A.宮崎のすべての住宅にトリプルガラスが必要なわけではありません。多くの場合は、樹脂サッシまたは高性能なアルミ樹脂複合サッシに、Low-E複層ガラスを組み合わせれば十分な性能を確保できます。
断熱等級7を目指す場合や、窓際の温度差をできるだけ小さくしたい場合は、トリプルガラスを検討する価値があります。
複層ガラスとトリプルガラスの違い
| 比較項目 | Low-E複層ガラス | トリプルガラス |
|---|---|---|
| ガラス枚数 | 2枚 | 3枚 |
| 空気層・ガス層 | 1層 | 2層 |
| 断熱性能 | 高い | より高い |
| 窓際の冷え | 抑えやすい | さらに抑えやすい |
| 結露対策 | 有効 | より有効 |
| 重量 | 比較的軽い | 重い |
| 開閉のしやすさ | 一般的 | 窓によって重く感じる |
| 価格 | 抑えやすい | 高くなる |
| 宮崎での位置づけ | 基本候補 | 目的に合わせて採用 |
トリプルガラスを検討したいケース
1.断熱等級7を目指す
宮崎市など7地域では、断熱等級7のUA値基準は0.26以下です。この水準を実現するには、樹脂サッシとトリプルガラスが有力な選択肢になります。
2.大きな窓が多い
窓面積が大きい住宅は、窓からの熱の出入りも増えます。吹き抜けや大開口リビングなどでは、トリプルガラスによって窓全体の熱損失を抑えやすくなります。
ただし、大開口はガラスが重くなるため、開閉方法や耐風圧性能も確認します。
3.窓際の快適性を重視する
在宅勤務用の机やベッド、ソファを窓の近くに置く場合、ガラスの表面温度が体感温度に影響します。
冬の窓際の冷えや、夏の窓から伝わる熱をできるだけ抑えたい場合に向いています。
4.交通量の多い場所に建てる
トリプルガラスは、ガラス構成によって防音性能を高められる場合があります。
ただし、同じ厚さのガラスを並べると、期待するほど防音効果が上がらないこともあります。防音目的なら、異なる厚さのガラスや合わせガラスなど、音に合わせた構成が必要です。
5.冷え込みやすい地域に建てる
宮崎県内でも、山間部や標高の高い地域では宮崎市中心部より冬の冷え込みが厳しくなります。建築地の地域区分や最低気温を確認し、トリプルガラスを検討します。
宮崎でトリプルガラスが必須ではない理由
建築費が上がる
トリプルガラスは、ガラスだけでなく、対応するサッシ枠や金物も必要になります。住宅全体で採用すると費用が大きくなる場合があります。
窓が重くなる
特に大きな引違い窓では、開閉が重く感じられることがあります。日常的に開閉する窓は、ショールームなどで操作感を確認しましょう。
冬の日射熱も入りにくくなる場合がある
断熱性能の高いガラスは、製品やLow-E膜の種類によって、冬の暖かい日射も入りにくくなることがあります。
宮崎では、南側の窓から冬の日射を取り入れる設計が有効です。窓の性能だけでなく、日射取得率も確認する必要があります。
夏はガラスより日射遮蔽が重要
トリプルガラスでも、宮崎の強い西日を完全には防げません。夏の暑さ対策では、次の方法が効果的です。
- 深い軒や庇
- 外付けシェード
- シャッター
- 西側の窓を小さくする
- 東西面に遮熱型Low-Eガラスを使う
高価なガラスへ変更する前に、窓の位置・大きさ・日射遮蔽を整えることが大切です。
全窓をトリプルにする必要はありません
住宅全体を同じ仕様にせず、方角や用途に応じて使い分ける方法もあります。
| 窓の条件 | 選択例 |
|---|---|
| 北側の窓 | 断熱性を重視してトリプルを検討 |
| 大きな吹き抜け窓 | 熱損失を抑えるためトリプルを検討 |
| 南側の窓 | 冬の日射取得と軒の設計を重視 |
| 東・西側の窓 | 遮熱型Low-E+外部遮蔽を重視 |
| 小さな窓 | 複層ガラスでも影響が限定的な場合がある |
| 開閉頻度の高い窓 | 重量と操作性を確認 |
一部だけトリプルガラスにする場合は、住宅全体のUA値を再計算して効果を確認しましょう。
トリプルガラスなら台風にも強いですか?
ガラスが3枚あるだけで、台風の飛来物に強いとは限りません。
台風対策としては、次の性能を別に確認します。
- サッシの耐風圧性能
- 水密性能
- ガラスの耐風圧計算
- 合わせガラスや強化ガラスの必要性
- シャッター・雨戸
- 窓の大きさ
- 窓周りの防水施工
宮崎では、断熱性能と台風性能を分けて確認することが重要です。
Uw値と日射熱取得率で比較する
窓を選ぶときは、ガラス枚数だけで判断せず、次の数値を確認します。
- Uw値:窓全体の熱の通しやすさ。小さいほど高断熱
- 日射熱取得率:日射熱の入りやすさ
- 耐風圧性能:強風に対する強さ
- 水密性能:風雨による水の侵入に対する性能
「トリプルガラス」という名称だけでなく、サッシ枠を含めた窓全体の性能で比較しましょう。
デザインハウス宮崎の考え方
デザインハウス宮崎では、宮崎の一般的な住宅なら、樹脂サッシ+高性能なLow-E複層ガラスを基本候補として考えます。
そのうえで、次の条件に当てはまる窓にはトリプルガラスを検討します。
- 断熱等級7を目指す
- 大開口や吹き抜けがある
- 窓際の快適性を特に重視する
- 山間部など冷え込みの厳しい地域
- 住宅全体のUA値計算で必要になる
トリプルガラスへ一律に予算をかけるより、断熱等級6、気密測定、軒・庇、外付けシェード、耐震・耐久性まで住宅全体を整える方が、満足度を高められる場合があります。
まとめ
- 宮崎の全住宅にトリプルガラスは必要ない
- 断熱等級6ならLow-E複層ガラスでも計画可能
- 等級7や大開口ではトリプルが有力
- 全窓ではなく、場所ごとに使い分ける方法もある
- 夏はガラス性能だけでなく外部の日射遮蔽が重要
- トリプルガラスは台風への強さを保証するものではない
- Uw値・日射熱取得率・耐風圧・水密性能で比較する
結論として、宮崎ではトリプルガラスを標準的に一律採用するより、Low-E複層ガラスを基本に、必要な窓だけトリプルガラスへ変更する方法が現実的です。







