はい、ホームエレベーターは設置できます。ただし、完成後の住宅に後付けすると、構造補強や間取り変更が必要になり、工事費も高くなりやすいため、建替え時から準備しておくことをおすすめします。
おすすめは「将来設置スペース」の先行確保
現時点でエレベーターが必要なければ、1階と2階の同じ位置に収納などを設け、将来その部分をエレベーターの昇降路へ変更できるように計画します。
| 建替え時の準備 | 内容 |
|---|---|
| 上下階の位置 | 1階と2階で同じ位置にスペースを確保 |
| 必要面積 | 製品によるが、おおむね1~1.5帖程度+乗降スペース |
| 構造 | 将来、床を撤去しても安全な梁・柱配置にする |
| 基礎 | 採用予定機種に合わせて補強方法を検討 |
| 電源 | 専用電源や配線ルートを準備 |
| 動線 | 寝室・トイレ・玄関から利用しやすい位置にする |
| 図面 | 「将来ホームエレベーター設置予定」と明記して保存 |
ただ空間を空けておくだけでは不十分です。採用候補メーカーを決め、必要寸法、基礎、構造、電源を建築士に確認してもらいましょう。
将来スペースは収納として使えます
設置するまでの間は、上下階とも収納として利用できます。ただし、次のような使い方は避けた方が安全です。
- 構造上重要な柱や梁を入れる
- 水道管や排水管を通す
- 床暖房を施工する
- 分電盤や給湯設備を設置する
- 将来撤去しにくい造作家具を置く
「納戸を上下に配置すれば、いつでも設置できる」とは限りません。床を撤去したときの建物強度まで確認する必要があります。
車いす対応を想定するならサイズに注意
将来の介護を考える場合は、立って乗るだけの小型タイプではなく、車いすと介助者が乗れるかを確認します。
例えば、三菱電機ホームエレベーターの車いす対応機種には、かご内寸法が間口880mm×奥行1,300mmの製品がありますが、介助者が同乗できるかは車いすの大きさや積載重量によって異なります。三菱電機ホームエレベーター「車いす対応」
確認したいポイントは次のとおりです。
- 普通型・電動車いすが入るか
- 介助者も一緒に乗れるか
- 乗降口の前で車いすを回転できるか
- 操作ボタンに座ったまま手が届くか
- 手すりや鏡を設置できるか
- 出入口を一方向または二方向のどちらにするか
建築確認などの手続きは必要ですか?
エレベーターは、原則として建築基準法に基づく確認申請の対象となる建築設備です。新築時に設置する場合は建物と一緒に、完成後に増設する場合は増設時に、建築士や確認検査機関へ手続きを確認します。
宮崎県も、確認申請を要する建築設備としてエレベーターを挙げています。宮崎県「関係法令等」
後付けの場合は、既存建物の構造安全性を損なわないことも重要です。国土交通省「既存住宅へのホームエレベーター設置指針」
また、設置後はメーカーによる保守点検や、地域・設備条件に応じた定期検査・報告について確認が必要です。国土交通省「昇降機について」
設置前に考えておきたいデメリット
- 本体だけでなく建築・電気・確認申請費用がかかる
- 定期点検や部品交換などの維持費が必要
- 将来、製造終了部品の交換や更新が必要になる
- 停電時には通常運転できない
- エレベーターだけに頼ると、故障時に2階から移動できない
- 設置によって居住・収納スペースが減る
費用は機種、停止階数、車いす対応、建物構造で大きく変わります。本体価格だけではなく、昇降路工事、基礎補強、電気工事、申請、保守費用まで含めた総額で見積もりましょう。
宮崎県で特に必要な災害対策
宮崎では台風による停電や大雨による浸水を想定する必要があります。
- 停電時自動着床装置を付ける
- 閉じ込め時の通報装置を確認する
- ハザードマップで浸水リスクを確認する
- 制御盤や電気設備を浸水しにくい位置に配置する
- 台風接近時や停電時は使用しない
- 1階にも寝室とトイレを設ける
停電時自動着床装置は、停電した際にバッテリーで最寄り階まで移動させる設備ですが、停電中も自由に運転できる設備とは限りません。
シニアの建替えで最も安心な計画
最も安心なのは、ホームエレベーターがなくても1階だけで生活できる間取りです。
1階にLDK、寝室、トイレ、浴室を配置し、2階は家族や来客、収納用とします。そのうえで将来設置スペースを準備しておけば、身体状況や予算に合わせて設置を判断できます。
「ホームエレベーターを付ければ安心」ではなく、「1階完結型の間取り+将来設置への備え」の組み合わせが、シニアの建替えには現実的です。








