A.河川沿いの低地、旧河道、水田や沼の跡、海岸近くの砂地、盛土造成地などは、軟弱地盤や液状化に注意が必要です。
ただし、「○○地区は弱い」と地域名だけでは判断できません。同じ分譲地や隣り合う土地でも、地層や盛土の厚さが異なることがあります。
地盤に注意したい土地の特徴
| 土地の特徴 | 主な注意点 |
|---|---|
| 河川沿い・沖積低地 | 軟らかい粘土や砂が堆積している可能性 |
| 旧河道・後背湿地 | 地下水位が高く、沈下や液状化に注意 |
| 水田・沼・池を埋めた土地 | 軟弱層や不均一な埋戻し土が残る可能性 |
| 海岸・河口付近の砂地 | 地下水位が高い場合は液状化に注意 |
| 谷を埋めた造成地 | 盛土の沈下や地震時の滑動崩落に注意 |
| 切土と盛土の境目 | 建物の左右で地盤強度が異なり、不同沈下の可能性 |
| 新しく造成された土地 | 盛土の材料・転圧・造成履歴の確認が必要 |
| 崖や斜面の近く | 地盤強度だけでなく崩壊・地すべりも確認 |
1.大淀川など河川沿いの低地
大淀川、本庄川、一ツ瀬川、五ヶ瀬川、耳川などの周辺には、河川が運んだ砂や粘土が堆積した低地があります。
このような土地では、次の問題が起こる可能性があります。
- 地表付近の地盤が軟らかい
- 支持層が深い
- 地下水位が高い
- 建物が不均等に沈む
- 地震時に液状化する
川からの距離だけでなく、標高、旧河道、周辺の水路、過去の浸水状況も確認しましょう。
2.水田・湿地・池だった土地
以前、水田、沼、湿地、ため池だった土地は、水を多く含む軟らかい土が残っていることがあります。
造成されて見た目がきれいでも、表面に土を入れただけでは、下に軟弱な地層が残っている可能性があります。
次の資料が参考になります。
- 古い地形図
- 昔の航空写真
- 土地の登記記録
- 造成計画図・工事記録
- 近隣住民からの情報
「田」「沼」「池」などの旧地目も手掛かりになりますが、地目だけで地盤の強弱を断定することはできません。
3.旧河道や自然堤防の裏側
昔、川が流れていた場所を「旧河道」といいます。川の流れが変わった後に埋め戻され、現在は住宅地になっていることもあります。
旧河道や周辺の低地では、軟弱地盤、地下水、液状化、浸水のリスクが重なる場合があります。現在の地図だけでなく、国土地理院の地形分類や古い航空写真も確認しましょう。
4.海岸や河口に近い砂質地盤
宮崎市、日向市、延岡市などの沿岸部では、砂質地盤と高い地下水位が重なる場所があります。
砂地がすべて弱いわけではありませんが、水を多く含む緩い砂地盤では、地震時に液状化が起こる可能性があります。宮崎市の防災資料では、震度分布図とともに液状化可能性分布図も確認できます。宮崎市・津波ハザードマップ
5.盛土造成地
丘陵地の分譲地でも、谷を埋めた部分や斜面に土を盛った部分は注意が必要です。
宮崎県も、盛土部分は施工時に十分な転圧が行われていないと、地盤が沈みやすくなると説明しています。宮崎県・地盤と住宅の耐震
特に確認したいのは次の点です。
- 切土か盛土か
- 盛土の厚さ
- 造成された時期
- 造成工事の検査記録
- 擁壁の確認済証・検査済証
- 宅地内の排水設備
- 切土と盛土の境界位置
宮崎市は、造成前後の地形図を比較して大規模盛土造成地のおおむねの位置を示すマップを公開しています。宮崎市・大規模盛土造成地マップ
ただし、マップに掲載されているから直ちに危険という意味ではなく、掲載されていない小規模な盛土もあります。
シラス地盤は弱いのですか?
宮崎県内には火山灰由来の地層も見られますが、シラスだから一律に軟弱地盤とは判断できません。
締まった状態では一定の支持力が期待できる場所もあります。一方、雨水による浸食、崖の崩壊、造成時の埋戻し、地層のばらつきには注意が必要です。
地層名だけで判断せず、敷地ごとの調査結果を基に基礎を設計します。
現地で気付きやすいサイン
土地見学では、次のような状況も確認してください。
- 周囲の電柱や塀が傾いている
- 道路や擁壁に大きなひび割れがある
- 周辺住宅の基礎にひび割れが多い
- 大雨後に水が長く残る
- 敷地が周囲より低い
- 不自然に高く盛土されている
- 擁壁が膨らんだり、水が染み出したりしている
- 周辺住宅で地盤改良工事が多く行われている
これらがあれば必ず軟弱地盤というわけではありませんが、詳しい調査が必要なサインになります。
購入前に調べる方法
土地契約前
- 国土地理院の地形分類・古地図・航空写真を見る
- 液状化可能性分布図を確認する
- 大規模盛土造成地マップを確認する
- 売主から造成図・擁壁資料を取り寄せる
- 近隣の地盤調査結果を参考にする
- 住宅会社に現地を確認してもらう
近隣データは参考にはなりますが、隣の土地と同じ地盤である保証はありません。
建物設計前
戸建住宅ではスクリューウエイト貫入試験などを行い、地盤の強さや地層の変化を調べます。盛土が厚い、地層が複雑、液状化の懸念がある場合は、ボーリング調査などを検討します。
地盤が弱かった場合の対応
調査結果に応じて、次の方法を比較します。
- 基礎形状の見直し
- 表層地盤改良
- 柱状改良
- 鋼管杭などによる補強
- 盛土のやり直しや締固め
- 液状化対策
- 建物配置や建物重量の見直し
工法は、地盤の強さだけでなく、軟弱層の深さ、地下水、建物重量、周辺環境によって決まります。価格だけで地盤改良工法を選ばないことが大切です。
デザインハウス宮崎のツーバイフォー工法・耐震等級3の住宅も、地盤と基礎が適切に設計施工されて初めて性能を発揮します。耐震等級3だから軟弱地盤でも問題ない、という意味ではありません。
土地予算に地盤改良の予備費を入れる
地盤調査は土地購入後に行われることが多いため、契約時点では地盤改良の有無を確定できないケースがあります。
そのため、土地と建物の予算を限度まで使わず、地盤改良費の予備枠を確保しておきましょう。可能であれば、契約前調査について売主へ相談したり、造成資料や近隣データを確認したりすることも有効です。
まとめ
宮崎で地盤に注意したいのは、河川沿いの低地、旧河道、水田・湿地の跡、海岸近くの砂地、盛土造成地、切土と盛土の境界などです。
しかし、地域名やハザードマップだけで地盤の強さを断定することはできません。公的資料と造成履歴を調べ、最終的には敷地ごとの地盤調査で判断しましょう。








