はい、あります。シニア住宅では、すべての窓を電動化する必要はありませんが、毎日開閉する窓や台風対策用の大きな窓には、電動シャッターや開閉補助付き窓が有効です。
特に宮崎県では、台風接近時に重い雨戸やシャッターを何か所も閉める負担を考え、LDK・寝室の大きな窓には電動シャッター、小窓にはオペレーターハンドルという組み合わせがおすすめです。
「スマート窓」とは?
スマート窓という言葉には、複数の意味があります。
| 種類 | 主な機能 |
|---|---|
| 電動開閉窓 | リモコンやスイッチで窓を開閉 |
| スマートシャッター | スマートフォンや音声でシャッターを操作 |
| センサー連動窓 | 雨・温度・時間などに応じて開閉 |
| スマートガラス | ガラスの透明・遮光状態を電気で切り替える |
| 開閉センサー | 窓の閉め忘れをスマートフォンなどへ通知 |
高齢者住宅で実用性が高いのは、スマートガラスよりも、電動シャッター、開閉しやすい窓、窓の閉め忘れセンサーです。
開閉しやすい窓の種類
1.オペレーターハンドル付き窓
ハンドルをクルクル回して開閉する縦すべり出し窓・横すべり出し窓です。窓を直接押したり引いたりしなくても、少ない力で操作できます。
おすすめの場所は次のとおりです。
- キッチンの流し台前
- 洗面台の上
- トイレ
- 浴室
- 家具の奥にある窓
- 手を伸ばしにくい位置の窓
YKK APも、オペレーターハンドルについて、少ない力で開閉でき、高齢者にも使いやすいと案内しています。YKK AP「オペレーターハンドル」
ハンドルを回す動作が難しい場合は、握り込まなくても操作できる形状や、電動開閉タイプを検討します。
2.大型把手・アシスト把手付き引き違い窓
庭やテラスに出る大きな窓には、一般的な小さな引手ではなく、手全体を掛けられる大型把手が適しています。
- 指先の力が弱くても操作しやすい
- 身体を支えながら開閉しやすい
- 握る位置が分かりやすい
- 引き残しが少なく、車いすでも操作しやすい
LIXILには、引き違い窓の開閉を補助する大型把手やアシスト把手が用意されたシリーズがあります。LIXIL「高性能窓TW・使いやすさ」
ただし、高断熱の大きな窓はガラスが重くなる傾向があります。ショールームでは、展示用の小窓ではなく、採用予定と同じ大きさ・ガラス仕様で操作感を確認してください。
3.電動開閉窓
高所窓や手の届きにくい窓は、リモコンで開閉できる製品があります。吹き抜けや階段上部の換気窓などに適しています。
YKK APでは、高所用すべり出し窓について、リモコン操作の電動ユニットが案内されています。YKK AP「使いやすい窓・便利な窓」
ただし、日常的に手が届く窓まで電動にすると、初期費用と故障時の修理箇所が増えます。手動でも無理なく使える窓と、電動化が必要な窓を分けましょう。
電動シャッターは高齢者向きですか?
電動シャッターは高齢者住宅に非常に向いています。
手動シャッターの場合は、窓を開けて身を乗り出し、腰をかがめて持ち上げる必要があります。電動式なら、窓を閉めたままリモコンや壁スイッチで操作できます。
主なメリット
- 腰をかがめずに操作できる
- 腕や肩へ負担を掛けない
- 窓を開けずに開閉できる
- 雨や強風の前に室内から閉められる
- 閉じると自動でロックされる製品がある
- 障害物を感知して停止・反転する製品がある
- スマートフォンから状態確認できる製品がある
- タイマーで毎日決まった時間に開閉できる場合がある
例えばLIXILの電動シャッターには、リモコン・スマートフォン操作、障害物感知、モーターロック、停電時の手動開閉機能を備えた製品があります。LIXIL「住宅用電動窓シャッター」
YKK APのリモコンシャッターにも、モーターロック、障害物感知、停電時の非常開放機構があります。YKK AP「リモコンシャッター」
スマートフォン操作は本当に高齢者向き?
便利ですが、スマートフォンだけに頼る設計はおすすめしません。
高齢者本人が普段使う操作方法は、次の順番が安心です。
- 壁付けの大きなスイッチ
- ボタン数の少ない専用リモコン
- 音声操作
- スマートフォンアプリ
壁スイッチは、立っても車いすでも届く床から800~1,100mm程度の位置を目安にします。ベッドから操作するシャッターには、枕元にもリモコンを置きます。
スマートフォンは、次の用途に向いています。
- シャッターを閉めたか外出先で確認する
- 家族が離れた場所から状態を確認する
- 複数のシャッターを一括操作する
- 毎朝・毎晩の開閉時刻を設定する
- 台風前に閉め忘れがないか確認する
インターネットやスマートフォンに障害があっても、壁スイッチや専用リモコンで操作できる製品を選びましょう。
停電時はどうなりますか?
電動シャッターは、停電すると通常の電動操作ができません。ただし、多くの住宅用製品には、室内側から手動で開けられる非常開放機構があります。
重要なのは、設置しただけで安心しないことです。
- 停電時の手動操作を家族全員で練習する
- 操作レバーに車いすから手が届くか確認する
- 家具やカーテンで非常レバーをふさがない
- 取扱説明書を分かりやすい場所に保管する
- 非常操作後の電動復帰方法も確認する
- 寝室にはシャッター以外の避難経路も確保する
製品ごとに操作方法が違うため、引き渡し時に実際に操作してもらいましょう。
宮崎県では「電動」だけでなく耐風性能が重要
宮崎では、一般的な電動シャッターかどうかだけでなく、台風を想定した耐風性能を確認する必要があります。
- 建築地の基準風速に適合しているか
- 窓の大きさに対して必要な耐風圧性能があるか
- 飛来物への対策が示されているか
- 台風時に採風状態のまま使用してよいか
- 強風時のばたつき音対策があるか
- 塩害地域に対応できる仕様か
- 停電前に確実に閉められるか
YKK APの耐風シャッターには、標準タイプより耐風性能を高めた製品があります。YKK AP「窓シャッターで大型台風に備える」
LIXILにも、台風や沿岸部を想定した電動耐風タイプがあります。LIXIL「電動・耐風シャッター」
ただし、どのシャッターでも台風に対して絶対に安全というわけではありません。窓の大きさ、設置方向、建築地、製品ごとの適用範囲を設計者に確認する必要があります。
採風タイプの電動シャッター
シャッターを閉めながら、スリット部分から風や光を取り入れられる製品もあります。
- 外からの視線を抑えながら換気できる
- 日差しを遮りながら風を通せる
- 夜間の防犯性に配慮しながら通風できる
- 室内の熱気を逃がしやすい
宮崎の夏には便利ですが、台風時にスリットを開けたままでよいとは限りません。強風時は取扱説明書に従い、全閉状態にする必要があります。
注意したいデメリット
- 手動式より初期費用が高い
- モーターや制御部の交換費用がかかる
- 停電時には非常操作が必要
- アプリや通信サービスの仕様が将来変わる可能性がある
- 障害物感知には反応しない範囲がある
- レールに砂や小枝が入ると動作不良を起こすことがある
- 海に近い地域では塩害対策が必要
- 台風後はレールや外観の点検が必要
障害物感知機能があっても、子ども、ペット、車いす、植木鉢などがないことを目視してから閉めるのが基本です。
シニア住宅におすすめする窓計画
| 場所 | おすすめ仕様 |
|---|---|
| LDKの大きな窓 | 大型把手+電動耐風シャッター |
| 主寝室 | 操作しやすい窓+電動シャッター |
| キッチン | オペレーターハンドル付き窓 |
| 洗面・トイレ | 小型のすべり出し窓またはFIX窓 |
| 浴室 | 手の届くオペレーター窓または窓なし |
| 吹き抜け・高所 | 電動開閉窓またはFIX窓 |
| 使用頻度の低い部屋 | 開閉しやすい手動窓+将来用電源 |
すべての窓を開閉式にせず、採光だけが目的の場所はFIX窓にする方法もあります。ただし、FIX窓は室内側から外面を清掃できないため、清掃方法まで考えて配置します。
まとめ
宮崎県のシニア向け建替えでは、次の組み合わせがおすすめです。
- 大きな掃き出し窓は電動耐風シャッター
- 寝室は壁スイッチと専用リモコンを併用
- キッチン・洗面所はオペレーターハンドル
- 高所窓は電動化するか、開閉不要のFIX窓
- スマートフォンは補助操作として利用
- 停電時に手動で開けられる製品を選ぶ
- 台風・飛来物・塩害に適した仕様を確認する
シニア住宅のスマート化では、「できることの多さ」より、通信障害や停電時にも本人が簡単に操作できることを優先しましょう。








