こんにちは。
デザインハウス宮崎の町田です。
私は東京で生まれ、38歳まで東京で暮らしました。
その後、夫の転勤をきっかけに札幌へ移り、約20年間、北海道で住宅販売の仕事に携わりました。
そして8年前、父の故郷である宮崎へ移住。6年前に建設業を立ち上げ、現在は宮崎で家づくりに取り組んでいます。
東京、札幌、宮崎。
気候も住宅事情も大きく異なる3つの地域で暮らしたことで、私は「快適な家」について考えるようになりました。
そこで気づいたのは、快適な家は単に暖かい家や涼しい家ではないということです。
東京で感じた、都市部の家づくり
東京では、土地の広さや周囲の建物との距離に制約があることも多く、限られた敷地を有効に使う工夫が求められます。
3階建てや狭小住宅も珍しくなく、家の広さだけでなく、採光や風通し、収納、生活動線などを細かく考える必要があります。
一方で、夏は気温と湿度が高く、夜になっても暑さが残ります。冬には冷たい風が吹き、家の中で足元の寒さを感じることもあります。
東京で暮らして感じたのは、
広さが限られていても、間取りや光の取り入れ方によって、暮らしやすさは大きく変わる
ということでした。
家は単に広ければ快適になるのではありません。
必要な場所に必要な広さがあり、家事や生活の動線が整っていることが大切です。
札幌で学んだ、住宅性能の大切さ
札幌の冬は厳しく、外気温が氷点下になることも珍しくありません。
そのため北海道の家づくりでは、断熱・気密・窓・暖房・換気を一つの仕組みとして考えます。
外の寒さを室内へ伝えにくくする。
暖房でつくった暖かさを逃がさない。
家の中の温度差をできるだけ小さくする。
これらは特別な付加価値ではなく、北海道の暮らしに必要な基本性能です。
私が札幌で特に驚いたのは、外が氷点下でも、家の中では薄着で過ごせることでした。
リビングだけでなく、廊下やトイレ、脱衣室まで暖かい家も多く、部屋を移動するたびに寒さを感じることが少ないのです。
札幌で約20年間住宅販売に携わり、私は、
快適性を決めるのは、暖房設備の大きさだけではなく、家そのものの性能である
ということを学びました。
宮崎で驚いた、家の中の寒さ
宮崎へ移住する前、私は南国だから冬も暖かく暮らせると思っていました。
確かに、外の気温は札幌よりはるかに高く、雪もほとんど降りません。
ところが、実際に宮崎の冬を経験すると、家の中の寒さに驚きました。
暖房をつけたリビングは暖かくても、廊下へ出ると寒い。
トイレや脱衣室も寒い。
朝になると家全体が冷え切っている。
外は札幌より暖かいはずなのに、室内では宮崎の方が寒く感じることさえありました。
その理由の一つが、住宅の断熱性能や気密性能、窓の違いです。
宮崎では「温暖な地域だから」という理由で、北海道ほど住宅性能が重視されてこなかった家もあります。
しかし、外気温が比較的高くても、暖かさが逃げやすい家では、暖房を切ると室温がすぐに下がってしまいます。
宮崎で暮らして、私は改めて、
気候が暖かいことと、家の中が暖かいことは別である
と実感しました。
宮崎では、冬だけでなく夏も考える
宮崎の家づくりでは、冬の寒さ対策だけでは十分ではありません。
夏は日差しが強く、気温も湿度も高くなります。
断熱性能を高めることは大切ですが、窓から強い日差しを取り込みすぎると、室内に熱がこもることがあります。
そのため宮崎では、
- 軒や庇で夏の日差しを遮る
- 窓の大きさや位置を適切に決める
- 外付けシェードなどを活用する
- 湿気を考えた換気計画を立てる
- 冷暖房効率の良い間取りにする
といった工夫も必要です。
北海道の住宅をそのまま宮崎に建てるのではなく、北海道で培われた断熱・気密の考え方を、宮崎の強い日差しや高温多湿の気候に合わせることが重要です。
快適な家は「室温」だけで決まりません
東京・札幌・宮崎で暮らして分かったのは、快適さにはいくつもの要素があるということです。
1.家の中の温度差が少ない
リビングだけでなく、廊下やトイレ、脱衣室、寝室まで極端な温度差がないことが大切です。
家の中を移動するたびに暑さや寒さを感じる家は、体にも負担をかけます。
2.冷暖房に頼りすぎない
エアコンや暖房を強く運転し続けなければ快適にならない家は、光熱費もかかります。
断熱・気密・窓・日射対策を整え、少ないエネルギーで快適な温度を保てることが理想です。
3.湿度が適切に保たれている
同じ室温でも、湿度によって感じ方は大きく変わります。
宮崎では特に、湿気や結露、カビを防ぐための換気計画が重要です。
4.生活動線が暮らしに合っている
住宅性能が高くても、家事や移動がしにくければ、暮らしやすい家とはいえません。
家族構成や生活習慣に合わせ、必要な場所が無理なくつながっていることが大切です。
5.将来も安心して暮らせる
家は完成したときだけ快適であればよいものではありません。
年齢を重ねたときに室内の温度差が少なく、階段や段差の負担を抑えられることも、快適な家の条件です。
広さや設備より先に考えたいこと
家づくりでは、大きなリビングやおしゃれなキッチン、たくさんの収納などに目が向きがちです。
もちろん、これらも暮らしを豊かにしてくれます。
しかし、広さや設備だけでは、夏涼しく冬暖かい家にはなりません。
私が3つの地域で暮らして感じた優先順位は、
- 断熱・気密・窓など、後から直しにくい基本性能
- 日射・換気・冷暖房を含めた温熱計画
- 家族の暮らしに合った広さと間取り
- 設備・内装・デザイン
です。
予算に限りがある場合は、後から交換できる設備よりも、完成後に改善しにくい住宅性能を優先することが大切だと考えています。
私が考える「快適な家」
東京では、限られた空間を生かす間取りの工夫を知りました。
札幌では、厳しい寒さの中でも家全体を快適にする住宅性能の大切さを学びました。
宮崎では、温暖な地域であっても断熱・気密が必要であり、さらに強い日差しや湿気への対策が欠かせないことを実感しました。
この3つの地域での経験から、私が考える快適な家とは、
一年を通して家の中の温度差が少なく、少ないエネルギーで、家族が健康に暮らせる家
です。
豪華な設備がたくさんある家でも、必要以上に大きな家でもありません。
朝起きたときに寒さを我慢しなくてよい。
夏の夜も気持ちよく眠れる。
家のどこにいても安心して過ごせる。
そんな普通の毎日を心地よく支えてくれる家こそ、本当に快適な家だと思っています。
北海道で学んだ家づくりを宮崎へ
宮崎だから、冬の寒さを我慢する必要はありません。
また、夏の暑さをエアコンの力だけで乗り切る必要もありません。
北海道で学んだ断熱・気密の考え方に、東京で感じた空間の使い方、そして宮崎に必要な日射・湿気対策を組み合わせる。
それが、私たちが目指す宮崎の家づくりです。
これからも、それぞれの地域で暮らした経験を生かし、宮崎の皆さまに「冬は暖かく、夏は涼しい家」をお届けしていきたいと思っています。








