通信機器
- 将来交換できる空配管
防犯カメラ編
防犯カメラは無線式なら配線不要ですか?
無線式でも、電源が必要な製品があります。また、Wi-Fiの電波状況や録画方法によって使い勝手が変わります。
防犯カメラには、主に次の方式があります。
- Wi-Fi通信+電源配線
- 有線LAN+電源
- LANケーブル1本で通信と給電を行うPoE
- バッテリー式
- 太陽光充電式
- 同軸ケーブルを使う方式
PoE対応機器では、LANケーブル1本でネットワーク接続と給電ができる構成があります。機器ごとの対応規格と配線条件は必ず確認してください。i-PROのPoEカメラ電源ユニット説明書
1.カメラ位置を外構完成後に考えた
防犯カメラは建物だけでなく、外構との関係が重要です。
- 玄関
- 駐車場
- 勝手口
- 庭
- 建物の側面
- 門扉
- 宅配ボックス
- 自転車置場
外構完成後に考えると、カーポート、植栽、門柱などが視界を遮る場合があります。
2.電源だけ設けて通信方法を決めていない
屋外コンセントがあっても、カメラまでコードが露出したり、Wi-Fiが届かなかったりすることがあります。
- 電源はどこから取るか
- LAN配線を使うか
- PoEを使うか
- 録画機はどこへ置くか
- Wi-Fiが屋外まで届くか
- 停電時の運用をどうするか
カメラ本体を決めていない場合は、設置候補位置まで空配管を通す方法があります。
3.Wi-Fiが屋外へ届かない
室内で十分につながっていても、外壁、断熱材、シャッター、金属部材などの影響で、屋外では通信が不安定になる場合があります。
設置前に、実際の通信環境を確認する必要があります。
新築時には、有線LANまたはPoEへ変更できる配線経路を用意しておくと対応しやすくなります。
4.カメラの画角を確認していない
高い位置へ設置すれば広く映りますが、人の顔や車のナンバーを確認しにくくなる場合があります。
- 何を撮影したいのか
- どの方向から人が来るのか
- 夜間に照明があるか
- 逆光にならないか
- 軒や雨樋が映り込まないか
- 植栽が成長して遮らないか
カメラの台数より、目的に合った位置と画角が重要です。
5.台風や横殴りの雨を考えていない
宮崎では、台風、強風、横殴りの雨への対策が必要です。
- 屋外対応製品か
- 軒下であっても雨が当たらないか
- 配線の貫通部を防水できるか
- 風で器具が振動しないか
- 飛来物が当たりにくいか
- 塩害の影響がある地域か
設置位置と固定方法は、製品仕様と施工基準に従って決めましょう。
6.録画機と通信機器の場所がない
カメラだけ設置しても、録画やネットワーク接続のための機器が必要になる場合があります。
- 録画機
- PoE対応機器
- ルーター
- ハードディスク
- モニター
- 無停電電源装置
収納内へ置く場合は、電源、LAN、放熱、作動音、点検性を確認します。
防犯カメラで新築時に準備したいもの
- カメラ設置候補位置
- LANまたは電源の配線経路
- 将来用の空配管
- 外壁貫通部の防水計画
- 録画機・PoE機器の置場
- 通信機器用コンセント
- 屋外照明
- カメラ固定用下地
- 外構完成後の画角
- 点検・交換できる高さ
カメラ機種が未定でも、配管、電源、下地を準備しておけば、後から選択しやすくなります。
EV充電編
現在EVに乗っていなくても準備が必要ですか?
将来EV・PHEVへ乗り換える可能性があるなら、新築時に少なくとも配線経路と分電盤の計画を検討する価値があります。
EV充電設備には、一般の屋外コンセントとは異なる専用回路が必要です。住宅用普通充電器には3kWや6kWなどの選択肢があり、必要な設備構成が異なります。PanasonicのEV充電設備解説
1.一般の100V屋外コンセントで十分だと思っていた
洗車や電動工具用の屋外コンセントと、EV充電用の回路は同じ考え方ではありません。
EV充電設備は、専用回路、対応するブレーカー、配線などを含めて計画します。Panasonicの戸建住宅向け設置ガイド
電気工事は、有資格者による設計・施工が必要です。
2.分電盤に予備回路がない
後からEV充電設備を追加しようとしても、分電盤の回路や容量に余裕がなければ、分電盤や幹線側の工事が必要になる場合があります。
- EV用専用回路
- 漏電保護
- 契約容量
- 主幹容量
- 太陽光・蓄電池との関係
- HEMSとの連携
- 将来の充電出力
EV・PHEV充電回路に対応した住宅分電盤も用意されています。Panasonicの住宅分電盤案内
3.駐車場のコンクリート施工後に配線する
建物から駐車位置まで配線するため、コンクリートの土間を掘削したり、露出配管を設けたりすることがあります。
新築時なら、外構工事前に地中配管を準備できます。
- 建物から充電位置までの空配管
- 将来用の電線経路
- 駐車場のコンクリートとの関係
- 門柱やカーポートとの干渉
- 排水勾配
- 地中配管の端部位置
現在EVに乗っていなくても、空配管だけを先行させる方法があります。
4.車の充電口と設備位置が合わない
EVの充電口は、車種によって位置が異なります。
- 車両前方
- 後方
- 左側
- 右側
さらに、前向き駐車か後ろ向き駐車かでも、必要なケーブル長が変わります。
- どちら向きに駐車するか
- 将来車種が変わっても届くか
- ケーブルが通路を横切らないか
- 2台目にも対応するか
- 充電設備へ車をぶつけないか
充電設備を現在の車だけに合わせすぎないことが大切です。
5.カーポートや外構と干渉する
EV充電設備の位置を後から決めると、次の設備と干渉することがあります。
- カーポートの柱
- 門柱
- フェンス
- 宅配ボックス
- 雨樋
- エアコン室外機
- 給湯器
- 植栽
外構図へ充電器、配管、充電ケーブルの範囲を入れて確認しましょう。
6.充電ケーブルが人の通路を横切る
ケーブルが玄関動線や駐車場内の通路を横切ると、つまずく可能性があります。
- 玄関から車までの通路
- 自転車動線
- 子どもの通路
- 車いす動線
- 来客用駐車場
- 宅配業者の動線
充電設備は、ケーブルを短く、安全に接続できる位置へ設けます。
7.夜間の照明がない
家庭での充電は夜間に行うこともあります。
充電口や操作部を確認できる照明が必要です。Panasonicの設置ガイドでも、充電用コンセント近くの照明が推奨されています。戸建住宅向け設置ガイド
人感センサー照明、防犯カメラ、外灯を一緒に計画すると使いやすくなります。
8.台風・浸水・車両接触を考えていない
宮崎では、強風、豪雨、浸水リスクも確認します。
- ハザードマップ上の浸水リスク
- 雨水がたまりにくい位置
- 車両が接触しにくい位置
- 飛来物の影響
- 充電設備の屋外仕様
- 配管・貫通部の防水
- 停電・復旧時の取扱い
駐車場内の充電スタンドは、車両が接触しにくい位置や防護方法も検討します。
9.太陽光発電や蓄電池と別々に考えた
EV、太陽光、蓄電池、HEMSを将来組み合わせる場合は、分電盤、機器置場、通信配線を含めた計画が必要です。
- 太陽光で発電した電気をどう使うか
- 充電時間
- 契約容量
- 電力使用の制御
- 停電時の利用
- 将来のV2H
- 機器の通信方法
将来V2Hを考える場合は、通常のEVコンセントとは必要設備が異なるため、設計段階で専門業者へ伝えましょう。
今すぐ設置しない場合、どこまで準備する?
| 設備 | 最低限検討したい準備 |
|---|---|
| Wi-Fi | ルーター置場・電源・各階への空配管 |
| 有線LAN | テレビ・書斎・AP候補への配線または空配管 |
| 防犯カメラ | 玄関・駐車場・勝手口への空配管と下地 |
| EV充電 | 分電盤の予備・駐車場への配管経路 |
| V2H | 設置候補位置・分電盤・太陽光等との将来計画 |
空配管は「配管があるだけ」で終わらせず、呼び線、端部、配管経路の記録まで確認しましょう。
空配管を設ければ何でも対応できますか?
空配管があっても、次の条件が悪いとケーブルを通せない場合があります。
- 管径が細い
- 曲がりが多い
- 急角度で曲がっている
- 距離が長い
- 呼び線がない
- 端部が壁の中へ隠れている
- どこにつながっているか分からない
- 水やごみが入っている
将来通すケーブルの種類を想定し、電気・通信の施工業者へ配管径と経路を確認しましょう。
通信線と電源線は同じ配管でよい?
通信線と電源線は、ノイズや安全、施工規定への配慮が必要です。
自己判断で同じ配管へ通さず、電気設計者・施工業者に分離方法を確認してください。
特に防犯カメラやアクセスポイントでは、LAN、PoE、AC電源のどの方式を採用するかを先に整理しましょう。
機器を決める前に確認すること
Wi-Fi
- 住宅の階数と形
- 回線引込位置
- ルーター・ONUの置場
- 各階のアクセスポイント候補
- 有線LANが必要な部屋
- コンセントと放熱
- 将来のケーブル交換
防犯カメラ
- 監視したい場所
- 必要な画角
- 夜間照明
- Wi-Fi・有線LAN・PoEの選択
- 録画機の置場
- 外壁下地と防水
- 台風・塩害への対応
EV充電
- 駐車台数
- 駐車方向
- 充電口の位置
- 充電出力
- 分電盤容量
- 専用回路
- カーポート・外構
- 太陽光・蓄電池・V2Hの将来計画
契約前のチェックリスト
- 光回線の引込位置を決めたか
- ONU・ルーター置場に電源があるか
- 通信機器の熱がこもらないか
- 1階・2階のWi-Fiアクセスポイント候補があるか
- アクセスポイント付近に電源またはPoE配線があるか
- テレビ・書斎・子ども部屋に有線LANが必要か
- LANケーブルを将来交換できるか
- 空配管に呼び線があるか
- 配管経路を図面で保存できるか
- 防犯カメラで撮影したい場所を決めたか
- 玄関・駐車場・勝手口を確認したか
- カメラまで電源・LAN・空配管を準備したか
- 録画機とPoE機器の置場があるか
- 外壁へカメラ固定用下地があるか
- 台風の風雨を受けにくい位置か
- EV用の専用回路を検討したか
- 分電盤に予備回路・容量があるか
- 駐車場のコンクリート施工前に配管できるか
- 充電ケーブルが通路を横切らないか
- 車種変更後も使いやすい位置か
- 夜間照明を設けたか
- 浸水・車両接触リスクを確認したか
- 太陽光・蓄電池・V2Hの将来計画を伝えたか
- 通信線と電源線の配管方法を専門業者へ確認したか
デザインハウス宮崎の考え方
デザインハウス宮崎では、現在使用する設備だけでなく、将来追加する可能性がある設備まで確認します。
女性スタッフの生活目線から、次の点を重視します。
- 家族がどこでスマートフォンやパソコンを使うか
- 在宅勤務や子どものオンライン学習
- テレビ・ゲームの同時使用
- 玄関・駐車場・勝手口の防犯
- 宅配ボックスや外灯との連携
- 将来のEV・PHEVへの乗り換え
- 駐車位置と充電ケーブルの安全性
- 宮崎の台風・豪雨・高温多湿
- 太陽光発電や蓄電池との連携
- 機器を交換しやすい空配管と点検性
完成時に最新機器をすべて導入するのではなく、交換や追加が難しい壁内・地中の配線経路を、新築時に準備しておくことを大切にしています。
まとめ
- Wi-Fiは無線でも、通信機器には電源と配線が必要
- 各階のアクセスポイント候補を決める
- テレビや在宅勤務には有線LANも検討する
- 将来ケーブルを交換できる空配管が有効
- 防犯カメラは電源・通信・録画方法を一緒に決める
- PoEなら対応機器でLANケーブルによる通信と給電が可能
- カメラ位置は外構と画角を含めて考える
- 宮崎では防水・台風・塩害への配慮が必要
- EV充電には専用回路と適切な電気設備が必要
- 駐車場施工前に地中配管を検討する
- 現在の車だけでなく将来の車種変更も考える
- すべて設置しなくても、空配管・予備回路を準備する
結論として、Wi-Fi・防犯カメラ・EV充電設備を新築時にすべて設置する必要はありません。しかし、後から壁や外構を壊さず追加できるよう、通信機器置場、電源、空配管、分電盤の予備、駐車場までの配線経路は新築時に検討しておくことをおすすめします。








