こんにちは。
株式会社ツチモチが運営する「デザインハウス宮崎」の町田です。
土地や住宅を探していると、
「南向きだから日当たりが良い」
「南向きの家なら、冬も暖かい」
「北向きの土地は避けた方がよい」
という話をよく聞きます。
確かに、南から入る日差しを上手に利用できれば、冬の室内を暖かくすることができます。
しかし、家や土地が南向きだからといって、必ず暖かく快適になるわけではありません。
南向きという条件だけで判断すると、冬は思ったほど暖かくなく、夏は暑すぎる家になることもあります。
「南向き」が何を指すのか確認しましょう
住宅広告などで使われる「南向き」には、いくつかの意味があります。
- 道路が敷地の南側にある
- 玄関が南側にある
- リビングが南側にある
- 大きな窓が南側にある
- 建物の正面が南を向いている
例えば、南側道路の土地であっても、玄関や駐車場を南側に配置すれば、リビングの日当たりを十分に確保できないことがあります。
反対に、北側道路の土地でも、建物を北側へ寄せ、南側に庭や空間を設ければ、リビングへ日差しを取り入れられる場合があります。
「南向き」という言葉だけでは、その家の日当たりや暖かさは判断できません。
敷地全体と、建物・窓・部屋の配置を見ることが大切です。
理由1 南側に建物があれば日差しは入りません
家や窓が南を向いていても、南側に高い建物があれば、日差しが遮られます。
特に冬は太陽の位置が低くなるため、周囲の建物や塀、樹木の影響を受けやすくなります。
土地を確認するときは、現在の日当たりだけでなく、
- 南側の建物との距離
- 建物の高さ
- 冬の太陽の位置
- 隣地に将来建物が建つ可能性
- 塀や樹木による影
まで考える必要があります。
夏の現地見学で日当たりが良くても、冬も同じように日差しが入るとは限りません。
土地を購入する前に、季節による影の違いまで確認することが理想です。
理由2 南側に窓がなければ日差しを取り込めない
建物が南向きでも、南側の窓が小さかったり、収納や水まわりが配置されていたりすれば、リビングへ十分な日差しが入りません。
家の暖かさを左右するのは、建物の向きだけではありません。
どの部屋をどこへ配置し、どの位置に、どの大きさの窓を設けるかが重要です。
ただし、日差しを入れるために、南側の窓を必要以上に大きくすればよいわけでもありません。
窓は日差しを取り込める一方、冬の夜には室内の熱が逃げやすい場所になるからです。
窓の大きさと性能を、バランスよく考える必要があります。
理由3 窓の性能が低いと夜に熱が逃げる
南側の大きな窓から日中の日差しを取り込めば、室内は暖かくなります。
しかし、太陽が沈んだ後、その窓から室内の熱が外へ逃げることがあります。
窓の性能が十分でなければ、
「昼間は暖かいのに、夕方から急に寒くなる」
「窓の近くに座ると冷気を感じる」
「朝になるとリビング全体が冷えている」
という状態になります。
冬の日差しを取り込むことと、得た熱を逃がさないことはセットです。
南向きの窓を設ける場合も、サッシやガラスの性能、窓まわりの施工を大切にする必要があります。
理由4 断熱・気密性能が低いと暖かさを保てない
南向きの家に日差しがたくさん入っても、断熱・気密性能が十分でなければ、その暖かさは外へ逃げてしまいます。
壁・天井・床などから熱が失われ、家の隙間から冷たい外気が入り込みます。
日中は暖かくても、日が沈むとすぐに室温が下がる家は、暖かさを保つ力が不足している可能性があります。
本当に暖かい家をつくるには、
- 冬の日差しを取り入れる
- 断熱・気密性能で熱を逃がさない
- 家全体へ暖かさを届ける
という3つを一緒に考えることが大切です。
南向きという条件だけでは、家の暖かさは決まりません。
理由5 南向きでも廊下や水まわりは寒い
南側の日当たりの良い場所にリビングを配置すると、トイレ、洗面室、脱衣室、浴室などは北側へ配置されることが多くなります。
その結果、リビングは日差しで暖かくても、北側の水まわりは冷えたままになります。
暖かいリビングから寒い廊下や脱衣室へ移動すると、家の中に大きな温度差を感じます。
本当に快適な家とは、リビングだけが暖かい家ではありません。
家の向きに関係なく、廊下、トイレ、脱衣室、寝室まで極端な温度差が生まれないようにする必要があります。
そのためには、日当たりだけでなく、家全体の断熱・気密・空調計画が重要です。
理由6 冬は暖かくても、夏は暑すぎることがある
宮崎で特に注意したいのが、夏の強い日差しです。
南向きの大きな窓から日差しを取り込むと、冬は暖かくなります。
しかし、夏の日差しまで室内へ入ると、床や壁、家具が熱を持ち、室温が大きく上がることがあります。
断熱性能の高い家は、一度室内へ入った熱が逃げにくくなります。
そのため、高性能住宅ほど、夏の日差しを入れない工夫が重要です。
宮崎の家づくりでは、
- 軒や庇を適切に設ける
- 外付けシェードを活用する
- 窓の高さや大きさを調整する
- 強い西日が入る窓を増やしすぎない
- 季節による太陽の高さを考える
といった日射対策が必要です。
冬の日差しは取り入れ、夏の日差しは外側で遮る。
この使い分けができて、初めて南向きの良さを生かせます。
理由7 南向きにこだわると窓を大きくしすぎる
「南向きだから大きな窓をつくりたい」と考える方は少なくありません。
大きな窓には、
- 室内が明るくなる
- 開放感が生まれる
- 庭とのつながりを感じられる
- 冬の日差しを取り込める
というメリットがあります。
一方で、
- 冬に熱が逃げやすい
- 夏に室温が上がりやすい
- 外からの視線が気になる
- カーテンを閉めたままになる
- 家具の配置が難しくなる
- 窓の費用が高くなる
という面もあります。
外からの視線が気になり、昼間もカーテンを閉めてしまえば、せっかくの南向きでも日差しを十分に利用できません。
窓は大きさだけでなく、実際の暮らし方まで考えて計画することが大切です。
理由8 軒や庇が適切でない
南側の窓に軒や庇があると、夏の高い位置からの日差しを遮り、冬の低い位置からの日差しを取り込むことができます。
しかし、軒や庇が深すぎると、冬の日差しまで遮ってしまうことがあります。
反対に、軒や庇がほとんどなければ、夏の日差しが直接室内へ入りやすくなります。
軒や庇は、単なる外観デザインではありません。
窓の高さ、方角、太陽の動きに合わせて計画する、住宅性能の一部です。
すべての窓に同じ深さの庇を設ければよいわけではなく、建築する場所や窓ごとに検討する必要があります。
理由9 方角よりも土地の条件が重要な場合がある
家づくりでは、「南向きの土地」という条件にこだわりすぎると、ほかの大切な点を見落とすことがあります。
例えば、
- 周囲に高い建物がない
- 南側に十分な空間がある
- 風通しが良い
- 道路からの視線を避けられる
- 水害や土砂災害のリスクが低い
- 生活動線や駐車計画をつくりやすい
といった条件も重要です。
南側道路の土地は人気があるため、価格が高くなることもあります。
一方、北側道路の土地でも、建物の配置を工夫すれば、南側にプライベートな庭と明るいリビングをつくれる場合があります。
土地の方角だけで判断せず、どのような家を配置できるかを確認してから選ぶことが大切です。
南向きの良さを生かす3つの条件
南向きの家を本当に暖かく快適にするためには、次の3つが必要です。
1.冬の日差しを取り入れる
周囲の建物や土地の形を確認し、日差しが入る場所に適切な窓を設けます。
2.得た暖かさを逃がさない
断熱・気密・窓の性能を整え、日中に得た熱を夜まで保ちやすくします。
3.夏の日差しを遮る
軒、庇、外付けシェードなどを使い、強い日差しを窓の外側で遮ります。
この3つがそろわなければ、南向きのメリットを十分に生かすことはできません。
家づくり前に確認したいこと
土地選びや間取りを考えるときは、住宅会社へ次の点を確認してみてください。
- 冬に南側の窓へ何時間くらい日差しが入るか
- 隣の建物の影はどのようにかかるか
- 夏の日差しをどう遮るか
- 窓の大きさと性能は適切か
- 日が沈んだ後も暖かさを保てるか
- 北側の水まわりは寒くならないか
- 家全体の温度差をどう小さくするか
- 南側道路でなくても希望の間取りを実現できるか
「南向きなので暖かいです」という説明だけでなく、季節ごとの日差しと住宅性能を具体的に確認することが重要です。
南向きより「敷地に合った家」を
南向きは、日差しを上手に利用できる魅力的な条件です。
しかし、南向きであれば自動的に暖かく、快適な家になるわけではありません。
- 南側に日差しを遮る建物がないか
- 適切な位置に窓があるか
- 窓の性能は十分か
- 断熱・気密性能が整っているか
- 夏の日差しを遮れるか
- 家全体の温度差が少ないか
こうした条件を総合的に考える必要があります。
家づくりで大切なのは、南向きという言葉にこだわることではありません。
その土地の光、風、周囲の建物、家族の生活を読み取り、敷地に合った住まいをつくることです。
宮崎の強い日差しを味方にする家づくり
宮崎には、冬の暖かい日差しという恵みがあります。
その日差しを上手に取り入れ、断熱・気密・窓の性能で暖かさを保つ。
そして、夏の強い日差しは軒や庇などで遮る。
南向きだから暖かいのではありません。
日差しを季節に合わせて使い分け、家全体の性能を整えているから暖かく快適になるのです。
北海道で学んだ断熱・気密の考え方と、宮崎の日差しを生かした設計を組み合わせる。
それが、株式会社ツチモチとデザインハウス宮崎が目指す「宮崎型高性能住宅」です。








