結論
原則として継続できます。ただし、次の条件によって必要な手続きや利用方法が変わります。
- 仮住まいが同じ市町村内か、市外か
- 住民票を仮住まい先へ移すか
- 医療受給証の種類
- 現在の介護事業所のサービス提供区域
- 地域密着型サービスを利用しているか
特に市外へ住民票を移す場合は、介護保険の保険者や自治体独自の医療費助成が変わる可能性があります。引越し前にケアマネジャーと自治体の担当窓口へ相談してください。
仮住まいの場所別の取扱い
| 仮住まいの状況 | 医療・介護の基本的な対応 |
|---|---|
| 同じ市町村内・住民票を移す | 住所変更後も原則継続。証書等の書換えを確認 |
| 同じ市町村内・住民票を移さない | 資格は通常継続。ただし訪問先変更が必要 |
| 市外・住民票を移す | 転出・転入に伴う医療・介護の切替手続きが必要 |
| 市外・住民票を移さない | 資格が継続する場合でも、サービス提供区域を要確認 |
| 県外へ仮住まい | 医療費助成の窓口利用や介護事業所の変更が必要になる可能性が高い |
医療保険は継続できますか?
健康保険、国民健康保険、後期高齢者医療など、公的医療保険そのものは、適切な住所変更・資格変更手続きをすれば継続できます。
現在は、医療機関で次のいずれかを使用します。
- マイナ保険証
- 資格確認書
- マイナンバーカードと資格情報のお知らせ等
住民票を移した場合は、加入している健康保険へ住所変更が反映されているか確認しましょう。
「医療受給証」は種類によって扱いが異なります
医療受給証には、自治体独自のものと、都道府県・国の制度に基づくものがあります。
- 重度心身障がい者医療費助成
- 自立支援医療
- 特定医療費(指定難病)
- ひとり親家庭等医療費助成
- 子ども医療費助成
- 特定疾病療養受療証
同じ市町村内で住所を変える場合
資格は継続できることが一般的ですが、住所変更届や受給証の書換えが必要な場合があります。
別の市町村へ住民票を移す場合
市町村独自の医療費助成は、元の自治体で資格を喪失し、転入先で改めて申請することがあります。自治体によって対象条件や自己負担額が異なるため、同じ条件で継続できるとは限りません。
例えば宮崎市のひとり親家庭等医療費助成では、住所変更時は受給資格変更届、市外転出時は資格喪失の手続きが必要と案内されています。宮崎市「ひとり親家庭等医療費助成制度」
宮崎県外で受診する場合
受給証を医療機関の窓口で直接使えず、いったん医療費を支払った後、自治体へ払い戻し申請をする場合があります。
指定難病の受給者証について住所が変わった場合は、記載事項変更届などが必要です。宮崎県「特定医療費(指定難病)支給認定申請」
制度ごとに違うため、受給証に記載されている担当窓口へ事前に確認してください。
介護保険サービスは継続できますか?
同じ市町村内の仮住まい
原則として、要介護・要支援認定は継続します。
ただし、訪問介護や訪問看護の訪問先が変わるため、ケアマネジャーへ事前に連絡し、ケアプランや事業所との契約内容を変更します。
確認するサービスは次のとおりです。
- 訪問介護
- 訪問看護
- 訪問入浴
- デイサービスの送迎
- 福祉用具貸与
- 配食・見守りサービス
- 訪問診療・薬の配達
住所が同じ市内でも、仮住まい先が事業所の送迎・訪問区域外なら、事業所を変更する可能性があります。
別の市町村へ住民票を移す場合
介護保険の保険者が転入先の市町村へ変わるのが原則です。元の市町村で受けていた要介護・要支援認定を引き継ぐ手続きが必要になります。
宮崎市では、他市町村で要介護・要支援認定を受けていた人が転入した場合、介護保険の資格取得に関する手続きを案内しています。宮崎市「被保険者資格の取得と喪失」
転出元で次の書類について確認してください。
- 介護保険被保険者証の返却
- 介護保険受給資格証明書
- 負担割合証
- 負担限度額認定証
- 要介護認定の有効期間
- 転入先での認定引継ぎ申請期限
手続きが遅れると、認定やサービス利用に影響する可能性があります。転入届と同時に介護保険窓口へ相談しましょう。
住民票を移さず市外へ仮住まいする場合
介護保険資格が直ちに変わらない場合でも、現在の訪問介護・デイサービス事業所が市外の仮住まいまで対応できるとは限りません。
また、地域密着型サービスは、原則としてその市町村の住民を対象としているため、市外の仮住まいでは利用方法の調整が必要になることがあります。
ケアマネジャーには、次の情報を伝えます。
- 仮住まい先の住所
- 入居期間
- 住民票の取扱い
- 現在のサービス内容
- 送迎・訪問距離
- 新居へ戻る予定日
必要に応じて、仮住まい周辺の事業所への一時的な変更や、ショートステイの利用を検討します。
福祉用具は持っていけますか?
介護ベッド、歩行器、車いすなどのレンタル福祉用具は、仮住まいへ移設できる場合があります。
ただし、次の確認が必要です。
- 搬出・再設置費用
- 仮住まいに設置できる広さ
- 床や壁を傷つけないか
- 電動ベッド用コンセント
- 車いすの通路幅
- 据え置き型手すりの設置場所
- 新居への再移設費用
福祉用具事業者へ無断で移動せず、ケアマネジャーを通じて相談しましょう。
仮住まいで住宅改修費は使えますか?
賃貸の仮住まいで手すり工事などを行う場合は、大家・管理会社の承諾が必要です。また、介護保険の住宅改修費が利用できるかは、住民票、生活の本拠、工事内容などによって個別に判断されます。
短期間の場合は、工事を伴わない次の福祉用具が現実的です。
- 据え置き型手すり
- レンタル介護ベッド
- 歩行器
- シャワーチェア
- ポータブルトイレ
- 段差解消用具
必ず工事・購入前に市町村とケアマネジャーへ確認してください。
引越し前の確認手順
- 担当ケアマネジャーへ仮住まい先を伝える
- 医療受給証の担当窓口へ住所変更の扱いを確認する
- 現在の介護事業所が仮住まい先まで対応できるか確認する
- 福祉用具の移設を手配する
- 訪問診療・薬局・訪問看護へ連絡する
- 市外転出なら介護認定の引継ぎ手続きを確認する
- 緊急連絡先と避難経路をケア関係者で共有する
宮崎市の介護保険に関する相談は介護保険課、医療費助成は受給証に記載された各担当課が窓口です。
まとめ
仮住まい中も、医療保険や介護保険サービスは原則として継続できます。ただし、市外へ住民票を移す場合は、介護保険の保険者変更や自治体独自の医療費助成の再申請が必要になることがあります。
同じ市内でも、訪問・送迎区域の変更によって事業所を変えるケースがあります。仮住まいを契約する前に、ケアマネジャー、医療受給証の担当窓口、介護保険課の3か所へ確認しておくと安心です。








