「57歳から、総額2,900万円の建て替えはできるのでしょうか?」
「住宅ローンを少なくするために、預金やNISAを使ったほうが安心でしょうか?」
今回ご紹介するのは、夫57歳・妻52歳、世帯年収890万円のご夫婦が、宮崎県内で23坪・3LDKの住宅へ建て替えるモデル事例です。
この建て替え事例の結論
総額2,900万円、23坪・3LDKという希望を残したまま、建て替えを前向きに検討できる計画です。
ただし、希望している住宅ローン900万円では、自己資金が2,000万円必要です。
その場合、NISA600万円をすべて使っても、建築後に残る現金は400万円になります。
そこで「おすすめ標準案」では、住宅ローンを1,400万円へ増やします。
自己資金を1,500万円に抑えることで、建築後に現金600万円とNISA300万円を残し、夫69歳で住宅ローンを完済する計画です。
おすすめ標準案
| 項目 | 計画内容 |
|---|---|
| 建て替え総額 | 2,900万円 |
| 延床面積 | 23坪 |
| 間取り | 3LDK |
| 自己資金 | 1,500万円 |
| 住宅ローン | 1,400万円 |
| 金利 | 変動金利1.5% |
| 返済期間 | 12年 |
| 毎月返済額 | 約10万6,000円 |
| 建築後に残す現金 | 600万円 |
| 建築後に残すNISA | 300万円 |
| 完済年齢 | 夫69歳 |
| 夫90歳時点の予想資産 | 約6,266万円 |
| NISA運用益を0%とした場合 | 約4,990万円 |
住宅ローンを借りられるかどうかだけでなく、次の3点を確認した計画です。
- 建て替え直後に、いくら現金を残せるか
- 退職後も無理なく生活できるか
- 医療費や介護費まで準備できるか
今回のご夫婦の条件
| 項目 | 内容 |
| 年齢 | 夫57歳・妻52歳 |
| 夫の現在年収 | 560万円 |
| 妻の現在年収 | 330万円 |
| 世帯年収 | 890万円 |
| 夫の勤務予定 | 70歳まで |
| 夫65歳以降の年収 | 336万円 |
| 妻の勤務予定 | 65歳まで |
| 妻の年収 | 65歳まで330万円 |
| 現在の預金 | 1,800万円 |
| 夫婦のNISA | 600万円 |
| 夫の退職金 | 65歳・1,500万円 |
| 妻の退職金 | 60歳・300万円 |
| 夫の年金 | 71歳から月16万円 |
| 妻の年金 | 65歳から月13万円 |
| 現在の生活費 | 月21万円 |
| 希望する住宅 | 23坪・3LDK |
| 建て替え総額 | 2,900万円 |
| 希望住宅ローン | 900万円 |
| 現在の借入 | なし |
ご夫婦が心配しているのは、次の3点です。
- 退職金を建て替えに使ってよいのか
- 年金生活になっても生活できるのか
- 建て替え後に医療費や介護費が足りるのか
住宅ローン900万円なら、本当に安心なのか
住宅ローンは少ないほど安心だと思われがちです。
しかし、50代・60代の建て替えでは、住宅ローンの金額だけで安全性を判断することはできません。
総額2,900万円に対して住宅ローンを900万円にすると、必要な自己資金は2,000万円です。
現在の金融資産は次のとおりです。
| 金融資産 | 金額 |
| 預金 | 1,800万円 |
| NISA | 600万円 |
| 合計 | 2,400万円 |
金融資産2,400万円から自己資金2,000万円を出すと、建て替え後に残る金融資産は400万円です。
今回の希望優先案では、預金1,400万円とNISA600万円を建築資金に使い、現金400万円を残す計算になります。
住宅ローンの返済は月約6万8,000円まで抑えられますが、建て替え直後の現金が400万円になる点には注意が必要です。
建て替え工事では、次のような予定外の支出が発生する可能性があります。
- 解体時の追加費用
- アスベスト除去費
- 地盤改良費
- 外構工事の追加
- 仮住まい期間の延長
- 家具や家電の購入
- 病気や入院
- 親の介護や家族関係の支出
借入額が少なくても、建て替え直後の現金が少なければ、予定外の支出に対応しにくくなります。
あえて住宅ローンを500万円増やす理由
おすすめ標準案では、住宅ローンを900万円から1,400万円へ500万円増やします。
一方、自己資金は2,000万円から1,500万円へ減らします。
その結果、建て替え後に次の金融資産を残せます。
| 建て替え後に残す資産 | 金額 |
| 現金 | 600万円 |
| NISA | 300万円 |
| 金融資産合計 | 900万円 |
希望優先案よりも、建て替え直後の金融資産を500万円多く確保できます。
毎月返済額は約6万8,000円から約10万6,000円へ増えますが、返済期間は12年です。
夫69歳で完済するため、夫の年金が始まる71歳まで住宅ローンを残さない計画です。
今回の計画では、「借金を減らす安心」だけでなく、「すぐに使える現金を残す安心」を優先しています。
3つの建て替え案を比較
※NISA300万円を年5%で運用できた場合の暫定計算です。運用成果は保証されません。
希望優先案
23坪・3LDKと建て替え総額2,900万円を維持し、住宅ローン900万円という希望を優先する案です。
月々の返済額は約6万8,000円ですが、NISA600万円をすべて使い、建て替え後の現金は400万円になります。
建て替えは検討できますが、工事直後の予備資金が少ない計画です。
おすすめ標準案
23坪・3LDKと総額2,900万円を維持します。
住宅ローンを1,400万円へ増やし、建て替え後に現金600万円とNISA300万円を残します。
住宅の希望と老後資金のバランスが、最も取りやすい案です。
安全重視案
延床面積を21坪・2LDKへ整理し、建て替え総額を2,600万円へ抑えます。
建て替え後に現金800万円とNISA300万円を残し、医療費、介護費、修繕費への備えを厚くします。
現役中の住宅ローン返済は可能か
おすすめ標準案の住宅ローン返済額は、月約10万6,000円、年間約127万円です。
手取り収入は次の金額で暫定計算しています。
| 収入 | 年間手取り見込額 |
| 夫 | 約440万円 |
| 妻 | 約260万円 |
| 世帯合計 | 約700万円 |
現在の生活費は月21万円、年間252万円です。
単純計算による現役中の年間収支は、次のようになります。
| 年間収支 | 金額 |
| 世帯手取り収入 | 約700万円 |
| 基本生活費 | ▲約252万円 |
| 住宅ローン返済 | ▲約127万円 |
| 差引額 | 約321万円 |
ただし、固定資産税、生命保険料、光熱費、車の維持費などの年間固定費は未確認です。
実際の年間余裕額は、これらの費用を差し引いて判断する必要があります。
それでも、現在の収入と12年という返済期間を考えると、住宅ローン1,400万円は返済を検討できる範囲です。
ただし、金融機関の融資承認を保証するものではありません。
年齢、健康状態、団体信用生命保険、勤務状況、既存借入、金融機関の審査基準によって結果は変わります。
夫65歳以降の収入減少は大丈夫か
夫の年収は、65歳から560万円の60%に当たる336万円になる予定です。
手取り収入は年間約280万円と推定しています。
妻は65歳まで年収330万円を維持する予定のため、夫65歳時点では次の収入があります。
| 夫65歳時点の収入 | 推定手取り額 |
| 夫 | 約280万円 |
| 妻 | 約260万円 |
| 世帯合計 | 約540万円 |
夫65歳時点の生活費は、物価上昇率1.2%を反映すると年間約277万円です。
住宅ローン返済は年間約127万円です。
生活費と住宅ローンを合わせると約404万円になるため、妻の収入が続いている間は、一定の余裕を確保できる計算です。
さらに、夫婦は次の退職金を受け取る予定です。
| 退職金 | 金額 |
| 夫 | 1,500万円 |
| 妻 | 300万円 |
| 合計 | 1,800万円 |
今回のおすすめ標準案では、退職金1,800万円を建て替え費用の不足分には使いません。
老後の生活費、医療費、介護費、修繕費に備える資金として確保します。
退職金は建て替えに使わないほうがよいのか
今回の条件では、退職金を建て替え直後の自己資金として使う必要はありません。
建て替えは夫57歳時点で行い、退職金は夫65歳時点で受け取ります。
住宅ローンは夫69歳で完済するため、退職金を使って繰り上げ返済する選択肢もあります。
しかし、繰り上げ返済を急ぐ前に、次の資金を分けて確保することが大切です。
- 生活予備費
- 医療・介護費
- 建物修繕費
- 固定資産税・保険料
- 妻が65歳になるまでの生活費
- 夫婦の年金生活開始後に生じる不足額
今回の試算では、退職金を住宅ローンの繰り上げ返済に使わなくても、夫69歳で予定どおり完済できます。
そのため、退職金は老後資金として確保する案を中心に検討します。
年金だけになっても生活できるのか
夫婦の年金額は次のとおりです。
| 年金 | 受給開始年齢 | 月額 |
| 夫 | 71歳 | 16万円 |
| 妻 | 65歳 | 13万円 |
| 夫婦合計 | - | 29万円 |
夫婦の年間年金額は、額面で348万円です。
税金や社会保険料を考慮し、年間手取り額を約313万円として暫定計算しています。
夫71歳時点では住宅ローンが完済しているため、年金生活に入ってから住宅ローン返済はありません。
一方、生活費には年1.2%の物価上昇を反映しています。
夫71歳時点の基本生活費は年間約298万円です。
年金手取り約313万円との差額は、年間約15万円です。
年金生活の開始直後は、基本生活費を年金収入でおおむね賄える計算です。
ただし、物価上昇によって生活費は徐々に増加します。
夫90歳時点の基本生活費は年間約374万円となり、年金手取り額を上回ります。
後半の不足分は、預金、退職金、NISAなどの金融資産から補います。
「年金だけで一生足りる」と考えるのではなく、「何歳から金融資産を取り崩すことになるのか」まで確認することが大切です。
医療費・介護費・修繕費は計算しているか
今回の試算では、次の一時支出を計算に入れています。
| 夫の年齢 | 支出内容 | 金額 |
| 67歳 | 建物修繕費 | 120万円 |
| 77歳 | 建物修繕費 | 120万円 |
| 80歳 | 医療・介護予備費 | 300万円 |
| 87歳 | 建物修繕費 | 120万円 |
車の買い替えやその他の大きな支出は「なし」としています。
実際には、介護施設への入居、長期入院、車の追加購入、住宅設備の故障などが発生する可能性があります。
正式な資金計画では、ご夫婦それぞれの医療費や介護費、将来の車の買い替えなども確認する必要があります。
NISAを年5%で計算してよいのか
今回のおすすめ標準案では、建て替え後にNISA300万円を残し、年5%で運用できた場合を試算しています。
その場合、夫90歳時点の予想資産は約6,266万円です。
ただし、年5%の運用成果は保証されません。
NISAを利用した投資には元本保証がなく、過去の運用結果が将来の成果を保証するものでもありません。
そのため、運用益を0%とした場合も確認します。
| 運用条件 | 夫90歳時点の予想資産 |
| NISAを年5%で運用できた場合 | 約6,266万円 |
| NISAの運用益を0%とした場合 | 約4,990万円 |
| 差額 | 約1,276万円 |
老後資金計画では、約6,266万円という金額だけを見て安心と判断してはいけません。
中心となる安全確認値は、運用益0%で計算した約4,990万円です。
年5%の結果は、運用が順調だった場合の参考値として扱います。
なぜ90歳時点で約5,000万円も残るのか
今回の試算で90歳時点の資産が多く残る主な理由は、次のとおりです。
- 現在の世帯年収が890万円ある
- 妻が65歳まで年収330万円を維持する
- 夫婦の退職金が合計1,800万円ある
- 住宅ローンを夫69歳で完済する
- 現在の生活費が月21万円に収まっている
- 車の買い替えなどの大きな特別支出がない
- 夫婦の年金が合計月29万円ある
反対に、固定資産税、保険料、旅行費、車の買い替え、子どもや孫への援助、介護施設費などが増えれば、90歳時点の資産は少なくなります。
この金額は保証値ではなく、入力された条件に基づく暫定計算です。
建て替え前に確認しておきたい資料
最終判断の前に、次の資料を確認します。
- 夫婦の源泉徴収票
- 直近3か月の給与明細
- 夫婦それぞれの年金見込額
- 退職金の見込額と受取時期
- 預金・NISA・保険の残高
- 建物本体と付帯工事の見積書
- 解体・アスベスト・仮住まい・引越しの見積書
- 登記・測量・外構工事の見積書
- 固定資産税・保険料・年間固定費
- 住宅ローンの事前審査結果
総額2,900万円に、どこまでの工事や諸費用が含まれているかも重要です。
建物本体価格だけで判断せず、次の費用まで含めた総額で確認します。
- 付帯工事
- 解体工事
- アスベスト調査・除去
- 仮住まい
- 往復の引越し
- 登記・測量
- 外構工事
- 地盤改良
- 住宅ローン諸費用
- 火災・地震保険
- 家具・家電
よくある質問
57歳でも住宅ローンは組めますか?
57歳でも住宅ローンを申し込むことは可能です。
ただし、融資承認は保証されません。
完済年齢、年収、健康状態、団体信用生命保険、勤務状況、既存借入などが審査されます。
今回の計画では12年返済として、夫69歳で完済します。
住宅ローン900万円では建て替えられませんか?
住宅ローン900万円でも建て替えは検討できます。
ただし、自己資金2,000万円が必要となり、NISA600万円をすべて使った後に残る現金は400万円です。
借入額だけでなく、建て替え後の手元資金も確認する必要があります。
なぜ借入額を1,400万円へ増やすのですか?
建て替え後に、現金600万円とNISA300万円を残すためです。
住宅ローンを減らすことだけを優先せず、建て替え直後の生活予備費を確保します。
退職金1,800万円は住宅ローン返済に使いますか?
おすすめ標準案では使用しません。
住宅ローンは夫69歳で完済できる計画のため、退職金は医療費、介護費、修繕費などの老後資金として確保します。
年金月29万円で生活できますか?
夫71歳時点では、基本生活費を年金手取りでおおむね賄える計算です。
ただし、物価上昇によって将来の生活費は増えるため、老後後半は金融資産から補う可能性があります。
NISA年5%の計算は信用できますか?
年5%は保証された利回りではありません。
この事例では運用益0%の場合も計算し、夫90歳時点約4,990万円を安全確認の基準としています。
介護費300万円で十分ですか?
十分とは断定できません。
今回の300万円はモデル上の予備費です。
ご夫婦の健康状態、介護方針、施設入居の希望によって必要額は変わります。
総額2,900万円には何を含めるべきですか?
建物本体だけでなく、付帯工事、解体、アスベスト、仮住まい、往復引越し、登記、測量、外構、地盤改良、住宅ローン諸費用、保険まで含めて確認します。
宮崎県で50代・60代から建て替えを検討している方へ
「住宅ローンを少なくすれば安心」とは限りません。
今回の事例では、住宅ローンを900万円に抑えると、NISA600万円をすべて使い、建て替え後の現金は400万円になります。
住宅ローンを1,400万円へ増やすことで、希望する23坪・3LDKを守りながら、現金600万円とNISA300万円を残せます。
大切なのは、住宅ローンの審査に通る金額ではありません。
建て替えた後も、老後資金を残しながら無理なく返せる金額です
デザインハウス宮崎「建て替えの窓口」では、年収、預金、退職金、年金、生活費、医療費、介護費などをまとめ、90歳までの資産推移を確認します。
宮崎市、都城市、延岡市、日向市、西都市、児湯郡、東諸県郡など、宮崎県内で建て替えを検討している方は、家の大きさや住宅ローンを決める前に、建て替え後に残す現金を確認してください。
総額2,900万円の希望を守りながら、老後資金を残せる配分を一緒に確認しましょう。











