- Q 親の名義の家を子供が資金を出して建替える場合の「贈与税」の注意点
-
A
- Q 「住宅取得資金の贈与税の非課税特例」はシニアから子への贈与でどう使える?
-
A
シニア世代(親・祖父母)が子や孫の住宅取得・建替えを支援する場合、この特例を活用すれば一定額まで贈与税がかからずに資金援助できます。
この特例とは?
親や祖父母(直系尊属)が、
子や孫(直系卑属)に
住宅の新築・取得・建替え・一定の増改築のための資金を贈与した場合、一定額まで贈与税が非課税になる制度です。
非課税になる金額
現在の制度では、
- 省エネ等住宅:最大 1,000万円
- それ以外の住宅:最大 500万円
までが非課税です。
例えば、
建替え費用3,000万円
↓
親が1,000万円援助
↓
要件を満たせば、その1,000万円に贈与税がかからない可能性があります。
シニアの建替えでよくある活用例
ケース① 親が子世帯の建替えを支援
70代の親が、
子ども夫婦の建替え費用として
1,000万円を援助する。
↓
贈与税の負担を抑えながら資金援助できる可能性があります。
ケース② 二世帯住宅
親が資金を援助し、
子ども名義で住宅を建築するケースでも、
要件を満たせば利用できる可能性があります。
注意点① 「親→子」の制度
ここは間違えやすいポイントです。
✅ 親 → 子
→ 利用できる可能性があります。
❌ 子 → 親
→ この特例は利用できません。
例えば、
80歳の親の家を
50歳の子どもがお金を出して建替える場合には、
この特例は使えません。
注意点② お金の使い道が限定される
贈与されたお金は、
住宅取得等のために使う必要があります。
例えば、
- 建替え工事
- 新築工事
- 土地取得(一定要件あり)
- 一定のリフォーム
などが対象です。
一方で、
住宅ローンの返済資金として後から贈与を受けても、この特例は利用できません。
注意点③ 申告が必要
「非課税だから何もしなくていい」
ではありません。
この特例を受けるためには、要件を満たしたうえで贈与税の申告が必要です。
弊社からの一言
例えば、
70代の親が
「退職金で子どもの家を建ててあげたい」
というケースでは、
「住宅取得等資金の贈与税の非課税特例を利用できる可能性があります。建物の名義や資金の流れによって適用可否が変わるため、契約前に確認しましょう。」
- Q 同居して建替える場合「小規模宅地等の特例(80%減税)」を確実に適用させる要件とは?
-
A
このテーマは、シニア世代の建替え・相続対策では非常に重要です。
「同居しているだけ」で80%減税になるわけではありません。
小規模宅地等の特例には細かな要件があり、要件を満たさないと適用を受けられない場合があります。
小規模宅地等の特例とは?
自宅の土地を相続した際、
330㎡までの土地について、相続税評価額を80%減額できる制度です。
例えば、
- 土地評価額:5,000万円
↓
特例適用後
- 評価額:約1,000万円
となり、相続税を大きく軽減できる可能性があります。
同居で適用を受ける主な要件
① 親が亡くなる直前まで同居していること
相続人が、
被相続人(親)と相続開始直前まで同居していたことが基本要件です。
「一時的に住民票だけ移した」ようなケースでは、実態も含めて判断されます。
② 土地を相続すること
同居していても、
土地を相続しなければ
この特例は使えません。
建物だけでは対象になりません。
③ 相続税の申告期限まで所有すること
相続税の申告期限(通常は相続開始から10か月)まで、
土地を保有している必要があります。
④ 配偶者は特に有利
親の配偶者が相続する場合は、
同居要件とは別に適用を受けやすいルールがあります。
一方、
子どもが相続する場合は
同居要件などの確認が重要です。
建替えで注意するポイント
シニアの建替えでは、
親子同居を始めたタイミングが重要になります。
例えば、
亡くなる直前だけ同居を始めても、
実態によっては税務上問題となる可能性があります。
反対に、
建替えを機に生活実態のある親子同居を始めるケースでは、将来の相続対策としても有効になる場合があります。
二世帯住宅でも適用される?
適用される可能性があります。
ただし、
- 居住実態
- 建物・土地の所有関係
- 相続する人
などによって判断されます。
「二世帯住宅だから自動的に対象」というわけではありません。
弊社からの一言
- 建替えは家づくりだけではありません。相続まで見据えて計画すると、大きな節税につながる可能性があります。」
- Q 二世帯住宅に建て替える際、登記方法(区分登記・共有登記)で相続税はどう変わる?
-
A
このテーマは、二世帯住宅を建てる前に必ず検討すべきポイントです。
結論から言うと、
相続税を重視するなら、「区分登記(区分所有登記)」よりも「1棟の建物として登記(親単独または親子共有)」の方が有利になるケースが多くあります。 最大の理由は、小規模宅地等の特例の適用に影響するためです。
登記方法の違い
項目 区分登記(区分所有登記) 共有登記・1棟登記 建物 1階・2階を別々の不動産として登記 建物全体を1つの建物として登記 相続税 特例が使えないケースがある 特例を利用できる可能性が高い 土地評価 高くなりやすい 評価を大きく下げられる可能性 売却 各区分ごとに処分しやすい 共有者全員の同意が必要なことがある 将来 所有権は明確 権利関係が複雑になることもある
相続税はどれくらい変わる?
例えば、
- 土地評価額:5,000万円
- 土地面積:330㎡以内
- 小規模宅地等の特例の要件を満たす
区分登記の場合
区分所有登記がされていると、原則として小規模宅地等の特例を利用できず、土地評価額がそのまま相続税の対象になるケースがあります。
土地評価額:約5,000万円
親単独登記・共有登記の場合
区分所有登記でなければ、要件を満たすことで
土地評価額5,000万円 → 約1,000万円
まで圧縮できる可能性があります(330㎡まで80%減額)。
評価額だけでも4,000万円の差が生じる可能性があり、相続税額に大きく影響します。
共有登記にも注意点
共有登記が常にベストというわけではありません。
例えば、
- 将来売却するときは共有者全員の同意が必要
- 相続が繰り返されると共有者が増えやすい
- 建築費の負担割合と持分割合が一致していないと、贈与税の問題が生じる可能性がある
つまり、相続税だけでなく、将来の管理や売却まで考えて選ぶ必要があります。
建替え前に決めるべき5つのポイント
シニアの二世帯住宅では、設計前に次の5点を整理しておくことが重要です。
- 土地は誰の名義か
- 建物は誰の名義にするか
- 建築費は誰が負担するか
- 建物の持分割合はどうするか
- 将来、誰が土地を相続する予定か
この5つが整理されていないと、相続税だけでなく贈与税や将来のトラブルにつながることがあります。
弊社からの一言
宮崎では、
- 親が土地を所有
- 子が建替え費用を負担
- 二世帯住宅で同居
というケースが非常に多いと思われます。
その場合は、
「間取りを決める前に、登記方法を決めましょう。登記方法ひとつで将来の相続税や贈与税が大きく変わることがあります。」
- Q 古家を解体して更地にした後、年をまたぐと固定資産税が6倍になるって本当?
-
A
「更地にすると固定資産税が6倍になる」という表現は半分正しく、半分誤解です。
正確には、
住宅用地の特例がなくなるため、土地の固定資産税の課税標準が最大で6倍になる可能性があるということです。実際に納める税額が必ず6倍になるとは限りません。
なぜ「6倍」と言われるの?
住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」があります。
土地の種類 固定資産税の課税標準 住宅がある土地(200㎡以下) 評価額の 1/6 更地 評価額そのまま つまり、
住宅を解体すると
1/6の軽減がなくなる
↓
元の評価額に戻るため
最大6倍という言い方になります。
「年をまたぐ」とどうなる?
ここが一番重要です。
固定資産税は
毎年1月1日の状態で決まります。
例えば、
ケース①
- 2026年11月 解体
- 2027年1月1日 更地
↓
2027年度から住宅用地特例が外れ、固定資産税が高くなる可能性があります。
ケース②
- 2027年2月 解体
↓
2027年1月1日時点ではまだ住宅があるため、
2027年度は住宅用地特例が適用されます。
特例が外れる可能性があるのは**翌年度(2028年度)**です。
建替えなら必ず6倍になる?
必ずではありません。
自治体によっては、一定の要件を満たす建替えでは住宅用地特例を継続できる制度や減免制度を設けている場合があります。適用の有無や手続きは自治体ごとに異なります。
宮崎市で建替えするなら
「解体する時期は税金にも影響します。建替えスケジュールを工夫することで、固定資産税の負担を抑えられる場合があります。」
と説明すると、とても喜ばれます。
特に
- 解体時期
- 着工時期
- 完成時期
- 1月1日の状態
を意識した資金計画を立てましょう!
- Q 建替えによって固定資産税の「新築住宅の減額特例」はいつまで適用されるの?
-
A
建替えて新築した住宅も、一定の要件を満たせば「新築住宅の固定資産税の減額特例」の対象になります。
減額される期間は、住宅の種類によって異なります。
住宅の種類 減額期間 減額内容 一般的な戸建住宅 3年間 建物の固定資産税が1/2 3階建て以上の耐火・準耐火住宅(マンション等) 5年間 建物の固定資産税が1/2 認定長期優良住宅(戸建) 5年間 建物の固定資産税が1/2 認定長期優良住宅(マンション等) 7年間 建物の固定資産税が1/2 ※この減額は建物にかかる固定資産税が対象であり、土地には「住宅用地の特例」という別の制度が適用されます。
建替えの場合はいつから数える?
減額期間は、
新しい住宅が完成して固定資産税が課税される年度から始まります。
例えば、
- 2027年8月 建物完成
- 2028年1月1日 新築住宅として評価
- 2028年度 固定資産税の課税開始
この場合、
一般的な戸建住宅なら
- 2028年度
- 2029年度
- 2030年度
の3年間が減額対象となり、2031年度から通常の固定資産税になります。
「4年目に税金が上がった」は誤解
よく
「4年目から固定資産税が上がった」
と言われますが、
実際には
減額特例が終了して、本来の税額に戻っただけです。
新たな増税ではありません。
弊社からの一言
「建替えると新築住宅として固定資産税の軽減を受けられる可能性があります。ただし、軽減は一定期間だけなので、4年目・6年目以降の税額も見据えた資金計画を立てましょう。」
特に認定長期優良住宅の場合は、
- 固定資産税の減額期間が長くなる
- 長期的な維持管理や資産価値の面でもメリットが期待できます。
- Q シニアの建替えに伴う「不動産取得税」の計算方法と軽減措置の申請手続き
-
A
シニアの建替えでも、新築住宅を取得した場合は不動産取得税が課税されることがあります。ただし、多くのケースでは軽減措置を利用できるため、実際の税負担は大きく抑えられます。
不動産取得税とは?
不動産取得税は、
- 土地
- 建物
を取得したときに一度だけ課税される都道府県税です。
毎年かかる固定資産税とは異なります。住宅については、2027年3月31日まで税率は3%(本則4%)に軽減されています。
建替えで課税されるのは?
建替えの場合は、
- 新築した建物 → 不動産取得税の対象
- もともと所有していた土地 → 通常は取得していないため課税対象にならない
というケースが一般的です。
建物の計算方法
建物の不動産取得税は、建築費ではなく固定資産税評価額を基に計算します。
基本式
(固定資産税評価額 − 控除額)× 3%
一定の要件を満たす新築住宅では、
- 一般住宅:1,200万円控除
- 認定長期優良住宅:1,300万円控除(特例)
が適用されます。
例
固定資産税評価額:1,800万円
軽減措置あり
(1,800万円 − 1,200万円)×3%
= 18万円
軽減措置がなければ54万円となるため、大きな差になります。
軽減措置を受ける条件
代表的な要件は次のとおりです。
- 自己居住用住宅であること
- 床面積などの要件を満たすこと
- 所定の期間内に取得・新築していること
また、住宅用地についても一定の条件を満たせば軽減措置があります。
軽減措置の申請手続き
ここは意外と見落とされます。
軽減措置は自動で適用されるとは限りません。
都道府県税事務所から納税通知書が届いた後、または自治体が定める時期までに申請が必要なケースがあります。必要書類は自治体によって多少異なりますが、一般的には次のようなものです。
- 軽減申請書
- 登記事項証明書
- 売買契約書または建築請負契約書
- 建築確認済証や検査済証など
- その他、都道府県が求める書類
提出先は都道府県税事務所です。
シニアの建替えで注意したいポイント
特にシニア世代では、
- 親名義で建替えるのか
- 子どもとの共有名義にするのか
- 二世帯住宅にするのか
によって、
- 不動産取得税
- 贈与税
- 相続税
が相互に影響します。
そのため、
「不動産取得税だけ」を考えるのではなく、名義・資金負担・相続まで含めて設計することが重要です。
弊社からの一言
「建替えでは不動産取得税がかかることがありますが、多くの場合は軽減措置を利用できます。大切なのは、建物の名義や申請手続きを事前に確認し、受けられる優遇制度を漏れなく活用することです。」
- Q 登記費用の内訳と、シニアの建替えにかかる「登録免許税」の軽減措置について
-
A
シニアの建替えでは、「登記費用は100万円近くかかる」と思われている方もいますが、実際には登記の内容によって大きく異なります。
また、登録免許税には住宅用の軽減措置があり、要件を満たせば税負担を抑えられます。
建替えでかかる主な登記費用
登記費用は、大きく分けると次の4つです。
項目 内容 登録免許税 国へ納める税金 司法書士報酬 登記手続きを依頼する費用 土地家屋調査士報酬 建物表題登記などの費用 実費 登記事項証明書・謄本など 建替えでは、司法書士・土地家屋調査士の報酬も含めて数十万円程度になることが多いですが、建物規模や登記内容によって変わります。
建替えで必要になる主な登記
① 建物滅失登記
古家を解体した後、
「建物がなくなりました」
という登記です。
土地家屋調査士へ依頼するケースが一般的です。
② 建物表題登記
新築住宅が完成したら、
建物を登記簿に登録します。
これも土地家屋調査士が行います。
③ 所有権保存登記
「この建物の所有者は誰か」
を登記する手続きです。
ここで登録免許税が発生します。
④ 抵当権設定登記
住宅ローンを利用する場合、
金融機関が抵当権を設定します。
これにも登録免許税がかかります。
登録免許税の軽減措置
一定の要件を満たす住宅なら、
税率が軽減されます。
登記の種類 本則 一般住宅の軽減 所有権保存登記 0.4% 0.15% 抵当権設定登記 0.4% 0.1% さらに認定長期優良住宅では、所有権保存登記が**0.1%**まで軽減されます。軽減措置は現在、令和9年(2027年)3月31日まで適用期限が延長されています。
軽減措置を受ける主な条件
代表的な要件は次のとおりです。
- 自分が住む住宅であること
- 床面積が50㎡以上であること
- 新築または取得後1年以内に登記すること
- 「住宅用家屋証明書」を取得すること
この証明書を添付して登記申請することで、軽減税率の適用を受けられます。
シニアの建替えで注意したいポイント
建替えでは、
- 親名義
- 子名義
- 親子共有
によって、
- 登録免許税
- 贈与税
- 相続税
が相互に影響します。
例えば、
子どもが建築費を負担しているのに建物を親名義にすると、登録免許税だけでなく贈与税も検討が必要になる場合があります。
弊社からの一言
建替え相談では、
「建築費だけでなく、登記費用や税金まで含めた総予算をご提示します。軽減制度も漏れなく活用できるようサポートします。」
「建物本体価格」よりも最終的にいくら必要なのか?が大切です。
- Q 生前贈与で「相続時精算課税制度」を選んで建替えるメリットとデメリット
-
A
のテーマは、シニア世代が子ども世帯の建替えを支援する際によく検討される制度です。
結論から言うと、
相続時精算課税制度は、「建替え資金をまとめて渡したい家庭」には有効な制度ですが、一度選択すると原則として暦年課税に戻れないため、相続まで見据えて判断する必要があります。
相続時精算課税制度とは?
60歳以上の父母・祖父母から、18歳以上の子・孫へ財産を贈与する場合に選択できる制度です。
主な特徴は次のとおりです。
- 累計 2,500万円までの特別控除
- 2024年以降は年間110万円の基礎控除も利用可能
- 2,500万円を超える部分は一律20%の贈与税
- 将来、贈与した財産は原則として相続財産に持ち戻して相続税を計算する仕組みです。
建替えで利用するメリット
① まとまった資金を一度に渡せる
例えば
建替え費用3,000万円
親から2,000万円援助
この場合、
制度を利用すれば贈与時の税負担を大きく抑えながら資金援助できる可能性があります。
② 建替え時に自己資金を増やせる
住宅ローンを減らせるため、
- 毎月返済額を抑えられる
- 高齢の親世帯・子世帯双方の資金計画に余裕が生まれる
というメリットがあります。
③ 将来値上がりする財産なら有利なことも
土地などを贈与した場合は、
贈与時の評価額で相続税計算に持ち戻されます。
将来価値が上がる可能性が高い財産では、有利になるケースがあります。
デメリット
① 一度選ぶと原則変更できない
最も重要なポイントです。
一度、
相続時精算課税を選択すると、
その贈与者については暦年課税へ戻せません。
② 相続税対策にならないこともある
2,500万円までは贈与税がかからなくても、
相続時には原則として相続財産に加算されます。
つまり、
「贈与税がゼロ=相続税もゼロ」
ではありません。
③ 相続税申告が必要になる可能性
相続税が発生する場合は、
過去の贈与も含めて計算する必要があります。
そのため、
贈与時の資料を保管しておくことが大切です。
シニアの建替えで向いているケース
✅ 子ども世帯へ建替え資金をまとめて援助したい
✅ 相続財産が比較的多い
✅ 将来の相続まで含めて資産承継を考えている
このようなケースでは、有力な選択肢になります。
向いていないケース
次のような場合は慎重な検討が必要です。
- 毎年少額ずつ贈与したい
- 暦年課税の柔軟性を残したい
- 相続税が発生するか不明
- 将来の資産状況が大きく変わる可能性がある
弊社からの一言
「建替え資金を一度に援助したい場合は相続時精算課税制度が活用できる可能性があります。ただし、一度選ぶと原則として元に戻せない制度なので、建築だけでなく相続まで見据えて税理士と一緒に検討することをおすすめします。」
- Q 建物名義を子ども、土地名義を親にする場合の「借地権」課税を避ける方法
-
A
このテーマは、親名義の土地に子ども名義の家を建てるケースで非常に重要です。
結論から言うと、
親の土地に子どもが家を建てても、「使用貸借(無償で貸す)」として適切に取り扱えば、通常は借地権の贈与税課税を避けることができます。
ただし、契約の実態によっては借地権が認定され、贈与税の問題が生じる可能性があるため注意が必要です。
よくあるケース
例えば
- 土地:父名義
- 建物:子名義
- 子が建替え費用を負担
このケース自体は珍しくありません。
問題になるのは
「土地をどのような条件で貸しているか」
です。
一番安全なのは「使用貸借」
親子間では、
- 権利金なし
- 通常の地代なし(固定資産税相当額程度までの負担は使用貸借として扱われることがあります)
という使用貸借で土地を貸すケースが一般的です。
この場合、
土地を使う権利(使用権)の価値は税務上ゼロとされるため、
借地権の贈与税は通常課税されません。
地代を取ると注意
例えば、
毎月5万円
毎月8万円
など、
通常の借地料を受け取ると
使用貸借ではなく
賃貸借
と判断される可能性があります。
すると、
地域によっては
「借地権」が発生し、
権利金を授受していない場合でも税務上の問題が生じることがあります。
親子間で気を付けたいポイント
① 土地は親名義のまま
↓
建物だけ子名義
↓
使用貸借契約
これはよくある形です。
② 地代を取らない
または
固定資産税相当額程度までにとどめる
↓
使用貸借として扱われやすくなります。
③ 建築費は子どもが負担
↓
建物も子ども名義
↓
資金負担と名義を一致させる
これにより、建物についての贈与税リスクも抑えやすくなります。
相続時はどうなる?
使用貸借の場合、
土地は
親の財産
のままです。
そのため、
親が亡くなれば
土地は相続財産になります。
また、使用貸借されている土地は相続税評価上「自用地」として評価されるのが原則で、賃貸している土地(貸宅地)のような評価減は受けられません。
弊社からの一言
宮崎では、
- 親が土地を所有
- 子どもが建替え費用を負担
というケースが非常に多いと思われます。
その際は、
「土地は親名義、建物は子名義でも問題ないケースは多くあります。ただし、土地の貸し方や名義の決め方を誤ると、贈与税や相続税に影響することがありますので、建築前に税理士・司法書士も交えて確認しましょう。」
- Q 将来、家を相続する子どもが複数いる場合の「遺産分割」トラブル防止策
-
A
このテーマは、シニアの建替え相談で必ず話しておきたい内容です。
結論から言うと、
「家は長男に」「預金は他の子に」という口約束だけでは、相続トラブルは防げません。
建替えを機に、遺言書・家族での話し合い・財産の見える化を進めることが、最も効果的な対策です。
なぜトラブルになるの?
住宅は
分けられない財産
です。
例えば
父が亡くなり
財産が
- 土地・建物 4,000万円
- 預金 300万円
子ども3人
この場合
家を長男が相続すると
他の兄弟との公平性が問題になります。
一番多いトラブル
例えば
親は
「長男が同居しているから家は長男」
と思っていても
他の兄弟は
「財産を独り占めした」
と感じることがあります。
実際、
相続争いは
資産家だけではありません。
相続財産が数千万円規模でも起こっています。
建替え前にできる対策
① 遺言書を作成する
最も効果があります。
誰に
何を
相続させるか
明確になります。
ただし、
遺留分(一定の相続人に保障された最低限の取り分)への配慮も必要です。
② 家族会議を開く
建替え前に
子ども全員へ
説明しておくことが重要です。
後から知るより
事前説明の方が
トラブルは少なくなります。
③ 財産を一覧にする
例えば
- 自宅
- 預金
- 保険
- 土地
- 株式
など
全体を見える化します。
④ 生命保険を活用する
例えば
家は長男
生命保険は次男・長女
このように
バランスを取る方法もあります。
⑤ 共有名義は慎重に
兄弟3人共有
↓
一見公平に見えます。
しかし
将来
売却
建替え
賃貸
すべて
全員の同意が必要になります。
そのため
共有名義は慎重に判断した方がよいケースが多くあります。
シニアの建替えで重要なこと
建替えすると
家の価値が上がります。
つまり
相続財産も変わります。
だからこそ
建築前から
相続を考える必要があります。
弊社からの一言
建替え相談では
必ず
「将来、この家は誰が住み続ける予定ですか?」
とお聞きしています。
その答えによって
- 名義
- ローン
- 相続
- 二世帯住宅の設計
すべて変わって来るからです。
- Q 夫婦の共同出資で建て替える際、持分割合を間違えると贈与税がかかる?
-
A
このテーマは、シニア夫婦の建替えで最も多い税務トラブルの一つです。
結論から言うと、
はい、夫婦の共同出資で建替える場合でも、「実際に負担した金額」と「登記上の持分割合」が一致していないと、贈与税が課税される可能性があります。
・なぜ贈与税がかかるの?
税務上は、
「お金を出した割合=所有権(持分)の割合」
が原則です。
例えば、
建替え費用4,000万円
- 夫が3,000万円負担
- 妻が1,000万円負担
であるにもかかわらず、
登記を夫50%・妻50%
とすると、
妻は本来1,000万円分しか負担していないのに、2,000万円分の持分を取得したことになります。
この差額1,000万円は、税務上「夫から妻への贈与」と判断される可能性があります。
・正しい持分割合は?
上記の例なら、
出資額 持分割合 夫3,000万円 3/4(75%) 妻1,000万円 1/4(25%) このように、
出資割合と登記割合を一致させれば、通常は贈与税の問題は生じません。
・ローンを利用する条件は?
持分は現金だけでは決まりません。
例えば、
- 夫:自己資金500万円+住宅ローン2,000万円
- 妻:自己資金500万円+住宅ローン1,000万円
なら、
実際にそれぞれが負担する総額
で持分を計算します。
つまり、
- 夫:2,500万円
- 妻:1,500万円
合計4,000万円
↓
持分は
- 夫 5/8
- 妻 3/8
となります。
・シニア夫婦に多いケース
例えば、
夫70歳
妻68歳
夫が退職金2,000万円を出し、
妻は資金を出していない。
それでも
「夫婦だから半分ずつで登記しよう」
とすると、
妻への贈与とみなされる可能性があります。
・婚姻20年以上なら特例もある
婚姻期間が20年以上の夫婦には、
一定の要件を満たせば**居住用不動産の配偶者控除(いわゆる「おしどり贈与」)**を利用できる場合があります。
この特例では、
- 基礎控除110万円に加え
- 最大2,000万円までの配偶者控除が認められます。
ただし、一生に一度しか使えず、適用要件もあるため、「持分を半分にしたいから」という理由だけで利用するのではなく、相続対策も含めて検討することが大切です。
・弊社からの一言
シニア夫婦には、
「持分は『夫婦だから半分』ではなく、『実際に負担した金額』で決めるのが基本です。登記をする前に持分を確認しておくことで、思わぬ贈与税を防げます。」
- Q 建替え後の固定資産税が「前の古い家」と比べてどのくらい高くなるかの目安
-
A
- Q 「配偶者居住権」を設定した家を建て替えることは可能か?
-
A
結論から言うと、
可能です。
ただし、
配偶者居住権が設定されている家を勝手に解体・建替えることはできません。
建物の所有者の承諾が必要であり、さらに建替え方法によっては配偶者居住権そのものや税金に影響するため、慎重な手続きが必要です。
そもそも配偶者居住権とは?
例えば、
父が亡くなり
- 母:配偶者居住権(住み続ける権利)
- 子:建物の所有権
という形で相続したケースです。
この制度により、
配偶者は所有者でなくても、その家に住み続けることができます。
建替えはできる?
できます。
ただし、
建替えは法律上「増改築」にあたるため、
建物所有者(多くは子ども)の承諾が必要です。
例えば
母が
「古くなったから建て替えたい」
と思っても、
子どもの同意なく進めることはできません。
建替えで注意すべきポイント
① 配偶者だけでは決められない
配偶者居住権は
「住む権利」であって、
建物を自由に処分できる権利ではありません。
そのため
- 解体
- 建替え
- 大規模改修
は所有者との協議が必要です。
② 建替え後も居住権をどう扱うか確認する
建物を解体すると、
従前の建物を前提とした配偶者居住権との関係を整理する必要があります。
建替え後も住み続ける予定であれば、
権利関係をどうするかを事前に司法書士や弁護士などの専門家と確認しておくことが重要です。
③ 合意解除には税金が関係することも
建替えのために
配偶者居住権を途中で放棄・合意解除する場合、
状況によっては贈与税や譲渡所得税の問題が生じる可能性があります。
一方で、
配偶者の死亡や存続期間満了による通常の消滅では、原則として新たな相続税・贈与税は生じません。
シニアの建替えでおすすめの進め方
建替え前に次の5点を確認しましょう。
✅ 配偶者居住権が登記されているか
✅ 建物の所有者は誰か
✅ 土地の所有者は誰か
✅ 建替え後も配偶者が住み続ける予定か
✅ 権利関係をどう整理するか
「配偶者居住権が設定されている家でも建替えは可能です。ただし、所有者の承諾や権利関係の整理が必要になりますので、設計を始める前に司法書士や税理士と一緒に確認しましょう。」
- Q 相続対策として「あえて借入をして建替える」手法の有効性とリスク
-
A
このテーマは、資産を多くお持ちのシニアのお客様からよく相談される内容です。
結論から言うと、
相続対策として、あえて住宅ローンを利用して建替える方法は、有効になる場合があります。
しかし、
「借りれば必ず相続税が下がる」というわけではありません。
相続税・返済能力・老後資金を総合的に考えて判断することが重要です。
なぜ借入が相続対策になるの?
相続税は
亡くなった時点の「純資産(財産-債務)」
に対して課税されます。
例えば
現金
8,000万円
土地
3,000万円
合計
1億1,000万円
↓
住宅ローン
2,000万円
残っていた場合
相続財産は
9,000万円
として計算されます。
つまり
借入金は相続財産から控除できます。(nta.go.jp)
建替えでさらに有利になる理由
現金は
そのまま
100%評価
されます。
一方
住宅は
- 建物:固定資産税評価額
- 土地:相続税評価額(路線価等)
で評価されるため、
一般的には
現金より評価額が低くなります。
つまり
現金を住宅へ変えることで
相続税評価額を抑えられる場合があります。
具体例
例えば
現金
5,000万円
↓
3,000万円で建替え
↓
現金2,000万円
住宅3,000万円
ただし
住宅の相続税評価額は
建築費より低くなることが多いため
相続税評価額は
例えば
2,100万円
になるケースもあります。
さらに
住宅ローン
1,500万円
残っていれば
債務控除も受けられます。
メリット
✅ 相続財産を圧縮できる可能性
✅ 現金より評価額が低くなることが多い
✅ 債務控除を利用できる
✅ 新しい住宅で生活の質も向上
リスク・注意点
① 返済が続く
相続対策だけを目的に、
無理な借入をすると
老後の生活資金を圧迫する恐れがあります。
② 金利負担
借入には
利息が発生します。
節税額より
利息の方が大きければ
本末転倒になります。
③ 相続税がかからない人には効果が薄い
相続税には
基礎控除があります。
3,000万円+600万円×法定相続人の数
以下であれば
相続税が発生しないケースもあります。
その場合は
節税メリットは限定的です。(nta.go.jp)
④ 借入できるとは限らない
シニアの場合は
- 年齢
- 年金収入
- 健康状態
などで
借入額が制限されることもあります。
シニアに向いているケース
次のような方は検討する価値があります。
- 相続税が発生する見込みがある
- 現預金が多い
- 建替えを予定している
- 無理なく返済できる収入や資産がある
一方で、
相続税が発生しない見込みの方や、返済によって老後資金が不足する可能性がある方は、慎重な検討が必要です。
「住宅ローンは『借金』というイメージがありますが、ご家庭によっては相続対策や老後資金を残す手段として活用できることもあります。ただし、節税だけを目的にするのではなく、返済や生活設計も含めて判断することが大切です。」 - Q 10年以内に家が再相続される可能性がある場合の「相似相続控除」とは?
-
A
このテーマは、シニア世代の建替えと相続対策を考えるうえで非常に重要です。
結論から言うと、
10年以内に相続が続く可能性がある場合は、「相次相続控除(そうじそうぞくこうじょ)」を利用することで、2回目の相続税を軽減できる可能性があります。
例えば、
- 父が亡くなり相続税を納付
- 数年後に母が亡くなり再び相続
このようなケースで活用される制度です。
相次相続控除とは?
短期間に同じ財産へ何度も相続税が課税されることを緩和するための制度です。
前回の相続から10年以内に再び相続が発生した場合、
前回納めた相続税の一部を、今回の相続税から控除できます。
適用される主な条件
次の要件を満たす必要があります。
✅ 今回の被相続人が、前回の相続で財産を取得していること
✅ 前回の相続開始から今回の相続開始までが10年以内であること
✅ 前回の相続で、今回の被相続人に実際に相続税が課税されていること
この最後の条件が重要です。
例えば、
父が亡くなった際、
母が財産を相続しても
配偶者の税額軽減によって相続税が0円だった場合、
その後母が亡くなっても、相次相続控除は利用できません。
控除額はどう決まる?
控除額は一律ではありません。
国税庁の計算式に基づき、
- 前回納めた相続税額
- 前回取得した財産額
- 今回取得する財産額
- 前回から経過した年数
などを使って計算します。
また、
前回の相続から1年経過するごとに控除額は10%ずつ減少します。
例えば、
- 2年後なら約80%相当
- 5年後なら約50%相当
- 9年後なら約10%相当
が目安となり、10年を超えると適用はありません。
シニアの建替えで関係するケース
例えば、
父80歳
母78歳
建替え後
父が亡くなる
↓
母が自宅を相続
↓
5年後に母も亡くなる
このようなケースでは、
相続税の状況によっては
相次相続控除を利用できる可能性があります。
そのため、
建替え時には
- 建物名義
- 土地名義
- 相続順序
- 配偶者の取得割合
まで考えておくことが大切です。
「ご夫婦とも高齢の場合は、10年以内に二度相続が発生する可能性もあります。建替えは家づくりだけでなく、二次相続まで見据えた名義や資金計画を考えることが大切です。」
- Q 空き家を放置して建替える場合と、すぐ建て替える場合の税制上の違い
-
A
このテーマは、建替えを検討しているシニアの方にとって数十万円単位で税負担が変わる可能性がある重要なポイントです。
結論から言うと、
建替えを前提としているなら、「空き家のまま長期間放置する」よりも、計画的に早めに建替える方が税制上も有利なケースが多いです。
その理由は、固定資産税の特例や空き家対策制度に影響するためです。
比較すると違いは?
比較項目 空き家を放置 すぐ建替え 住宅用地特例 維持される場合もあるが、管理状態による 建替え後も住宅用地として継続しやすい 固定資産税 管理不全になると増税リスク 新築後は住宅用地特例を受けやすい 新築住宅の固定資産税軽減 受けられない 建物の固定資産税が一定期間1/2 老朽化リスク 年々高まる 解消できる 資産価値 下がりやすい 向上しやすい
空き家を放置するとどうなる?
① 管理不全空家・特定空家のリスク
建物が傷み、
- 倒壊のおそれ
- 衛生上の問題
- 景観悪化
などがあると、
自治体から**「管理不全空家」や「特定空家」**として勧告を受けることがあります。
この勧告を受けると、
住宅用地特例が解除され、
土地の固定資産税が大幅に増える可能性があります。
② 建物の価値は下がり続ける
空き家は住まなくても
- 雨漏り
- シロアリ
- 設備劣化
が進み、
建替え時の解体費が増えるケースもあります。
すぐ建替えるメリット
① 新築住宅の固定資産税軽減
建替え後は、
一定の要件を満たせば
一般戸建住宅は
3年間
建物の固定資産税が
2分の1
になります。
認定長期優良住宅なら
5年間
軽減されます。
② 住宅用地特例を維持しやすい
住宅が建っている土地には
住宅用地特例があります。
建替えを計画的に進めることで、
税負担を抑えられるケースがあります。
③ 修繕費を抑えられる
古家を数年間維持すると
- 屋根補修
- 雑草管理
- 防犯対策
など
毎年維持費が発生します。
更地にして放置は注意
一番注意したいのは
解体だけして建替えを先延ばしにすることです。
例えば
2026年11月
解体
↓
2027年1月1日
更地
↓
住宅用地特例が外れ、
翌年度から固定資産税が高くなる可能性があります。
シニアの建替えでおすすめの考え方
建替えを予定しているなら、
「壊してから考える」のではなく、「建替え計画を立ててから解体する」
これが税金面でも資金面でも安心です。
特に
- 解体時期
- 着工時期
- 1月1日の状態
は固定資産税に影響するため、
スケジュール管理が重要です。
「空き家を長く放置すると、管理状態によっては固定資産税の優遇が受けられなくなる可能性があります。建替えをお考えなら、税金も含めた最適なタイミングをご提案します。」
- Q 建替え時の契約書にかかる「印紙税」の軽減措置
-
A
建替えでは、意外と見落とされがちなのが工事請負契約書にかかる印紙税です。
結論から言うと、
住宅の建替えで締結する建設工事請負契約書には印紙税がかかりますが、現在は軽減措置が適用されており、印紙税額が通常より低くなっています。この軽減措置は2027年(令和9年)3月31日までに作成される契約書が対象です。
印紙税とは?
印紙税とは、
契約書などの一定の文書を作成したときに課税される税金です。
建替えでは、
建設工事請負契約書
に収入印紙を貼付して納税します。
軽減措置の対象
次の条件を満たす契約書が対象です。
- 建設工事請負契約書であること
- 契約金額が100万円を超えること
- 2027年3月31日までに作成されること
軽減後の印紙税額(主な金額)
契約金額 軽減後の印紙税 500万円超~1,000万円以下 5,000円 1,000万円超~5,000万円以下 1万円 5,000万円超~1億円以下 3万円 1億円超~5億円以下 6万円 例えば、
建替え工事3,000万円
なら、
通常2万円のところ、
軽減措置により1万円です。
変更契約書も対象になる?
はい。
例えば、
- 工事金額の変更
- オプション追加
- 工期変更
などで作成する変更契約書や追加契約書も、要件を満たせば軽減措置の対象になります。
住宅ローン契約書は別
よく勘違いされますが、
住宅ローン(金銭消費貸借契約書)の印紙税には、この軽減措置はありません。
工事請負契約書だけが対象です。
電子契約なら印紙税は?
近年は電子契約を導入する住宅会社も増えています。
電子契約は印紙税法上の課税文書を作成しないため、原則として印紙税はかかりません。
そのため、高額な建替え工事では電子契約を採用することで印紙税を節約できるケースもあります。
シニアの建替えで知っておきたいポイント
建替えでは、
- 印紙税
- 登録免許税
- 不動産取得税
- 固定資産税
など、工事費以外の諸費用も発生します。
印紙税そのものは数千円〜数万円程度ですが、諸費用全体を資金計画に含めておくことが大切です。
「建替えでは契約書に印紙税がかかりますが、現在は軽減措置があり、多くの住宅では通常より少ない税額です。契約時に必要な税金や登記費用まで含めて、総予算をご案内します。」 - Q 認知症発症後の資産凍結を防ぐ「家族委託」を活用した建替えスキーム
-
A
このテーマは、シニアの建替えでは非常に重要です。
結論から言うと、
認知症による資産凍結を防ぐ方法として活用されるのは、「家族委託」ではなく「家族信託(民事信託)」です。
家族信託を適切に設定しておけば、親が認知症になった後でも、受託者となった子どもが契約や建替え手続きを進められる可能性があります。(法務省)
なぜ認知症になると建替えできなくなるの?
建替えには、
- 解体契約
- 建築請負契約
- 住宅ローン契約
- 売買契約(必要な場合)
など、多くの法律行為が必要です。
しかし、認知症によって契約内容を理解・判断する能力がないと判断されると、本人だけでは有効に契約できなくなる可能性があります。これが「資産凍結」と呼ばれる状況です。(法務省)
家族信託とは?
家族信託は、
親が元気なうちに、
財産の管理・運用・処分を信頼できる家族へ託す仕組みです。
例えば、
- 委託者:父
- 受託者:長男
- 受益者:父
という形で契約します。
土地や建物を信託財産にしておけば、受託者である長男が、信託契約で定められた範囲内で建替えなどの手続きを進められる場合があります。(法務省)
建替えでの活用例
例えば、
- 父82歳
- 母79歳
- 子ども2人
「数年以内に建替えたいが、父の物忘れが増えてきた」
というケースでは、
建替え前に家族信託を設定しておけば、
将来、父が認知症になっても、受託者が信託契約の内容に従って建替えを進められる可能性があります。
家族信託のメリット
① 認知症による資産凍結を防ぎやすい
建替えや修繕、賃貸、売却などを継続できる可能性があります。
② 成年後見制度より柔軟
信託契約の内容を工夫することで、
- 建替え
- 不動産の管理
- 家賃の管理
などを事前に定めることができます。
③ 建替えと相続対策を一緒に考えられる
信託契約では、
誰が財産を管理し、
将来誰が引き継ぐかまで設計できます。
注意点・デメリット
① 認知症になってからでは遅い
家族信託は、
本人に契約能力があるうちに締結する必要があります。
認知症が進行してからでは契約できない可能性があります。
② 専門家による設計が必要
信託契約書の内容によって、
建替えができるかどうかが変わります。
司法書士・弁護士・税理士などの専門家と設計することが重要です。
③ 相続税がなくなる制度ではない
家族信託は、
相続税をなくす制度ではありません。
主な目的は、
- 財産管理
- 資産凍結の防止
- 円滑な資産承継
です。
税金対策とは分けて考える必要があります。
成年後見制度との違い
項目 家族信託 成年後見制度 開始時期 判断能力があるうち 判断能力が低下した後 建替え・売却 契約内容に沿って進めやすい 家庭裁判所の関与が必要になる場合がある 柔軟性 高い 比較的限定的 主な目的 財産管理・承継 本人保護
「もし将来認知症になった場合、この土地の建替えや売却を誰が進められるでしょうか。元気なうちに家族信託という方法を検討しておくと、建替え計画が途中で止まるリスクを減らせる場合があります。」
- Q 税務署から届く「お買い上げ(資産の取得価格)のお尋ね」への正しい回答方法
-
A
このテーマは、建替え後のお客様が不安になりやすい内容です。
結論から言うと、
「お買い上げ(資産の取得価格)のお尋ね」は税務調査ではありません。
これは、税務署が将来その不動産を売却した際の譲渡所得税を正しく計算するために、取得価格などを確認する目的で送付する照会文書です。法的な回答義務はありませんが、正確に回答しておくことをおすすめします。 (nta.go.jp)
「お尋ね」とは?
住宅を新築・購入・建替えした後に、
税務署から
「資産の取得価格のお尋ね」
という書類が届くことがあります。
「税務署から手紙が来た!」
と驚かれる方も多いですが、
通常は税務調査の通知ではありません。
なぜ送られてくるの?
将来、
例えば20年後に家を売却した場合、
税務署は
「その家はいくらで取得したのですか?」
という情報が必要になります。
そのため、
建築した時点で
- 建築費
- 土地代
- 諸費用
などを確認しておく目的があります。
回答するときに記載する主な内容
一般的には、
- 建物の建築費
- 土地の取得費
- 建築請負金額
- 仲介手数料
- 登記費用
- 不動産取得税(取得費に含められる場合があります)
- 印紙税
- 測量費
- その他取得に直接要した費用
などを記載します。
添付しておくとよい資料
できれば、
次の資料を保管し、
必要に応じて確認しながら回答します。
✅ 工事請負契約書
✅ 見積書
✅ 領収書
✅ 登記関係書類
✅ 不動産取得税の納税通知書
✅ 住宅ローン契約書
これらは、
将来売却する際にも重要になります。
分からない場合は?
例えば
築40年後
建築費が分からない
という方も少なくありません。
その場合は
分かる範囲で記載し、
資料がない旨を説明することになります。
推測で金額を書くことは避けましょう。
建替えのお客様へ伝えたいこと
建替え後は
契約書や領収書を
絶対に捨てないこと
これが一番重要です。
将来
売却
相続
税務申告
すべてで使います。
「建替え後に税務署から『お尋ね』が届くことがありますが、多くは取得価格を確認するための書類です。工事契約書や領収書は、将来の売却や相続でも役立つので、大切に保管してください。」








