結論:一般住宅より「数%~10%程度」の増額を一つの目安に。ただし標準仕様が高性能なら差額は小さくできます
宮崎で長期優良住宅を建てる場合、一般的な注文住宅と比べて、建築費が数%~10%程度上がるケースを一つの目安として考えると分かりやすいでしょう。
ただし、これは国が定めた「一律の割増率」ではありません。
長期優良住宅には、耐震性・劣化対策・省エネルギー性・維持管理のしやすさなど一定の認定基準があります。もともとこれらを高い水準で標準仕様にしている住宅会社なら、追加工事が少なく、差額はかなり小さくできます。宮崎県も、認定には劣化対策、耐震性、維持管理・更新の容易性などの基準を満たす必要があると案内しています。
3,000万円の家なら何万円増える?
分かりやすくモデル計算してみましょう。
| 通常住宅の建築費 | +3% | +5% | +10% |
|---|---|---|---|
| 2,500万円 | 75万円 | 125万円 | 250万円 |
| 3,000万円 | 90万円 | 150万円 | 300万円 |
| 3,500万円 | 105万円 | 175万円 | 350万円 |
| 4,000万円 | 120万円 | 200万円 | 400万円 |
例えば3,000万円の住宅なら、5%増で約150万円です。
ただし実際には「建物価格に一律5%を加算する」という仕組みではありません。
認定基準を満たすために何を変更する必要があるかによって追加費用が決まります。
長期優良住宅は、なぜ高くなる?
主に4つの理由があります。
① 耐震性能
長期優良住宅では耐震性について一定以上の基準を満たす必要があります。
そのため設計によっては、
- 柱・梁
- 耐力壁
- 金物
- 基礎
- 構造計算
などに追加費用が発生します。
宮崎県の案内でも、長期優良住宅の認定基準の一つとして耐震性が挙げられています。
② 劣化対策
長期間住宅を使用するため、
- 構造躯体
- 床下
- 小屋裏
- 防腐・防蟻
- 通気
などにも配慮が必要です。
特に宮崎では高温多湿・シロアリへの対策は、認定の有無にかかわらず大切にしたい部分です。
③ 省エネルギー性能
断熱性能などについても基準があります。
住宅会社の標準仕様によっては、
- 断熱材
- サッシ
- ガラス
- 玄関ドア
などのグレードアップが必要になることがあります。
④ 設計・申請費用
長期優良住宅では、性能を満たすだけでなく認定を受ける手続きも必要です。
宮崎市では、新築一戸建てで評価機関の確認書・住宅性能評価書がある場合の認定申請手数料は、1戸13,000円です。確認書等がない場合は48,000円となっています。
ただし、これとは別に登録住宅性能評価機関への技術審査費用や、住宅会社・設計事務所の申請業務費などが発生する場合があります。
「長期優良住宅にすると300万円高い」は正しい?
必ずしも正しくありません。
例えばA社の標準住宅が、
- 省エネ性能は最低限
- 構造性能も標準的
- 長期優良住宅仕様ではない
という場合、長期優良住宅へ変更するために多くの追加工事が必要になる可能性があります。
一方B社が最初から、
- 高断熱
- 高性能サッシ
- 高い耐震性能
- 劣化対策
- 維持管理対策
を標準としていれば、追加工事は少なくなります。
つまり住宅会社へ確認すべきなのは、
「長期優良住宅はいくらですか?」
ではなく、
「御社の標準仕様から長期優良住宅認定を取得すると、総額でいくら増えますか?」
です。
この聞き方の方が比較しやすくなります。
長期優良住宅のメリットは「丈夫な家」だけではありません
長期優良住宅には、認定を取得することで税制面などの優遇を受けられる場合があります。
そのため、
追加建築費 − 税制優遇等
まで含めて比較する必要があります。
「150万円高くなるからやめよう」と初期費用だけで判断するのは少し早いということです。
2026年は長期優良住宅が珍しい住宅ではなくなってきています
ここは現在の住宅市場で注目したいところです。
国土交通省によると、**2025年度(令和7年度)の新築一戸建て着工戸数に対する長期優良住宅の認定割合は49.8%**まで上昇しました。
つまり全国では、新築戸建てのおよそ2戸に1戸が認定を取得する水準になっています。
長期優良住宅は、一部の高級住宅だけの制度ではなくなりつつあります。
宮崎では長期優良住宅にした方がいい?
私たちは、認定を取る・取らないだけで判断しないことが重要だと考えます。
宮崎では、
- 台風
- 高温多湿
- シロアリ
- 夏の強い日射
- 地震
などへの対策も必要です。
そのため、
長期優良住宅の基準+宮崎の気候への対策
という考え方が大切です。
認定書を取得しただけで、宮崎で50年快適に暮らせる家になるわけではありません。
例えば「認定に150万円」なら高い?
ここも中身を分けて考えましょう。
例えば長期優良住宅化で150万円増えるとしても、
150万円全部が申請費用ではありません。
その中に、
耐震性能アップ 50万円
断熱・窓性能アップ 50万円
劣化対策等 20万円
設計・審査・申請 30万円
が含まれていると仮定します。
そうすると、120万円は実際の住宅性能を高めるためのお金です。
単なる「認定書代」と考えるのは正確ではありません。
※上記は説明用の仮定です。
長期優良住宅にするなら「維持保全」も忘れない
長期優良住宅は、建てたときに認定を取れば終わりではありません。
国の制度では、長期間良好な状態で住宅を使用するため、維持保全計画を作成することも認定基準に含まれています。
建築後も、
- 点検
- 修繕
- メンテナンス
- 記録の保存
などを行いながら家を維持していく考え方です。
これは長期優良住宅の大きな特徴です。
デザインハウス宮崎からのアドバイス
長期優良住宅について、私たちが大切だと思うのは、
「認定を取るために家を高くする」
という考え方にしないことです。
本来必要なのは、
長く住める構造
地震に強いこと
暑さ・寒さを抑えること
メンテナンスしやすいこと
です。
これらは、認定を取らなくても本来住宅に必要な性能です。
そのため理想は、
「普段つくっている住宅の性能が高く、少しの追加費用と申請で長期優良住宅にできる」
という状態です。
もし「長期優良住宅にすると300万~400万円上がります」と言われたら、金額だけで判断せず、
「そのうち性能アップはいくらで、申請関係はいくらですか?」
と聞いてみてください。
この質問をすると、その住宅会社の標準性能がかなり見えてきます。
宮崎で長く暮らす家だからこそ、認定という名前ではなく、その中身にお金を使うことが大切だと考えています。
よくある質問
Q. 長期優良住宅は普通の家より何%高いですか?
国が一律の割増率を定めているわけではありません。住宅会社の標準仕様によって差が大きく、数%~10%程度を予算検討上の目安として考えつつ、実際には個別見積もりで確認するのが適切です。
Q. 宮崎市の長期優良住宅の認定申請手数料はいくら?
新築一戸建てで評価機関の確認書または住宅性能評価書がある場合、宮崎市の認定申請手数料は1戸13,000円です。別途、評価機関の審査費や住宅会社の申請業務費などが発生する場合があります。
Q. 長期優良住宅にすると耐震性も上がりますか?
長期優良住宅の認定基準には耐震性が含まれています。ただし「長期優良住宅=必ず耐震等級3」という意味ではないため、採用する耐震等級は別途確認しましょう。
Q. 長期優良住宅は珍しいですか?
現在はかなり普及しています。国土交通省によると、2025年度の新築一戸建て着工戸数に対する認定割合は49.8%でした。







