こんにちは。
株式会社ツチモチが運営する「デザインハウス宮崎」の町田です。
私は東京で生まれ、38歳まで東京で暮らしました。
その後、転勤をきっかけに札幌へ移り、約20年間、北海道で住宅販売の仕事に携わりました。
そして8年前、父の故郷である宮崎へ移住。移住から2年後に株式会社ツチモチを設立し、建設業を始めました。
今回は、私がなぜ宮崎で建築会社を起業したのか、その原点となった父との約束や、宮崎の住宅に対する思いをお話しします。
北海道で住宅に携わった20年間
北海道の冬は厳しく、外気温が氷点下になることも珍しくありません。
そのような環境で安心して暮らすため、北海道の家づくりでは断熱・気密・窓・暖房・換気をとても大切にします。
外の寒さを家の中へ伝えにくくする。
暖房でつくった暖かさを外へ逃がさない。
リビングだけでなく、廊下やトイレ、脱衣室まで温度差を小さくする。
北海道では、住宅性能は特別な付加価値ではありません。厳しい冬を快適に暮らすために必要な、家づくりの基本です。
私は約20年間の住宅販売を通して、家の性能が、毎日の快適さや光熱費、家族の健康に大きく関係することを学びました。
父の故郷・宮崎への移住
宮崎は、私の父の故郷です。
父は長年、東京で教員として勤めた後、延岡にある土持神社の宮司を務めるため、宮崎へ帰郷しました。
父は土持家の76代目として、「土持」という名前とその歴史をとても大切にしていました。
そして生涯を通して、土持の名を次の世代へつなぐために尽力していました。
私にとって宮崎への移住は、単に住む場所を変えることではありませんでした。
父の故郷へ戻り、自分の家族のルーツと向き合いながら、新しい人生を始めるという大きな決断でした。
父と語り合った建設会社の夢
私が宮崎へ移住する前、父とよく話していたことがあります。
「宮崎に来たら、二人で“土持”という建設会社を立ち上げてやろう」
二人で未来を思い描きながら、楽しく話していたことを今でも思い出します。
長年教員として働いてきた父が、なぜ建設会社をつくりたいと思っていたのか。
そこには、土持家に伝わる歴史がありました。
土持家のルーツは大分県の宇佐神宮につながり、当時「田部」という姓だった先祖が、その建立に力を尽くしたと伝えられています。
父にとって建築は、土持家の歴史につながる特別な仕事だったのだと思います。
人が集まる場所をつくる。
暮らしの基盤をつくる。
そして、未来に残るものをつくる。
父は建設会社を通して、土持の名と、その名前に込められた精神を次の世代へ残したいと考えていたのではないでしょうか。
宮崎へ来て、家の寒さに驚きました
宮崎へ移住する前、私はこう思っていました。
「南国・宮崎なら、冬も暖かいだろう」
「北海道で暮らしてきたのだから、宮崎の冬は寒くないだろう」
ところが、実際に冬を迎えると、想像以上に家の中が寒いことに驚きました。
暖房をつけたリビングは暖かくても、廊下に出ると寒い。
トイレや脱衣室も寒い。
朝になると、家全体が冷え切っている。
外の気温は北海道より高いはずなのに、室内では宮崎の方が寒く感じることさえありました。
そのとき、北海道で住宅に携わってきた私は、宮崎と北海道の家づくりの違いを強く感じました。
暖かい地域でも、暖かい家になるとは限らない
宮崎では「温暖な地域だから」という理由で、北海道ほど断熱や気密が重視されてこなかった住宅もあります。
しかし、気候が暖かいことと、家の中が暖かいことは別です。
住宅の断熱性能が十分でなければ、暖房でつくった熱は窓や壁、床などから外へ逃げてしまいます。
家に隙間が多ければ、冷たい外気が入り、足元の寒さにつながります。
暖房設備を大きくするだけでは、本当に暖かく快適な家にはなりません。
北海道で学んだ住宅性能の考え方は、宮崎の家づくりにも必要なのではないか。
そう考えたことが、私が宮崎で建築会社を始めた大きな理由の一つです。
父との夢を「株式会社ツチモチ」に
宮崎へ移住して2年後、私は建設業を営む「株式会社ツチモチ」を設立しました。
「ツチモチ」という社名は、私の旧姓である「土持」に由来しています。
それは、父が大切に守ってきた土持の名を未来へつなぐためであり、父と二人で語り合った建設会社の夢を形にするためでもありました。
株式会社ツチモチは、単なる会社名ではありません。
土持家の歴史。
父の思い。
北海道で培った私の住宅経験。
宮崎で家づくりに取り組む決意。
そのすべてを込めた名前です。
現在は住宅事業のFC名である「デザインハウス宮崎」として、地域の皆さまの家づくりをお手伝いしています。
北海道の家を、そのまま建てたいわけではありません
私が目指しているのは、北海道の住宅をそのまま宮崎に建てることではありません。
北海道と宮崎では、気候条件が大きく異なります。
北海道では冬の厳しい寒さへの対策が中心ですが、宮崎では冬の寒さに加えて、夏の強い日差し、高温多湿、台風などへの対策が必要です。
そのため、宮崎の家づくりでは、
- 断熱性能を高める
- 家の隙間を減らす
- 窓の性能と配置を考える
- 軒や庇で夏の日差しを遮る
- 湿気を考えた換気計画を立てる
- 少ない冷暖房で快適に暮らせる間取りにする
といった工夫を、総合的に考える必要があります。
北海道で学んだ断熱・気密の考え方を生かしながら、宮崎の気候に合わせる。
それが、私たちの目指す「宮崎型高性能住宅」です。
豪華な家より、毎日を快適にする家
高性能住宅というと、豪華で高額な家を想像される方もいらっしゃいます。
しかし、私が考える高性能住宅は、設備をたくさん付けた豪華な家ではありません。
冬の朝、寒さを我慢せずに起きられる。
廊下や脱衣室へ移動しても、急激な温度差がない。
夏の夜も、少ない冷房で気持ちよく眠れる。
光熱費を抑えながら、年齢を重ねても安心して暮らせる。
そのような「普通の毎日を心地よく過ごせる家」です。
見た目や広さだけでなく、住み始めてからの暮らしを大切にする。
それが、北海道で約20年間住宅に携わってきた私が、宮崎で実現したい家づくりです。
宮崎の人に、高性能住宅を届けたい
宮崎だから、冬の寒さを我慢する必要はありません。
夏の暑さを、エアコンの力だけで乗り切る必要もありません。
家の性能を正しく考えれば、宮崎の住まいはもっと快適にできます。
父が大切に守ってきた土持の名を受け継ぎ、北海道で学んだ住宅の知識を宮崎で生かす。
そして、冬は暖かく、夏は涼しく、家族が長く健康に暮らせる家を届ける。
それが、私が宮崎で株式会社ツチモチを起業した理由であり、デザインハウス宮崎として家づくりを続ける理由です。








