こんにちは。
株式会社ツチモチが運営する「デザインハウス宮崎」の町田です。
家づくりを検討していると、
「断熱等級はいくつあればよいの?」
「宮崎は暖かいから、等級4で十分では?」
「等級6や7まで上げる必要があるの?」
という疑問が出てきます。
結論からお伝えすると、私たちは宮崎でこれから新築・建替えをするなら、断熱等級6を一つの目標にすることをおすすめしています。
ただし、等級だけで家の快適性が決まるわけではありません。
気密性能、窓、日射遮蔽、換気、冷暖房、施工品質まで一体として考えることが大切です。
断熱等級とは?
断熱等級とは、住宅の断熱性能を段階的に表したものです。
正式には「断熱等性能等級」といい、現在は等級1から等級7まであります。
数字が大きいほど、外壁、屋根、床、窓などから熱が出入りしにくく、断熱性能が高い住宅です。
国の説明では、
- 等級4:省エネ基準相当
- 等級5:ZEH水準
- 等級6:熱損失を著しく削減する水準
- 等級7:さらに高い断熱性能
と位置づけられています。等級6・7は、2022年に上位等級として追加されました。環境省「住宅脱炭素NAVI」、国土交通省「断熱等級6・7の基準」
2025年から等級4相当が最低基準に
2025年4月以降に着工する新築住宅は、省エネ基準へ適合することが義務化されました。
現在の省エネ基準は、断熱等級4相当です。国土交通省「省エネ基準引き上げへ」
ただし、ここで注意していただきたいことがあります。
法律上の最低基準を満たすことと、長く快適に暮らせることは同じではありません。
等級4は、現在、新築住宅が満たすべき出発点です。
「等級4だから高性能」ではなく、最低限必要な水準として考えた方がよいでしょう。
また国は、遅くとも2030年までに、現在のZEH水準である等級5相当へ基準を引き上げる予定を示しています。国土交通省
これから何十年も暮らす家を、現在の最低基準だけで考えてよいのかを検討する必要があります。
等級4は「最低限のスタート」
断熱等級4は、省エネ基準に適合する水準です。
しかし、宮崎で実際に暮らしたときに、
- 冬の朝も暖かい
- 足元が冷えにくい
- 廊下や脱衣室まで温度差が少ない
- 夏も少ない冷房で快適
- 暖房を止めても急激に冷えにくい
という暮らしを必ず保証するものではありません。
家の広さ、窓の大きさ、間取り、気密性能、日当たり、冷暖房方法によっても変わります。
これから新築する家であれば、等級4を最終目標にするのではなく、そこからどこまで性能を高めるかを考えたいところです。
等級5はZEH水準
断熱等級5は、ZEH水準に相当する断熱性能です。
等級4より熱が逃げにくくなり、冷暖房に必要なエネルギーを抑えやすくなります。
2030年までに新しい基準となる予定の水準でもあるため、これから建てる住宅では、少なくとも等級5を検討したいと考えます。
ただし、家を建ててから暮らす期間は20年、30年、それ以上になります。
将来の基準、光熱費、家族の健康、室内の温度差まで考えるなら、等級5より一段上の性能も検討する価値があります。
私たちが等級6をおすすめする理由
断熱等級6は、等級5よりさらに熱が逃げにくい水準です。
宮崎市を含む地域区分7では、UA値の基準は次のようになっています。
| 断熱等級 | UA値の基準 |
|---|---|
| 等級4 | 0.87以下 |
| 等級5 | 0.60以下 |
| 等級6 | 0.46以下 |
| 等級7 | 0.26以下 |
UA値は、小さいほど熱が逃げにくいことを表します。国土交通省「断熱等級6・7の基準」
等級6を目標にすることで、
- 冬の室温を保ちやすい
- 床・壁・窓の表面が冷えにくい
- 家の中の温度差を小さくしやすい
- 夏の外の暑さが伝わりにくい
- 冷暖房の負担を抑えやすい
- 将来の基準強化にも対応しやすい
という家を目指せます。
国土交通省も、等級6・7について、省エネ性と快適な室内環境を実現するための設計上のポイントをまとめたガイドを公開しています。国土交通省「高断熱住宅の設計ガイド」
宮崎は暖かいから等級6は不要?
宮崎は北海道に比べれば、冬の外気温は高くなります。
しかし、宮崎へ移住した私は、家の中の寒さに驚きました。
リビングは暖かくても廊下が寒い。
脱衣室やトイレが冷えている。
暖房をつけても足元が寒い。
朝になると家全体が冷え切っている。
この寒さは、外気温だけではなく、住宅性能にも関係しています。
さらに、断熱は冬のためだけのものではありません。
夏は外の暑さを室内へ伝えにくくし、冷房で整えた空気を保ちやすくする役割もあります。
宮崎だから断熱性能が不要なのではなく、冬と夏の両方を快適にするために必要です。
等級7まで必要?
断熱等級7は、現在の最高等級です。
地域区分7では、UA値0.26以下という非常に高い断熱性能が求められます。
熱を逃がしにくく、室温や床・壁の表面温度を安定させやすいことが大きな魅力です。
一方で、
- 断熱材や窓などの費用
- 壁厚や納まり
- 結露を防ぐ設計
- 丁寧な気密・防湿施工
- 宮崎の夏の日射対策
- 冷房・除湿の計画
まで、高い技術と総合的な設計が必要です。
等級7が悪いわけではありません。
予算、家の広さ、土地条件、ご家族の希望、施工体制が合えば、検討する価値があります。
ただし「最高等級だから必ず快適」と単純に考えず、費用とのバランスを確認する必要があります。
宮崎県内でも地域区分が違います
断熱等級の基準は、全国一律ではありません。
日本は気候によって8つの地域に分けられ、地域ごとにUA値などの基準が設定されています。
宮崎市、日南市、日向市、西都市、高鍋町、新富町など、宮崎県の多くの地域は地域区分7です。
一方、高千穂町、五ヶ瀬町、椎葉村などの山間部や、県内の一部地域は区分5または6に該当します。国土交通省「地域区分新旧表」
同じ宮崎県内でも、建築する市町村や旧市町村区域によって区分が異なる場合があります。
家を建てる土地の地域区分を確認してから、必要な断熱性能を決めることが大切です。
等級だけでは夏の涼しさは判断できない
宮崎で特に注意したいのが、夏の日差しです。
断熱性能の高い家は、一度室内に入った熱も逃げにくくなります。
そのため、大きな窓から夏の日差しを大量に取り込むと、室温が上がる可能性があります。
断熱等級の評価では、UA値だけでなく、冷房期の平均日射熱取得率である「ηAC値」も地域ごとに確認されます。性能表示では、UA値とηAC値のうち低い方の等級が表示されます。国土交通省「断熱性能ラベルの解説」
宮崎では、等級を高くするだけでなく、
- 軒や庇を設ける
- 外付けシェードを使う
- 西側の窓を大きくしすぎない
- 窓の方角と大きさを考える
- 冷房・除湿を計画する
ことが重要です。
断熱等級が高くても、隙間が多ければ寒い
断熱等級は、主に設計上の断熱性能を表します。
しかし、家に隙間が多ければ、暖かい空気や涼しい空気は外へ逃げます。
断熱等級が高くても、
- 断熱材に隙間がある
- 窓まわりの施工が不十分
- 配管部分から空気が漏れる
- 気密性能を確認していない
場合は、期待した快適性を得られない可能性があります。
断熱等級と併せて、C値による気密性能も確認することが大切です。
断熱は暖かい上着、気密は上着のファスナーです。
両方がそろって、初めて性能を発揮します。
等級6なら必ず暖かい?
等級6は高い断熱性能ですが、それだけで必ず快適な家になるわけではありません。
実際の暮らしには、
- 気密性能
- 窓の配置と大きさ
- 夏の日射遮蔽
- 冬の日差し
- 換気と湿度管理
- 冷暖房設備
- 間取り
- 施工品質
も関係します。
大きな吹き抜けや窓があっても、住宅性能と空調計画が整っていれば快適にできます。
反対に、等級だけを高くしても、夏の日差しや空気の流れを考えていなければ、暑さや温度差が生まれることがあります。
予算に限りがある場合の考え方
断熱等級を高めると、建築費が上がる場合があります。
予算に限りがあるときは、
- 家を必要以上に大きくしない
- 建物の形をシンプルにする
- 窓を増やしすぎない
- 設備のグレードを調整する
- 外観の装飾を整理する
- 後から交換できるものを標準仕様にする
といった方法で、性能へ予算を配分できます。
キッチンや設備は、将来交換できます。
しかし、壁の中の断熱材や家全体の気密性能を、完成後に改善するのは簡単ではありません。
後から直しにくいものを優先することが大切です。
住宅会社へ確認したいこと
断熱等級について、住宅会社へ次の点を聞いてみてください。
- この家の断熱等級はいくつですか?
- UA値はいくつですか?
- 建物ごとにUA値を計算しますか?
- 気密測定を行いますか?
- 夏の日射をどのように遮りますか?
- 廊下や脱衣室まで温度差を小さくできますか?
- 断熱・気密施工を工事中にどう確認しますか?
- 結露を防ぐためにどのような設計をしていますか?
- 宮崎の湿気や台風をどう考えていますか?
「等級6です」という説明だけでなく、実際の設計、施工、確認方法まで聞くことが重要です。
私たちが目指すのは「等級6を取る家」ではありません
私たちが断熱等級6をおすすめする目的は、認定書や数字を得ることではありません。
冬の朝、寒さを我慢せずに起きられる。
廊下や脱衣室まで極端に冷えない。
夏の夜も少ない冷房で気持ちよく眠れる。
光熱費を心配しすぎず、冷暖房を使える。
年齢を重ねても安心して暮らせる。
そのような生活を実現するための、一つの目安として等級6を考えています。
宮崎でこれから新築・建替えをするなら、
等級4は最低基準、等級5は少なくとも検討したい水準、等級6を快適性と将来性の目標にする
というのが、私たちの基本的な考え方です。
断熱等級だけでなく、気密、窓、日射、換気、冷暖房、施工まで整える。
それが、株式会社ツチモチとデザインハウス宮崎が目指す「宮崎型高性能住宅」です。








